「安全」めぐる迷走追及
戸建て住宅 液状化対策の法改正を
参院予算委で荒木、秋野氏
原発再開政府は場当たり
公明新聞:2011年7月8日付
放射線から健康守れ
福島県に国際支援拠点の設立提案
参院予算委員会は7日、菅直人首相と関係閣僚が出席して集中審議を行った。公明党から荒木清寛、秋野公造の両氏が質問に立ち、諸課題に対する菅政権の場当たり的な姿勢を追及する一方、液状化や放射線の健康影響などの対策を迫った。
荒木氏は、運転停止中の原子力発電所の再稼動をめぐり、海江田万里経済産業相が6月18日に“安全宣言”を行い、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の運転再開を地元に要請した後、全原発に対し、重大事故に耐えられるか評価するストレステスト(安全検査)の実施を菅首相が場当たり的に決めた問題を追及。「ストレステストで安全性が確認されるまで再稼動しないのが、政府方針なのか」とただしたのに対し、海江田経産相は「多くの皆さんの理解をいただけるものにならなければいけない」などと、あいまいな答弁に終始した。
また、荒木氏は、特例公債法案成立の前提に位置付けた子ども手当の見直しなど、民主、自民、公明3党の政策責任者が4月29日に署名した確認文書を政府・与党が履行しようとしない姿勢を厳しくただし、「与野党の信頼関係を大事にせよ」と批判した。
東日本大震災で被害が広範囲に及んだ液状化対策については、戸建て住宅の被害が特に目立ったことを指摘し、「法改正を含めて踏み込んだ対応をすべきだ」と強調。大畠章宏国土交通相は、(1)液状化の危険のある地域の周知(2)発生メカニズムの研究と対策の技術開発(3)住宅の安全性の表示などの周知―に取り組む考えを示し、「土地に関する情報の中に液状化の情報を加えることも含め検討する」と答えた。
このほか、荒木氏は高齢者や障がい者の個別状況に応じた仮設住宅の改善や、在宅で人工呼吸器などを利用する患者に対し、停電対策として小型発電機と無停電電源装置を貸し出すよう要請した。一方、秋野氏は東京電力福島第1原発事故の発生から、自宅の窓を一度も開けていないという福島県南相馬市住民の声を紹介。現時点の日常生活における放射線の影響について、政府の見解を求めた。
枝野幸男官房長官は事故直後と違い、原発周辺を除いて大気中に放射性物質が漂っている状況ではないとして、「窓を開けたり、半袖・半ズボンを着ても健康に影響することはない」と明言した。
秋野氏は政府の不十分な説明が、国民に大きな混乱を与えていると批判。その上で、福島県民を対象に「安心を得るための健康調査はしっかりやらなければならない」述べるとともに、今後の調査には国際的な応援も必要だとして、「(福島県内に)国際交流拠点をつくってデータの集積をしながら、県民の健康を守るべきだ」と迫った。
枝野官房長官は「世界中の知見を結集するための体制整備が必要だ」と述べた。
さらに秋野氏は、福島から沖縄に避難した人の中に、罹災証明をはじめ一切の手続きを行っていない人が複数いたことを紹介。避難者本人に情報が届くよう、広報戦略に力を入れるべきだと訴えた。
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