■「ちょっと積極的すぎるかも」
試合前後の監督会見で、イチローの状態が話題になりだしたのもその頃で、エリック・ウェッジ監督は「ちょっと、積極的すぎるかもしれない」と話した。
それはつまりボール球に手を出しすぎているということを示唆するものでもあり、こうした数字を把握していたものと思われるが、チャンブリス打撃コーチは、「(一般論が)イチローにも当てはまるかどうかは、分からない」と、監督とはやや違う見方だった。
「ストライクゾーンは、人それぞれ。そもそもイチローのゾーンは広い。単純にそれだけが理由とは考えにくい」
もう一歩踏み込んで、6月の数字も伝えた。
スタメンを外れた6月10日までの9試合は49.2%――半分近い確率でイチローはボール球に手を出していた。この間は38打数5安打で打率1割3分2厘だ。
■6月、スタメンを外れた前後で大きな差
11日にスタメン復帰してからは、8試合で16安打をマークするなどしたが、この間はボールを振る確率が33.8%にまで下がっていた。
さらにボール球を打ってアウトになった回数が6月の前半は9試合で14度もあり、逆にヒットになったのは1度しかなかったこと。そして11日以降は、ボールを打って凡退した数が8試合で8度に減ったことなども指摘すると、チャンブリス打撃コーチはしばらくその数字に見入っていた。
「あの前後で、何かイチローに指摘をしたのか?」と聞くと、首を振ったものの、「それだけ違うのであれば、本人の中で、意識があったのだろう」と話してくれた。
米国での開幕前日のことになる。
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