ストーリー:橋下氏、野心の源流 破れた革ジャン5万円−−司法修習同期の証言
2012年04月15日
橋下氏の車に同乗していた同期の石井逸郎弁護士(42)は、その理由について「橋下君自身から何か確固たるイデオロギーを感じたことはありません。だから、彼は左翼系のメンタリティーを持つ僕や河野さんとも付き合ったし、未来を語りあうこともできたのだと思う。現在、彼が打ち出している政策も動機は極めて単純な、直感的なものでしょう。実は、それが多くの庶民の実感ともぴったり重なる」と解説する。
「橋下君にとって、司法研修所は政治に目覚めるきっかけ、出発点だったはずです。95年4月から研修所の寮に入りましたが、その年の1月に阪神大震災、3月には地下鉄サリン事件が起きている。修習生たちは被災地でボランティア活動をしたり、自主セミナーを開いたり、自分たちも法律家として社会に発信していかなければという気概にあふれていた」と石井氏は懐かしむ。
2008年にタレント弁護士から大阪府知事に当選した橋下氏は「府庁のコンプライアンス(法令順守)を担当してくれないか」と河野氏に電話で依頼してきたという。コンプライアンス担当は、組織のお目付け役だ。橋下氏からの信頼を感じ、前向きな返事をした。