ミサイル:1段目の分離失敗、液体燃料漏れか

 13日に北朝鮮が発射した事実上の長距離弾道ミサイル「銀河3号」は、発射から2分15秒後に爆発し、9分7秒後にかけ20個の残がいに分かれ、西海(黄海)上に落下した。北朝鮮も認めざるを得ない「完全な失敗」だった。ロケット専門家は「1段目の異常」「分離の失敗」「発射日程を急いだこと」などを失敗原因として挙げている。

 銀河3号の1段目は、爆発後に17の残がいに分かれ、北朝鮮が当初予測した韓国・全羅北道辺山半島沖よりはるかに手前の忠清南道泰安半島沖にばらばらに落下した。

 延世大機械工学科の尹雄燮(ユン・ウンソプ)教授は「(1段目の)分離で問題が発生した場合、1段目は燃料を使い果たすため、爆発する可能性は低い」と指摘した。ロケットの打ち上げ失敗事例の56%は、ブースター(1段目)の異常が占める。

 1段目の爆発原因としては、推進機関(エンジン)から液体燃料が漏れたか、ターボポンプに異常が生じた可能性が指摘されている。

 韓国航空宇宙研究院の「羅老号」発射推進団の趙光来(チョ・ガンレ)団長は「1段目と2・3段目の分離過程で失敗があった可能性も否定できない」と述べた。趙団長は「北朝鮮による(事前の)発表内容などを分析すると、爆発が起きた高度(70.5キロ)と時間(発射後2分15秒後)は、1段目と2・3段目が分離される時間と一致する」と分析した。

 このほか、2009年にテポドン2号が推力不足で人工衛星軌道への進入に失敗したことから、今回推力をを高めるため、エンジンを無理に改良し問題が起きた可能性や、ミサイルが軌道を外れたため、北朝鮮が遠隔操作で爆破した可能性、自動爆発システムが作動した可能性を指摘する意見もある。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) 2011 The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>