成否のカギは風評対策 丁寧に「安全・安心」の情報を
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東北観光博 復興への力強い手助けに
公明新聞:2012年3月24日付
東日本大震災からの復興をめざし、東北を丸ごと博覧会場に見立てた観光キャンペーン「東北観光博」(国や東北各県など主催)が始まった。
折しも時節は彼岸明け。長く厳寒に耐えてきたみちのく東北の自然が一斉に目覚め、一年中で最も美しく輝くシーズンの到来だ。
気ままなぶらり旅も良し、綿密に計画を立てての旅も良し。春の足音と復興の足取りを見つけに東北に出掛けてみよう。それが被災地への力強い手助けとなるはずだから。
観光博のテーマは「こころを結び、出会いをつくる」。東北全体に28のモデルゾーンを設け、地元住民による観光ガイドや特典付きパスポートの発行など、多彩な「おもてなし」を用意している。期間は来年3月末まで。
三陸など太平洋岸の被災地は、復旧・復興の途上にあることからゾーンが設定されていない。だが、被災者自身が震災体験を語り継ぐ「語り部ツアー」や、“復興支援の旅”ともいうべき「ボランティア・ツーリズム」などが大きな広がりを見せている。
観光博参加者には、その足をぜひとも被災地にまで延ばし、語り部やボランティアとの交流を深めてほしい。復興といい絆といい、被災地の実態を知り、体験を共有し合うに如くはないからだ。震災と津波に関わる“生きた教訓”を得ることもできよう。
昨年、東北観光が受けた打撃はひと通りではなかった。
修学旅行のメッカとして人気の福島県会津地方では、毎年約1000校が訪れていた来訪校が100校に激減。日本三景の一つ、宮城県松島への入り込み客も半減した。
理由は言うまでもなく震災である。発災直後の旅行自粛ムードは消えても、原発事故に伴う風評被害は今に至るも一向に収まる気配がない。
観光博を成功させるには風評対策が何より重要だろう。観光スポットごとに放射線量を開示するなど、国や県は期間中、「安全と安心」に関わる情報の発信に心を砕いてもらいたい。
「復興後」をにらんだ中長期的な視点からの取り組みも欠かせない。
観光庁は観光博を通して東北観光客数を震災前水準に戻すことを最終目標としているが、これだけでは東北経済全体に及ぼす効果は限定的だし、第一、夢に欠ける。
観光を東北産業の大黒柱に育て上げ、この地を「観光立国・日本」のモデルにする。そんな大胆な発想で向こう1年、壮大な「復興観光」のドラマを描いていってほしい。
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