ドライサンプ多くのレーシングカーに採用されているオイルの潤滑方式のことです
市販車と何が違うのでしょう？
エンジンを潤滑したオイルがオイルパンに自然落下し、内蔵ポンプによって
オイルをエンジン上部に吸い上げる方式、これは
ウェットサンプと呼ばれ、
ほとんどの市販モデルに採用されています
ウェットサンプの図解オイル（オレンジ色）は全てエンジン内を流れます
それに対し、外部もしくはオイルパン内のスカベンジポンプによってオイルを吸い出し、
外部のリザーバータンクに回収、次にフィードポンプによってオイルをエンジンヘッドに供給する
これがドライサンプの仕組み
一番の違いはリザーバータンクにオイルを一旦溜めるってことですね
また、スカベンジポンプとフィードポンプは外付けの場合は全て一体型ですが、
後述の純正ドライサンプではセパレートタイプもあります
４ステージポンプを使ったドライサンプの図解
４ステージ、つまり４系統が組めるポンプを使った例です
自分で描いてみたのですがいかがでしょうか
３本のホースでオイルパンからオイルを引き抜き（�´↓�）、
オイルクーラーでオイルを冷やし、リザーバータンクへ、
エンジンへのリターンに１本（�ぁ�
�´↓�の頭にスカベンジフィルターを入れるとベター
エンジンが壊れた時にポンプを守る保険です
３ステージポンプがセットされたエンジン
上のホース１本がエンジンへのリターン用
下の２本がオイルパンからオイルを引き抜きます
ドライサンプのメリットとデメリットを比較してみます
デメリット
ベルトやホースを追加する為にエンジン周辺が煩雑になり、トラブル要因が増す
単純明快、これだけですね
メリット
オイルの空吸いがなくなり、エンジンの破損を防ぐ
オイルの容量が増えることで、油温管理が余裕になる
クランクシャフトによるオイルの撹拌がなくなる
ブローバイガスを積極的に吸い出せる
リザーバータンク内のオイルを事前に温めることが出来る
専用オイルパンでブロック剛性アップが狙える
エンジンの搭載位置を下げることが出来る
高性能な汎用オイルフィルターが選べる
などなど
つまり、縦横Ｇの激しいレーシングカーはもちろん、チューニングカーにとっても
効果絶大ってことです
油温の厳しいロータリー、高さのある直列エンジンにもメリットは大きいでしょう
５ステージポンプ
リザーバータンク
リザーバータンクヒーター
ドライサンプはフェラーリやランボルギーニの多くのエンジンに採用されていますが、
ポルシェの空冷フラット６は全車ドライサンプです
水平対向エンジン、特に油冷とも言われる空冷だとウェットサンプは厳しい
ドライサンプでなくてはあのエンジンは成り立ちません
でも水冷になってからは変わってきましたね
９９６ではターボ、ＧＴ２／３系以外の普通のモデルでは
"インテグレーテッド・ドライサンプ"というものを採用しています
クランクケース内からポンプを無くし、左右のヘッド内に組み込まれた、
小型のスカベンジポンプでオイルパンからオイルを引っ張るというもの
これは合理的とはいえ、ドライサンプとは呼びたくないです
そして９９７ではターボ、ＧＴ２／３系以外はみんなウェットサンプ
時代の流れでポルシェもだんだん普通の方向に向かってますね
メルセデス・ベンツＳＬＳ-ＡＭＧの純正ドライサンプシステム
オイルパンの両脇にポンプが別々に配置されています
その他、市販モデルのドライサンプはほとんどが
浅めのオイルパン＋内蔵ポンプ＋リザーバータンクって感じの
簡易型で、外観からはウェットサンプとほとんど区別がつきません
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
Ｖ８スーパーカーズ、サイド・バイ・サイド
オーストラリアのＶ８ツーリングカーシリーズ
その中でも今年のベストレース、最後のドッグファイトです
ジェイミー・ウィンカップとシェーン・ヴァン・ギスバーゲンがサイドバイサイド、
ゴリゴリにやりあってますが、スピンしない程度にフェアにプッシュしてるので
レースとしてキレイに決着がついてます
途中、「キウィ」と連呼してるのは、ヴァン・ギスバーゲンがニュージーランド人だから
キウィは決してバカにした呼び方ではありません
(画面右下のYouTubeロゴをクリックすると別画面で開きます)
ウィキペディア英語版には日本語版の５倍以上の記事があります
このブログ内で翻訳を進め、日本語記事を増やすことが
クルマ趣味への貢献と考えています
YouTubeのマイチャンネル
ブログのTOPに戻る
- 関連記事
- 2010/12/23(木) 02:27:44|
- パーツ
-
-
