- [PR]
国際
【北ミサイル失敗】「北非難」安保理議長声明、異例のスピード採択…中国「国際社会の共通認識」
2012.4.17 01:22
【ニューヨーク=黒沢潤、北京=川越一】国連安全保障理事会が16日、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射から3日あまりという異例のスピードで議長声明を採択した。北朝鮮が3度目の核実験に踏み切るのを断固阻止するため、国際社会として強いメッセージを早急に打ち出す必要性に迫られたからだ。
2006年と09年のミサイル発射の際には安保理の意思表明には10日前後要した。中国外務省報道官は16日深夜、議長声明採択について「国際社会の基本的な共通認識を反映している」との声明を出した。
北朝鮮の後ろ盾だった中国はもともと、国際社会に「冷静で自制を保った対応」を要求していた。だがかたくなな姿勢を転じたのは米東部時間でミサイル発射から2日後の14日夜だった。
安保理外交筋は「発射に失敗した以上、北朝鮮は名誉挽回のため、核実験を強行すると中国政府が危機感を強めた」とみる。中国は朝鮮半島の平和と安定が損なわれる事態を望んではいない。また、シリア問題で国際社会の集中砲火を浴びるロシアの二の舞になるのは避けたいとする「冷静な計算」(同筋)も働いた。
当初、決議の採択を念頭に中国に働きかけた米国も、安保理として迅速な意思表示をすることこそ重要と判断、決議より格が下の議長声明を採択することで中国と手を打った。
ただ、議長声明の強みは安保理の公式記録として残ることにあり、「次の対応を考える際の共通の土台、出発点になる」(別の外交筋)。北朝鮮がさらに挑発行動に出た場合、中国は追加制裁案を拒否しにくくなり、“中国の拒否権封じ込め”に成功したといえる。
一方、従来の安保理決議による制裁は、中国の協力が不十分で効果が上がっていないとも指摘されており、北朝鮮問題の解決は中国の出方にかかっていることに変わりはない。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]