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「福井に安全神話ない」 知事、40年監視の努力訴え
(2012年4月15日午前7時26分)
「原発立地の福井県に安全神話はない」。14日の枝野幸男経済産業相との会談で西川・福井県知事は、原発の運転草創期から40年間、安全確保を国や事業者任せにせず、県自らが監視、実現してきた経緯を認識すべきだと強く訴えた。電力消費地として恩恵を受けていた関西圏の知事、市長が原発再稼働に反対する状況に対し、原発の意義、再稼働の必要性が国民に理解されるよう政府の努力を“逆要請”した。(伊豆倉知)
経産相は会談冒頭、東京電力福島第1原発事故の教訓で最も重要な点は「一定の規制水準を満たせば絶対安全であるとして、安全性向上の余地を認めることを避けてきた“安全神話”との決別」と述べた。
これに対し西川知事は、県内で起きた重大事故や県の提言で実現した安全規制などをまとめた「福井県の原子力安全の軌跡」と題した資料を手渡し、「事業者のどんなミスも見逃さないよう厳しく監視してきた」と説明。「関西地域に放射能が放出する事故は一度も発生していない」と指摘した。
その上で、長年の努力を関西地域は十分理解していないと不満を表明。消費地と「痛みを分かち合う」意味から、記者会見では立地が決まらない使用済み燃料中間貯蔵施設建設に対する電力消費地の協力まで求めた。
時岡忍おおい町長も記者団に「電力消費地で原発に後ろ向きの発言がある中、町民に再稼働を理解してくれと言われても、簡単には理解を示してくれない」と述べ、経産相に苦言を呈した。
ただ、再稼働の是非について知事は記者会見で「最終的に立地県が判断すべき問題」と強調、関西圏の理解は再稼働を判断する条件ではないと説明した。時岡町長も記者団に「再稼働の是非の判断とは別」と否定した。
再稼働に際して同意を求める「地元」の範囲を、経産相が「ある意味では日本全国が地元だ」と国会で答弁したことに関しても、知事は「ぼんやりした状況ではいけない」と不快感を表明。経産相は「重く受け止める。立地自治体は地元中の地元」と釈明し、原発の安全をめぐる福井県の取り組みを「再認識した」とも述べた。
