■「ボール球をヒットにすると、ややこしく」
このとき、自身の経験も踏まえ、ボール球に手を出すリスクを問えば、1970年1月のドラフトで全体の1位指名を受けてインディアンス入りしたチャンブリス打撃コーチは「ボール球をヒットにすると、ややこしくなる」と苦笑した。
「そうすることで、知らず知らずのうちにストライクゾーンを広げてしまう。でも、ボール球をヒットにできるのは、たまたまか、よほど調子のいいとき。それを勘違いして、ボール球を追っていると、やがてツケを払わされる」
その言葉は、イチローがシーズン終了後に話したことを整理しているときにつながった。
イチローは、序盤に苦しんだ理由をこう振り返っている。
「4月に結果が出ることの難しさ――。それが、今年もすごく難しかった、それは誤った判断だったということはいえる。それが5、6(月)に出てますから。4月の難しさというのは毎年難しいですけど、結果が出ることで、あえて難しくなる」
■結果として間違った判断
イチローは4月、4月の月間安打としては自己最多の39安打をマークした。打率は3割2分8厘。
とくに半ばを過ぎてから調子が上がり、4月19日からの11試合では、21安打を記録している。
このときに感じていた感覚が正しいものなのかどうか。あるいは、修正が必要なのか。イチローはその判断に迷い、結果として間違った判断をしてしまったという。
ということは、好調だった4月に何かがある。
米国での開幕前日のことになる。
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