手持ちの現金が総資産の35%超に一段と分厚く膨んだ。
これを是ととらえるか。非ととらえるか。
カタログ通販大手のフェリシモ(3396)が4月10日に発表した12年2月期決算は、営業利益が前期比72%増の14億9500万円、経常利益が同64%増の16億1700万円と、大幅増益を達成した。
利益以上に目を引いたのが、手持ちの現金額だ。
12年2月末でその額は151億円。総資産422億円の35.7%と、3分の1以上の高水準に達する。
この豊富な手持ちキャッシュに関して、矢崎和彦社長は「必要なとき、いざというときすぐに使えるように、貯めている」と誇らしげだ。
好財務に騙されるな
こうした潤沢なキャッシュを武器に、フェリシモは無借金、自己資本比率は62%と、財務内容はきわめて強固だ。仮に不測の事態から単年度で損益が赤字に陥ることがあっても、債務超過に至るといった危険性はほとんどない。
では、株価はこうした好財務や、豊富なキャッシュをどのように評価しているだろうか。
フェリシモの株価は好決算発表にもほとんど反応せず、現在は1100円台。1株純資産2659円の半分以下で、PBR(株価純資産倍率)は0.4倍。それどころか1株あたりの現金額の1532円すら大きく下回っている。
つまり、株価はこの豊富なキャッシュをプラスには評価していないのだ。
なぜか?
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