障害物避け75キロで激突 祇園暴走事故
京都市東山区の祇園で12日、軽ワゴン車が歩行者を次々にはね、7人が死亡し、11人が重軽傷を負った事故で、死亡した会社員藤崎晋吾容疑者(30)の車が大和大路四条交差点の北側から停止するまでの間、車両を避けるように走行していたことが15日、接触されたタクシーの車載ビデオの映像記録で分かった。交通事故に詳しい専門家は、電柱激突時の時速は75キロ程度と分析し、「ハンドル操作は正確だった可能性が高い」と指摘している。
映像によると、軽ワゴン車がタクシーに接触したのは12日午後1時8分36秒。右フェンダーミラーに激しくぶつかりながら追い越した後、通行人2人と別のタクシーの間をかすめるようにすり抜けていた。その瞬間に右後方のウインカーが光っていた。
軽ワゴン車はさらに乗用車を右にかわした直後、電柱に勢いよく衝突した。タクシーとの接触地点から電柱までの約45メートル間を2・16秒で通過しており、この間に減速した様子はなく、スピードは法定速度(時速30キロ)の2倍以上に達した。
ビデオを搭載していた洛東タクシー(山科区)の上田泰三運転手(61)は「衝突されたと思った瞬間、軽ワゴン車が飛ぶように横を走り抜けた」という。
映像では四条通以北の大和大路通には事故当時、映像を記録したタクシーまでに人力車が走り、冷凍車など計4台が点在して止まっていた。道幅7~11メートルのため走行の障害となる。だが府警によると、冷凍車以外は接触された形跡はないという。
映像を見た交通事故鑑定人の綾田成樹さんは「狭い隙間を縫うように走り、複数の駐車車両をうまくかわした様子がうかがえる。正確なハンドルさばきと注意力がなければ不可能」と話している。
【 2012年04月16日 08時47分 】
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