[北朝鮮発射失敗]あの騒ぎは何だったか

2012年4月14日 09時55分
(29時間0分前に更新)

 北朝鮮は13日午前7時38分ごろ、「人工衛星」と称する事実上の長距離弾道ミサイルを発射した。発射直後に空中分解して破片が韓国西側の黄海に落下、打ち上げは失敗に終わった。

 最後まで自制を促した国際社会の声に耳を貸さず、国連安全保障理事会決議に違反する弾道ミサイル技術を使った発射を強行したことに対し強く抗議したい。

 北朝鮮は国営テレビの臨時ニュースで失敗を認めた。極めて異例なことだ。

 発射は、最高指導者となった若い金正恩体制スタートの「祝砲」になるはずだっただけに、失敗が体制中枢部に与える衝撃は計り知れない。

 国際社会が発射阻止の包囲網を敷いても、なお、北朝鮮の強行姿勢を変えることはできなかった。発射を思いとどまらせることができなかったという点で、国際社会も外交上、失敗したのである。

 特に、北朝鮮に影響力を持つ中国も発射を抑えることができず、米国も北朝鮮政策が手詰まり状態になったことを露呈した。重く受け止めなければならない。

 北朝鮮は発射後に核実験の準備をしている、との韓国当局の情報がある。

 2006年、09年にも弾道ミサイル発射と核実験をセットにして実施している。国際社会は、追い詰められた北朝鮮が核実験を強行することがないよう連携を強め、阻止しなければならない。

 鍵を握るのは米朝、中朝の2国間関係だが、日本も日米韓、日中の枠組みを活用し、もっと存在感を示すべきだ。

 発射が失敗したとはいえ、日本政府の対応には多くの課題を残した。

 情報収集と関係自治体への伝達の遅れ、過剰な自衛隊の配備などについて冷静な検証が必要だ。

 政府からの伝達は、韓国の情報を基にしたテレビ報道に比べても大幅に遅れた。テレビ報道のさなかにも、「わが国としては、発射を確認していない」と、関係自治体などとつなぐ緊急情報ネットワークシステム(エムネット)で流していた。

 田中直紀防衛相が発射情報を明らかにしたのは、発射から約40分後だった。何とも心もとない。

 2度にわたって事前テストしていた全国瞬時警報システム(Jアラート)は、結局、使わずじまいだった。

 藤村修官房長官は伝達遅れについてダブルチェックしていたため、などと説明しているが、事実関係を検証し、公表すべきだ。

 政府は「人工衛星」の何が危険なのか、具体的な説明がないまま、県内4市に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備。与那国島などにも部隊を投入し、県庁には連絡係を常駐させた。

 実戦色を漂わせた大がかりな部隊展開は復帰後、初めてと言っても過言ではない。

 住民を危険から守るというよりも、そのことを表向きの理由とした機動展開訓練の側面と、自衛隊を認知させるための政治的デモンストレーションの意味合いが強かったのではないか。

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