パソコンで地デジ放送を見たり録ったりしたい。だが、何だか面倒そうだ。それに自分のパソコンは
4〜5年前の「ちょい古」XPマシンなので、スペック的に無理だろう......。
少し前まではこれが常識だった。地デジはハイビジョン放送で高精細なので、データ量が多い。パソコンでこのデータを扱うには、Core 2 Duo以上などかなりのCPUパワーと大量のメモリ、高速なHDDなどが必要だ。さらには著作権保護に対応したデジタル映像出力端子と、それを受けられるデジタル入力を持った液晶モニターも必須。ちょい古マシンやアナログ入力のモニターしかなければ、地デジは諦めるしかなかった。
だが、ちょっと待って欲しい。バッファローのパソコン用地デジチューナーがあれば、最近流行りのネットブックでも5年前のXPパソコンでも、ローコストで地デジTVに変身させられるのだ。勿論見るだけでなく録画も簡単にできるのでHDDレコーダー代わりにもなるし、パソコンにDVDドライブがあれば光ディスクに書き出し、リビングのプレーヤーで皆で楽しむこともできる。
チューナーには外付け型とPCIスロットに挿す内蔵型があるが、ここでは手軽な外付け型の例としてDT-H30/U2を見てみよう。
価格は1万600円で、直販サイトの
バッファローダイレクトなら9980円で手に入る。
筐体は非常にコンパクトで、ちょっと大きめのカードリーダーといった印象。地デジのアンテナ線を繋ぎ、パソコンとはUSB2.0ケーブルで接続する。ACアダプターを繋げば動作は安定するが、USBバスパワーでも動作するため「コンセントのない場所で、ネットブックで地デジ視聴」も可能になる。後はチューナー本体に付属のB-CASカードを挿す程度で、ハードウエアのセットアップは極めて簡単。
ソフトのインストールもセットアップCDを入れ画面の指示に従って進めるだけと、敷居は低い。ここまで来れば後は専用視聴ソフトの「PCastTV for 地デジ」を使い、思う存分高精細な地デジ放送を見たり、電子番組表（EPG）をマウスでクリックして簡単に録画予約したりすることができる。最新のBlu-rayレコーダーのように、キーワードを入れれば関連する番組を自動的に録画してくれる「おまかせ録画」や、携帯電話での録画予約などもできてしまうのだ。
さて、肝心の「なぜ多くのパソコンで地デジが扱えるのか」だが、その秘密は「トランスコード」にある。バッファローの地デジチューナーは内部にリアルタイム動画圧縮チップを持っており、高画質圧縮技術「XCode HD™」を使って、地デジ信号をそれぞれのパソコンに合った画質に変換して送り出す。最新のハイスペックパソコンなら1440×1080、15Mbpsの地デジそのままの画質で、CPUがAtomの非力なネットブックなら720×480、6MbpsのDVD相当画質で......といった具合。解像度、ビットレートの違う5つの画質モードを使い分けることで、Celeronクラスまで含めた幅広いパソコンに対応する。これがトランスコードだ。
番組はパソコンのHDDに記録されるが、光学ドライブがあれば前述の通り光ディスクに書き出すことも可能。ネットブックでも例えばBDドライブを外付けし、BD-REなどに残すことができる。DVDではDVD-RWとDVD-RAMが使える（この場合はDVD画質に）。当然ダビング10にも対応しており、この辺の使い勝手も専用機並みだ。
しかし、DVD-RWやDVD-RAMだけでは再生互換性が心配だとか、より入手しやすいメディアがいいということで、DVD-Rは使えないのかと思う人もいるだろう。その場合は、バッファローのサイトでドライバやPCastTV for 地デジをVer.1.20にアップデートしてみよう。サイトに記載はなくほとんど知られていないが、これによりDVD-Rが使えるようになる。
筆者もBDレコーダーは持っているが、「ネットブックで地デジ視聴」にはまたBDレコーダーとは違った面白さがあるので、興味津々だ。さあ、今日からパソコンの種類を問わず、楽しい地デジ生活を始めようではないか。（秋葉好夫）