さかのぼって、4月のボールを振る確率も調べてみると、32.6%で、今季の平均よりはやや低いものの、過去全体の数字と比べれば、やはり高い部類の数値だった。
■イチローにしか安打にできないと思ったが
極端とはいえないものの、ボール球を追いかけてしまって結果を出した4月。それが果たして、その後の代償につながったのだろうか。
こんなケースも見つかった。イチローは4月19日に4安打を記録しているのだが、その3本目のヒットは、左投手の投じた外角に遠く外れるカーブをセンター前に転がしたものだった。
あの球はイチローにしかヒットにできないだろう――。あのときはそう思ったが、あれがいわゆる、チャンブリス打撃コーチのいう「ややこしくなる」ヒットだとしたら……。
■本質はどこか
4、5年ほど前のこと。イチローは、チームの問題を米メディアに問われ、「木に問題があるなら、根っこを見なければならない。(根に問題があるのに)水をやり続けても解決にはならない。とにかく、問題の根源を見つけることが最初」と話した。
184安打に終わり、シーズン200安打が10年でストップした今シーズン。そうなってしまった本質はどこにあったかということだが、今回、問題なのは不調だった5月ではなく、好調だった4月だったという点で、通じるところがあるのかもしれない。
ただ、なぜ、イチローにとってのストライクゾーン(手を出すゾーン)が広がったのかということにおいては、すっきりしない部分もある。
次回(31日掲載予定)は、そこを掘り下げてみたい。
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