ストーリー:橋下現象という大渦(その2止) 思想信条より直感
毎日新聞 2012年04月15日 大阪朝刊
司法研修所グラウンドで毎年冬に行われていたキアンズの同窓会。仲間たちによると、独立したばかりの橋下氏が自己紹介パンフレットのようなものを持ってきたという。「広がる橋下ネットワーク」という趣旨の内容。ネットワークには公認会計士や税理士らの名前がずらりと並べられていたという。橋下氏の活躍に驚く同期たち。すると、橋下氏は「全部仮名ですよ」と打ち明けたという。めったな事では驚かない体育会系弁護士たちの目が一様に点になった。
「あかん、こんなん、あかん。こんなもの配ったら、懲戒請求されるぞ」。我に返った一人が橋下氏をとがめると「だって、本名書いたらバレますやん」と冗談のように言ったという。その後、同期たちは橋下氏に道理を説き、話はそれで収まったという。
同期の泉房穂兵庫県明石市長は「橋下は見破られなければ反則ではないというタイプ。日本的な文化では、反則感は強いだろうとは思う。橋下は普通とは違うやり方で、これまで生き抜いてきた」と理解を示す。