【大紀元日本4月5日】中国共産党中央の権力闘争が激化する中、3月31日、中国共産党中央政法委員会(中央政法委)のナンバー2である王楽泉・副書記は、「原則的かつ大きな問題について、胡錦濤・総書記が率いる党最高指導部と『高度な一致』を保っていく」と、強調して述べた。この発言の真意について中国問題の専門家は、王副書記が、中央政法委のトップであり直属の上司である周永康・書記から離れて、胡・温政権に転向する姿勢を示したものだ分析する。江沢民派の重鎮である周永康・書記に対して、部下である王副書記が離脱を表明したことで、江沢民派は今後ますます劣勢を強いられると見られる。
中央政法委は、情報、治安、司法、検察、公安などの各部門を主管する中国共産党の機構。そのナンバー2である王副書記のこの発言は、3月31日に終了した、全国各省・市からの新期政法委書記を対象とする第1回目の「培訓班(特別養成クラス)」において出されたものである。
中国問題の専門家で米ジョージ・メイスン大学の客員教授・章天亮氏は、新唐人テレビの取材に対して、王副書記の発言は中央政法委の内部の亀裂を反映したものと指摘し、次のように述べた。
「中央政法委が党最高指導部と一致を保つか否かは、本来ならば、同委員会トップの周永康・書記が言うべきことである。王楽泉・副書記は、これを述べる立場ではない。したがって、王副書記のこの言葉は、胡錦濤・国家主席と温家宝・首相への忠誠を示すためであるとともに、両氏と対立する(江沢民派の)周永康・書記から離れる姿勢を明確したものと見られる」
香港の政治専門誌「動向」も最近、中央政法委の内部で亀裂が生じていると報じている。それによると、いずれも中央政法委が主管する公安部のトップ孟建柱・部長、検察のトップで最高検察院の曹建明・検察長、司法のトップで最高人民法院の王勝俊・院長は、これまで周永康・書記と度々意見が対立したため、同委員会にそれぞれ辞意を表明していたという。
そのような状況をもたらした政治的背景について、章天亮氏は次のように述べた。
「絶大な権力を有する中央政法委は、これまで江沢民派の周永康・書記の主導のもとで事実上、胡・温政権の支配を受けない第二の中央権力体制を築いていた。また、そのボスである江沢民・元国家主席が独断で発動した法輪功への弾圧は、今も継続されている。しかし将来、江沢民派がこの権力闘争に敗れたとき、法輪功弾圧の責任追及は必ず行われるだろう。王立軍事件以降、江沢民派は明らかに劣勢に陥っている。そこで法輪功弾圧に関わった者たちが道連れにされないようにと、今のうちに江沢民派と決別して、胡・温両氏支持に続々と転向しているのである」
(記者・程静、翻訳編集・叶子)
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