首都圏連続不審死:地裁判決(要旨)
毎日新聞 2012年04月14日 大阪朝刊
被告は大出と一緒に本件駐車場まで同行し、大出の死亡時刻と接着した時間に立ち去っていること、犯行に用いられたのと同種のコンロや睡眠薬を入手していたこと、殺害する動機があったことなどを併せ考慮すると、大出を殺害したのは被告であると優に認められる。
<詐欺・詐欺未遂事件について>
複数の男性と肉体関係を伴う交際を続けて多額の金銭的援助を受けており、いずれの被害者との関係でも結婚を真剣に考えていたとは認められない。
<窃盗事件について>
被告と過ごしたホテル客室での被害であることなど、被告が現金5万円を窃取したことは明らか。
<量刑の理由>
最も重視すべき事情は、サイトで知り合った男性から真剣な交際を装って多額の金を受領するなどした末、返済などを免れるため被害者を殺害したという極めて重大かつ非道な犯罪を3度も繰り返し、何ら落ち度のない3人もの尊い命を奪ったことである。
結果は深刻かつ甚大。各被害者は被告を信頼したまま予想だにしない形で理不尽にも生命を奪われ、無念さも計り知れない。遺族らの悲しみや喪失感は大きく、厳しい処罰感情は至極当然だ。