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東方御伽草子~IF その⑨
 『頑張れぼくらのけーね先生』


 私の名前は上白沢慧音と言う。まあ苗字で分かる通りハクタクと言うアヤカシの血が入ってる。まあ俗に言う半人半妖と言うやつだ。どうだカッコいいだろう?

 元々は普通の人間だったのだが、かつて私が住んでいた村にアヤカシがやってきたんだ。私は村に被害が出ては困ると思い、アヤカシの前に躍り出たんだ。

 「やいアヤカシ!村へは通さないぞ!」

 私の台詞は素晴らしかった。見事に決った訳だ。だがアヤカシと来たら、

 「この村には病魔の気配がする。我が祓ってやろう。なに、遠慮するな」

 等と訳の分からない事をごちゃごちゃ言うのだ。(作者注釈:白澤はむしろ良い妖怪です)私の台詞を遮るなど無粋な真似を。角など生やして偉そうに。

 だから私は得意の頭突きをしこたまくれてやったのだ。そしたら取り憑かれてしまったのだ。まあ、私にも角が生えたから儲け物なのだがな?ははは。悪は滅びたのさ!(作者注釈:繰り返しますが白澤は良い妖怪です)

 まあその後気色悪いと村を追い出されてしまったよ。命の恩人になんたる仕打ちか!だが私は大人だ。村人全員に頭突きをして旅に出たのだ。

 その後の旅は散々だったな。私は知識欲が強くてな?大きな街を見つけては書物等を読み漁るのだが、ついつい夢中になりすぎる。そして満月に気付かずに角がばれて追い出されてしまうのだ。まったく、この角の良さがわからぬとはな?どうかしてるよ人間は。

 まあそれでも私は人間が好きだ。自分はアヤカシの身なれど、心は人間と変わらぬのだからな。だから私は定住できる場所を求めて彷徨ったのだ。

 ある時私が野宿をしていた時だった。いきなり胡散臭い女が現れた。そして寝てる私を起こし、人間とアヤカシが共存する郷があるから住まないか?と誘ってきた。

 それは渡りに船であると私は2つ返事で話を受けた。そんな理想的な場所があるなんて素晴らしい。私はやっと終の住みかに出会えたのだ。

 まあだからと言って、寝てるとこを起されたのは癪だからきちんと頭突きはお見舞いしたがな!

 そうして私は幻想郷に住むことになったのだ。

 幻想郷は素晴らしかった。人間とアヤカシが本当に共存しているのだ。だがやはりアヤカシの方が力は強い。だからよく喰われてしまう。

 そこで私は人里の守護者を買って出たのだ。お前もアヤカシだろうと言った長老共には正義の頭突きをお見舞いしてやったがな!年長者への口の訊き方がなってないな。見た目は老人でも私は貴様の何倍も生きているのだから。

 そして私は妹紅にも出会った。こいつはいつもやさぐれてるんだ。女のくせにすぐ舌打ちするんだ。まあ私の正義の頭突きですっかり改心したがな。やはり人は腹を割って話し合えばわかりあえるのだ。

 私の寺子屋の生徒達も素直でいい子達ばかりだ。まあ初めは言うことを聞かなかったが、根気強く語り合ったら今では皆、懐いてくれてるよ。やはり頭突きによるスキンシップはいいな。人間素直が一番だ。

 今では私が見つめるだけで皆、大人しく授業を聞いてくれる。まさに以心伝心。信頼されてこその結果だ。やはり子供達は素直が一番だな!あっはっは。(作者注釈:正確には座り込んで震えながら失禁します。物は言い様ですね)

 こんな真面目な私だが、浮いた話も無いわけじゃないんだぞ?

 私がよく行く屋台があるのだがな?そこの店主の次郎が、その、あれだ、いい男なんだ。凛々しい目付き(作者注釈:三白眼)で私を口説いてくるのだ。(作者注釈:主に"鬱陶しいから帰れ"等)

 今や私はやつの自宅に招待される程の間柄だな。(作者注釈:勝手に上がり込みます)私達が晴れて結ばれるのも時間の問題だな!あっはっは!(作者注釈:次郎は蓬莱山輝夜と言う恋人がいます)

 おっと、こんな時間か。そろそろ失礼する。なに、次郎と朝飯を食べるのでな。ではな!(作者注釈:たかりに行くだけです)


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 人里の守護者にして、歩く人格者、上白沢慧音。彼女が歩けば泣く子も黙るどころか座りションベンしてヒキツケを起こすという。

 そんな彼女の密かな二つ名は「歩く理不尽」「地獄のヘッドバンキング」そして「暴君」らしい。

 世の中知らぬが仏と申します。くわばらくわばら………


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