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容疑者の意識有無が焦点 祇園暴走事故

事故発生直前に防犯カメラがとらえた軽ワゴン車とみられる車。映像上部に写っている(京都市東山区大和大路通四条下ル)
事故発生直前に防犯カメラがとらえた軽ワゴン車とみられる車。映像上部に写っている(京都市東山区大和大路通四条下ル)

 京都市東山区の祇園で軽ワゴン車が歩行者らを次々にはね、運転手を含む8人が死亡、11人が重軽傷を負った事故で、運転後に死亡した藤崎晋吾容疑者(30)に当時、意識があったのかどうかが焦点となっている。京都府警は、道幅が狭く、ハンドル操作が必要な大和大路通を約370メートルにわたって走り抜けた点を重視する一方、「(持病の)てんかんが影響した可能性はある」とする。府警は目撃者の証言や防犯カメラなどの客観資料を積み上げ、事実確認を続けている。

 大和大路通の道幅は、一番狭い地点で4・3メートル。おおむね5~8メートルの道幅が続く。府警幹部は「あの狭い道を壁などにぶつからずに走り抜けた事実をどうみるか」と話す。

 府警はほかに、意識的なハンドル操作をうかがわせる目撃情報を得ている。そのひとつが「タクシーに追突後、いったん軽ワゴン車をバックさせた」との住民の目撃情報だ。ほかに、交差点進入時にクラクションが鳴り、同交差点より北の大和大路通は左にカーブし、ハンドル操作をしないと走行が難しい点を、意識があった根拠として指摘する。

 一方、タクシー追突時に軽ワゴン車が前方車両を押し続け、バックしている様子はなかったとする複数の目撃証言がある。追突の間、ずっとエンジンをふかす高い音が続いたのを聞いた人もいる。

 また、軽ワゴン車が電柱に激突して止まった際、容疑者が泡を吹いていたとの目撃がある。

 府警は「てんかん症状が出ていたかもしれない」と説明する。タクシーとの追突事故でパニック状態に陥って暴走した可能性も指摘し、「意識の有無を判断するのは時期尚早」(府警幹部)という。

 藤崎容疑者の家族によると、同容疑者はバイク事故が原因で意識障害が起こるようになり、今年になって月数回、意識を失うことがあった、という。姉は「車の運転は家族では禁止し、家族で運転をやめるよう説得していた」と話し、通院していた京都九条病院も「運転は厳禁していた」とする。藤崎容疑者の姉は「弟は故意にアクセルを踏んだりするような性格じゃない」、父親は「(トラックで歩行者天国に突っ込んだ)秋葉原事件とは違う」と話す。

【 2012年04月14日 14時20分 】

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