■限られた人間しか理解できない葛藤
言葉が誤解されて伝わる怖さを知るイチロー。一方で、言葉を閉ざせば、新たなリスクが生まれることも知っている。
それを乗り越えるとしたら、さらなるコミュニケーションしかないと思うが、かなしいかなイチローは、「プラスがない。マイナスしか生み出さない」というところにいる。
それはもう、メディアにさらされ続け、常に高い期待を求められる、限られた人間しか理解のできない葛藤にも聞こえた。
■200安打から解放されて、逆に前に進んだ?
ただ、200安打を打てなかったことを、「なぜか、晴れやか」と口にしたイチロー。個人的な目標が、いつしか、他人からの期待にすり替わり、記録を追っていたはずが、逆にそれに追われ、束縛されてきた。
そこから解放されて、逆に前に進んだ、との手応えがどこかにじんだ。
そう考えたとき、ひょっとしたら200安打が途切れることは、イチローのこれからにとって必要なことだったのかもしれない。
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