北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射直後の野田内閣の対応について、防衛省が時系列原案をまとめた。原案では防衛省が米軍の早期警戒衛星(SEW)の発射情報を首相官邸に正式に伝えた時間が首相官邸の説明よりも早かったとしており、情報伝達をめぐる発表の整合性が問われそうだ。
防衛省関係者によると、原案では13日午前7時40分にミサイル発射とのSEW情報を受け、田中直紀防衛相が41分に防衛省内のオペレーションルームに入室し、50分ごろまで情報分析にあたった。その結果を含め、防衛省運用企画局長ら幹部が58分に官邸で、藤村修官房長官や米村敏朗内閣危機管理監側に伝えたとしている。
発射直後の情報伝達をめぐっては、13日に種谷良二内閣審議官が「SEW情報が正式に防衛省から入ってきたのは8時16分がはじめてだ」と記者団に説明した。防衛省原案ではこれより15分以上前に正式報告が上がっていることになる。また正式報告後の8時3分に、内閣官房の緊急情報システム・エムネットが「我が国は発射を確認していない」と関係自治体や報道機関に速報していたことにもなる。