必死に助けを求める悲鳴、時間を稼ごうとする誠意のない対応、「痛い」と絶叫しているのに「夫婦げんかだろう」という警察官―。録音を聞いた遺族は大きなショックを受けた。
京畿道水原市で女性が殺害され、バラバラ遺体で発見された事件で、遺族らは13日、当時の112番通報(日本の110番に相当)の録音を聞くため、京畿地方警察庁を訪れた。
被害者の絶叫とそれに応対する警察官の音声が残された録音は7分36秒の長さだ。文字記録は8日に公開されたが、実際の録音が遺族に公開されたのは、事件後13日で初めてだ。警察による文字記録を信用できない遺族の強い要望を受け、公開されたものだ。被害者の弟は「ショックを受けると思い、両親には来ないように言った」と話した。録音を聴いたのは、弟、姉夫妻、おば夫妻の5人だ。
遺族が112番通報センターに入ってからしばらくして、姉が泣き叫ぶ声が聞こえ、5分間ほど続いた。「そんなことをするために(警察が)いるわけじゃない!」と弟が抗議する声も聞こえた。センターから出てきた姉は、壁に顔を当てたままで泣き続け、弟と共にその場を離れた。記者の質問に答えたのはおば夫妻だった。
おば夫妻は「警察に配慮しようと思い、インタビューは受けずに立ち去ろうと思っていた。しかし、めいの悲痛な叫び、必死の訴えを聴き、これしかしてくれなかったのかという思いから、ここに立たざるを得なかった」と述べ、取材に応じた。
以下は取材陣とのやりとり。
―録音は何回聴いたのか。
「2回聴いた。めいの悲鳴を聴き、後半では意識がもうろうとした。興奮して後半の内容は把握できなかった」