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マスコミがあまり報道しないのは?
2002年に自民党が国会に提出した法案では、マスコミによる人権侵害への規定があった。そのため、新聞などが猛反対。結局、廃案に追い込んだ。ところが、今回、民主党が提出しようとしている法案に対して、大手マスコミではあまり大きく報道されることがない。震災や原発事故でそれどころじゃないということか? |
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かつての法案でマスコミが注目していたのは、メディアに対する規制です。でも、2011年8月に政府が出した基本方針では『報道関係条項』として、「報道機関等による人権侵害については、報道機関等による自主的取り組みに期待し、特段の規定を設けないこととする」と明記されています。だから、今回はあまり大きく取り上げないのでしょう。
また、調査拒否に対する過料など、従来案で批判が集中した点も、基本方針では当面は見送ることになっています。でも一方で、制度発足から5年後には「必要な見直しをする」という項目があり、調査拒否への過料についても「新制度導入後の運用状況を踏まえ、改めて検討する」とわざわざ付記されているのが気になります。
こうした制度は、一度導入されてしまうと大きな組織が生まれることもあり、覆すのは容易なことではありません。強大な権力をもつ機関だけに、暴走するリスクがある法案と考えるべきです。 |
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こういう情報を知るために、どうしたものか……。
いかにネットで情報収集の手段が広がったとはいえ、新聞やテレビが大きく報道してくれないと、こんな重要な問題も知らないままに決まっていくことがある。ブログなどにも積極的に取り組む城内氏は、有権者の情報収集について、どのように考えているのだろうか。 |
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新聞やテレビのニュースの情報は大事です。でも、行間を読み、その裏に何があるのかを考えるのが、情報リテラシーを高めるために大切ではないでしょうか。かつての「郵政民営化は改革の本丸」というのと同じように、人はもっともらしいキャッチフレーズを前にすると思考停止してしまいがちです。人権を守るためといわれれば、新しい機関も正しいと思いこんでしまう。実は私も郵政民営化も人権擁護法案にも当初賛成でした。しかし、深く勉強した結果、様々な問題点に気付いていきました。少し掘り下げて勉強すると、さまざまな問題点に気付くことができるのです。
そのためには、ネットの情報を上手に活用することも大事です。私のブログでも、この法案をはじめ、国会で議論されているさまざまな問題について情報発信をしていますから、ぜひ参考にしていただきたいですね。
とはいえ、ネットの情報にも問題は少なくありません。情報リテラシーとは、自分が情報を発信する時にも大事な力です。私自身、何度かブログが炎上した経験がありますが、匿名で、断片的な情報で決めつけた罵詈雑言が飛び交っている。面白おかしく他人の不幸を騒ぐ発言が注目されて、ウソが飛び交っているのがネットの世界であることも事実です。
ネットの情報を上手に活用するためには、今、私が言っていることを含めて100%信じてしまうのではなく、ひとつの情報に隠された疑問を見つけて、さらに自分で調べ、勉強する姿勢が大切なのだと思います。
もしこの法案が成立すると、ネット上での発言に対しても人権侵害だと訴えられる可能性があり、自由な発言ができなくなるかもしれません。本当の意味で日本全体の情報リテラシーが成熟して、開かれた論議ができるようになってほしいと願います。
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●次のページは、「心配な法律が国会で成立しちゃうのが不思議」 |
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