9月28日のシーズン最終日、マリナーズは試合前の練習を行わず、午後7時10分からの試合に対し、集合時間は午後5時半という異例の遅さ。多くの選手はそれでも、通常の時間に球場入りし、空いた時間はロッカー整理などに費やしていた。
■今年の球場入りは遅く
午後4時を過ぎると、メディアがクラブハウスにあふれ、隣接されたインタビュールームでゼネラルマネジャー(GM)のジャック・ズレンシック氏が来季のマリナーズ日本開幕戦について会見を開くなどすると、混雑は相当なものとなった。だが、クラブハウスの一角だけはひっそりとしたまま、主の訪れを待った。
その主――イチローが球場に現れたのは午後5時過ぎ。おそらく、選手の中では一番遅い到着ではなかったか。例年なら、球場入りは早い方。一方で今年は、この日に限らず、後ろから数えた方が早い日の方が多かった。
■今季最終打席は空振り三振
簡単なセレモニーがあった後に始まった試合はといえば、今季のマリナーズを象徴するように完封負け。2試合連続、今季16度目とあって、最後の打者が三振に倒れると、珍しくブーイングが起きた。
イチローも、今季最終打席は空振り三振。それ以前に、記録的な緊張感とは無縁だったことで、その背が小さく感じられた。
通算安打184安打で迎えた162試合目。結局、3打数無安打に終わり、あと16本という数字は減ることなく終了。徹夜で延長戦を戦っても、届くことはないだろうと思われるほど、200安打には遠かった。
彼が、恐れていたことでもある。7月、チームが17連敗を喫して地区の優勝争いから脱落すると、今年も200安打を狙うか、と自分の世界に入り込もうとした。
米国での開幕前日のことになる。
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