来週の東京株式市場は戻り試す展開、米企業決算が手がかり
[東京 13日 ロイター] 来週の東京株式市場は戻りを試す展開。米国の企業決算発表や海外のマクロ経済指標を受けた海外市場の動向が手掛かりとなる見通し。
北朝鮮問題や中国のGDP発表などイベントを終え、イタリアやスペインの国債の利回りも低下するなど、ユーロ圏の債務問題に対する懸念も後退、市場のセンチメントは落ち着きを取り戻している。
日経平均の予想レンジは9500円─9900万円。
カブドットコム証券のチーフストラテジストの河合達憲氏は「本格反騰に入るかどうかは、来週以降の米企業決算次第だろう」という。マネックス証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏は「米企業の好決算を受け、米国株が切り返し高値圏に向かっていくなか、日本株も追随していく」との見方を示す。
第1・四半期(1─3月)の米国決算は、リーマンショック後の回復期のなかで、初めて利益が踊り場を迎えるフェーズとされる。だが、先陣をきって発表した米アルミ大手アルコア(AA.N: 株価, 企業情報, レポート)の第1・四半期決算が予想外の黒字転換となったほか、米グーグルも想定通りの決算となったことで、米企業決算に対する慎重な見方は緩和されてくる見通しだ。
16日―20日の週に決算発表が予定される米企業は、主要なもので16日にシティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)、マテル(MAT.O: 株価, 企業情報, レポート)など、17日にIBM(IBM.N: 株価, 企業情報, レポート)、インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)、ゴールドマン・サックス・グループ(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)、ヤフー(YHOO.O: 株価, 企業情報, レポート)。18日はイーベイ(EBAY.O: 株価, 企業情報, レポート)、テキサス・インスツルメンツ(TXN.O: 株価, 企業情報, レポート)、ステート・ストリート(STT.N: 株価, 企業情報, レポート)、20日には、アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)、アメリカン・エキスプレス(AXP.N: 株価, 企業情報, レポート)などがある。
なかでも注目されているのが17日発表のインテル。国内投信のファンドマネージャーは「業績がよければ、米株が大きく上抜ける可能性が高い」としたうえで、「想定外に強い設備投資予定や薄型軽量ノートパソコン、ウルトラブックに対するインプリケーションなどがでてくれば、日本の電機、電子部品セクターが盛り上がる可能性はある」と話す。足元では、米調査会社ガートナーが、第1・四半期のパソコン(PC)出荷台数が予想外に増加していると発表。ヒューレット・パッカード(HP)(HPQ.N: 株価, 企業情報, レポート)の株価が急伸しており、インテルの好決算に対する期待値も上昇している。インテル株への市場の評価次第では「米国株は騰勢を強め、リバウンドのきっかけになる。日本株の調整完了につながる」(広木氏)との見方も出ている。
ただ、今週の東京市場では、日経平均は終値ベースで9546円から9637円の狭いレンジでの動きとなった。「買いのエネルギーが動いているという感じではなかった。個人が選好する内需系を中心に戻した格好」(大手証券)という。 続く...