二酸化炭素5年間で20%削減 未達は必至…原発停止で
2012/04/16 10:50更新
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原子力発電所の稼働停止長期化で、電力会社による二酸化炭素(CO2)排出の急増が懸念されている。電力業界は、京都議定書の約束期間である平成20~24年度の5年間、電力量当たりのCO2排出を2年度比で平均20%削減する自主目標を掲げている。だが、代替火力の化石燃料消費に比例して排出量は増加中。不足分は海外などから排出枠を購入して穴埋めするはずだったが、各社とも火力燃料費用増大で赤字に陥っており、資金的余裕もなく、目標未達は避けられない。
発電によるCO2排出は、国内総排出量の3分の1を占める。電力各社で構成する電気事業連合会は、発電量1キロワット時当たりの排出量を2年度の0・417キログラムから、5年間平均で0・34キログラムに2割減少を目指している。成否は、日本が約束した温室効果ガスの2年度比6%削減の実現を大きく左右する。
だが、目標数値には遠く及んでいない。東京電力の柏崎刈羽原発が新潟県中越沖地震で停止した影響などで、計画初年度だった20年度の排出実績は0・444キログラムに上昇。その後もあまり減っていない。
このため、電力各社は排出量取引を積極的に活用。22年度は業界全体で計5700万トンの購入排出枠を反映させ数値を0・35キログラムまで引き下げた。残る2年間は原発稼働率の向上と排出枠活用で何とか目標を達成するつもりだった。
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記事本文の続き しかし、東電福島第1原発事故で、この削減シナリオは崩壊した。
日本エネルギー経済研究所の分析では、原発が順次停止した23年度の発電によるCO2排出量は前年度比2・1%増。24年度は夏前から原発が徐々に再稼働すれば前年度比5・3%減少するが、全停止のままだと5・5%増加する。仮に大飯原発3、4号機など数基が動き出しても、計画最終年度の24年度までの大幅な排出削減は不可能だ。
電力10社は20~22年度に、購入した排出枠償却費を合計約2300億円計上してきた。ただ、3年間で計615億円を計上した東電は、原発事故の巨額賠償に迫られ「削減目標自体をどうするか検討中」。中部電力も「浜岡原発停止期間中の排出枠購入中断を協議中」と、経営環境の悪化で各社とも排出枠の追加購入に及び腰だ。
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)はCO2削減の自主目標を「難しいが最大限努力する」として堅持する姿勢を変えていないが、電気料金値上げなどで排出枠購入原資を確保するなどしないかぎり実現は難しい。
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