ストーリー:橋下氏、野心の源流 破れた革ジャン5万円−−司法修習同期の証言
2012年04月15日
それは政治手法にも通じるところがある。泉氏は「橋下はポーンと観測気球を上げて相手の反応をみてから折衷案を出してくる。難しいとみたら引っ込める。府庁舎の移転もそう。手法は確かに荒っぽいが、結果的に落としどころは外さない。たまに暴投するけど」と指摘する。
堀内氏も言う。「普通、独立したばかりの弁護士は、弁護士会の先輩から仕事を紹介してもらう。しかし、橋下は自分で努力して顧客を新規開拓していました。これも既成概念にとらわれず、瞬発力で切り抜けていく彼のスタイルでしょう」
なるほど、橋下氏は消費者金融業界への社会的な批判が高まっていたなか、消費者金融の大手グループ会社の顧問を務めたこともある。
青法協合宿や消費者金融の顧問。そして、教育現場への管理強化と脱原発の姿勢。従来の保守と革新、右や左といった枠組みでは理解できない。そうした振幅の大きさもまた橋下氏なのだろう。
橋下氏その人に会うときがきた。大阪市役所に、本人の取材を打診すると「登庁と退庁時の囲み取材はほぼ毎日受けています」と担当者。囲み取材はあらゆるメディアに開かれているという。