水原バラバラ殺人:警察の稚拙な捜査、過去にも

 京畿道水原市で起きた28歳女性のバラバラ殺人事件は、112番通報(日本の110番に相当)への対応や初動捜査のまずさなど、警察の無能さを浮き彫りにした。これまでも警察の稚拙な捜査や安易な対応で罪のない市民の命が奪われたケースが少なくない。過去の判例から、今回と似た事件を探った。

■容疑者に手錠もかけずに現場離脱

 2008年5月25日未明、済州西部署に「妻が浮気したので殺した」という通報があった。夫は妻に半年近く性交渉を拒まれ、犯行当日も「誰と浮気しているのか」とただしながら、性交渉を迫った。妻がそれを拒否すると、夫は妻を浴室に連れて行き、頭髪をつかみ、妻をタイルの床に数回たたきつけた。妻が血を流し、動かなくなったため、死亡したと思った夫は警察に自首した。

 警察官3人が現場に出動したところ、妻は血を流しながら、はい出して来て、警察に助けを求めた。警察は妻を病院に運ぶため、119番通報した。しかし、夫に手錠をかけるなどの対応を取らなかった。このとき、救急隊員から「現場の位置が分からない」と連絡があり、警察官数人は迎えに出るために現場を一時離れた。その間、夫は台所から持ち出した包丁で妻を9回刺した。警察が戻り、夫から包丁を奪い、手錠をかけた時には、妻は死亡していた。

■「許可なくドアを壊せない」と右往左往

 2006年9月、職業専門学校に通う女子学生は、同じ学校で知り合った交際相手の男子学生に別れようと持ちかけたところ、数回にわたり性的暴行を受けた。男子学生は警察に緊急逮捕されたが、女子学生が告訴を取り下げたために釈放された。1週間後、男子学生は女子学生が住む京畿道始興市の住宅の玄関前で女子学生と会い「よりを戻そう」と告げた。女子学生が断ると、男子学生は女子学生を強引に家の中に連れ込んだ。女子学生が「助けて」と悲鳴を上げたため、それを聞いた周辺住民は「女性が悲鳴を上げ、男が女性を殴って、家に連れ込んだ」と警察に通報した。

崔鍾錫(チェ・ジョンソク)記者
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