ストーリー:橋下氏、野心の源流 破れた革ジャン5万円−−司法修習同期の証言

2012年04月15日

橋下徹という“渦”は、中央政界をも巻き込もうとしている=大阪市役所で12日、三浦博之撮影
橋下徹という“渦”は、中央政界をも巻き込もうとしている=大阪市役所で12日、三浦博之撮影

 「あいつは明らかに世の中を憎んでいた。社会的な理不尽や不平等に対する強い怒り。既存の勢力に対する激しい憤り、憎しみ。ものすごく大きなエネルギーを感じた」

 兵庫県明石市の泉房穂市長(48)は、第49期司法修習生=1995年研修所入所=の同期、橋下徹・大阪市長(42)の印象をそう語り始めた。

 修習生時代、橋下氏と同じラグビー同好会に所属。衆院議員(民主党)を経て昨年5月に市長に就任した。同じ自治体トップとして橋下氏をよく知る人物の一人だ。ラグビーの練習後に聞かされた話を今も覚えている。

 「橋下は破れた革ジャンをタダ同然で仕入れて1着3万円とか5万円で売って大学を卒業したと言っていた。『破れたやつを売ったらまずいやろ』と言うと『どこが悪いんですか。気付かずに買うのはお人よしや』と」。あっけらかんとした物言いには、同じように苦学して大学を卒業したこともあり驚いた。

 「橋下の大きなエネルギーは確かに危なっかしい。だが、閉塞(へいそく)感に覆われた今の時代には必要な存在かもしれない」。市長応接室の窓からは明石海峡大橋がよく見える。その向こうは大阪湾だ。その泉市長がこんな構想を話し出した。

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