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国際
【正恩新体制】さらなる強硬路線へ向かう号令 国民生活より核ミサイル優先 演説内容は「変化」への拒絶
2012.4.16 01:01
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そして、「人民生活向上を目標にする党と政府にとって平和は貴重だ」としながらも、「民族の尊厳と国の自主権がさらに貴重だ」と断言。核ミサイル開発を軸にした「先軍」のためには国民に犠牲を強いると、新指導者自ら国民に告げたのだ。初めて肉声を公開した場が閲兵式だったことが、先軍の意志を如実に表している。
経済問題については、「軍力に産業革命を足せば社会主義強盛国家だ」と指摘したものの、「産業革命」を具体的に提示したのは、「咸南(咸鏡南道)の炎をさらに燃え上がらせ、経済強国を建設する」などしかない。
咸南とは、北朝鮮が独自開発だと誇る合成繊維「ビナロン」を開発、生産する地域を指す。金主席時代以来、北朝鮮はビナロン生産の業績を称賛してきたが、この繊維一つが経済を好転させられるわけでもない。中国への経済依存が高まる中、誇れる技術がビナロンぐらいしかないことを言外に示したも同然だ。
「最後の勝利に向かって前進せよ」と締めくくられた演説。軍事へ傾斜を強めたいびつな体制の下、金第1書記は自らの声で党と軍、全国民に対しさらなる強硬路線へ向かう号令を下した。(桜井紀雄)
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