gyoのSF界、宇宙膨張の矛盾
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河合出版「物理教室」近藤敦監修1996年発行の414ページに宇宙の膨張という小話が載っています。ここに引用します。

ハッブルは銀河(星雲)の線スペクトルを調べ、波長が長くなっていること、つまり銀河が我々から遠ざかっていることを発見した。宇宙の膨張は、距離rの遠い銀河ほどスピードvが速く、v=Hr(Hは定数)の関係がある。一方、相対性理論によれば光速cを越えることはできない。そこでv=cとなる距離rc=150億光年が宇宙の果てと言うことになる。フィルムを逆回しするように、膨張の様子をもとに戻してみると、時間T=r/v=1/Hの過去に宇宙の全ての点が一点に集まる。T=150億年。この時宇宙は一点から大爆発(ビッグバン)によって始まったのである。

ところで我々は膨張の中心にいるのだろうか。かつて天動説は敗れ、太陽系が銀河系の中心であるという望みもついえ去った。ハッブル則が見つかったとき、さすがにもうこの愚は繰り返さなかった。v=Hrの膨張なら、どの場所にいても、そこを中心に同じ法則が得られることが証明できるのである。(皆さんも一度試みてみては)上で宇宙のはてといったが、そこにはまた150億年の世界が開けていることだろう。

宇宙は今後どうなっていくのだろう。それは膨張を妨げる重力と膨張のスピードとの競い合いで決まる。宇宙の質量が小さいと永遠に膨張し続けるし、質量が大きいと、やがて膨張は止まり収縮に入る。そして再び一点に戻っていく。このどちらの運命をたどるのか、まだ解答は出されていない。

以上が小話の内容です。この中にはいくつか疑問に思えることがあります。今回は一つだけについて書きます。

上で宇宙のはてといったが、そこにはまた150億年の世界が開けていることだろう。

ビッグバンの中心から150億年先の場所まで移動したら、そこにはまた150億年先の世界が、広がっていると言っていると思います。これはとても不思議な感じがしてきます。


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*    A    * ビッグバンの中心にいる人は
*ビッグバンの中心 * 150億光年先の宇宙を見ています。
*         * *の位置がこれで、光速度で広がっています。
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  *    +*    +
 *    +  *    +
*    +    *    + そして今Aの位置にいた人が
*    +    *    + Bの位置に移動しました。
*    A    B    + そしてBの位置にいる人も
*    +    *    + その周りに+の位置が光速度で
*    +    *    + 広がっていくのを見ているのです。
 *    +  *    +  +もBから150億光年先にあります。
  *    +*    +
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  *    +*    +
 *    +  *    +
*    +    *    + この状態が間違いなければ
*    +    *    + AからはCの位置が光速度の
*    A    B    C 2倍の速さで遠ざかっています。
*    +    *    + これは、光速度以上では移動できない
*    +    *    + という相対性理論の原則に反して
 *    +  *    +  いないのでしょうか。
  *    +*    +
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もっとも、相対性理論は、gyoには全く理解できない世界です。ですから、これについても、勉強しないgyoには分からない説明がなされているのでしょう。

お楽しみいただけましたか。
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