マイケルソン・モーレーの実験装置
　　　　−−−全反射鏡B　　　　　　　　→
　　　　↑｜↓　　　　　　　　　　　　 →
　　　　↑｜↓／銀メッキの半透過鏡A　　→
　　　　↑｜／→→｜　　　　　　　　　 →エーテルの流れ
☆→→→→／−−−｜全反射鏡C　　　　　→速度Ｖ＝４万ｋｍ毎時
光源H 　／｜↓←←｜　　　　　　　　　 →
　　　／↓｜↓　　　　　　　　　　　　 →
　　　　↓｜↓　　　　　　　　　　　　 →
　　　―――――BとCから反射された光の干渉縞を観測する場所D

これを簡単な図になおします。
　　　　−全反射鏡Ｂ

　　　　　半透過鏡Ａ
☆　　　／　　｜全反射鏡Ｃ
光源Ｈ

　　　　−観測点Ｄ
この場合は
　（Ａ→Ｃ→Ａの光の往復時間）＞（Ａ→Ｂ→Ａの光の往復時間）
です。

この装置を進行方向に対して９０度回転します。
　　　　−全反射鏡Ｃ

　　　　　半透過鏡Ａ
｜　　　／　　　｜観測点Ｄ
全反射鏡Ｂ

　　　　☆光源Ｈ
この場合は
　（Ａ→Ｃ→Ａの光の往復時間）は短くなり
　（Ａ→Ｂ→Ａの光の往復時間）は長くなり
お互いに時間の数字は入れ替わります。そして
　（Ａ→Ｃ→Ａの光の往復時間）＜（Ａ→Ｂ→Ａの光の往復時間）
となり、時間の大小関係が逆転します。

回転する前は
Ｂの経路を通った可視光の波（正弦波）
  ***     ***
 *   *   *   *   →
*     ***     ***
01234567890123456
Ｃの経路を通った可視光の波（正弦波）
 ***     ***
*   *   *   *   *←
     ***     ***
01234567890123456
となります。
つまりＢの方がＣよりも早く光が届きます。

９０度回転した後は
Ｂの経路を通った可視光の波（正弦波）
 ***     ***
*   *   *   *   *←
     ***     ***
01234567890123456
Ｃの経路を通った可視光の波（正弦波）
  ***     ***
 *   *   *   *   →
*     ***     ***
01234567890123456
となります。
つまりＢの方がＣよりも遅く光が届きます。

ただしこの時間差は前述の通り可視光線の波長の約１００分の２です。
これでは、光の波形の変化を観測するのは不可能です。


次に
３　それに、この干渉縞は、光速で広がっていくので、観測できるはずがない。
を、光は球面波であることで説明します。

☆は、３単位時間ごとに光の球面波を発します。
これが球面波となってエーテル中を伝達します。
これが観測面Ｄに円となって広がります。
観測面ではちょうど水面に３単位時間ごとに同じ場所に小石を落とし、
そこから円形の波が広がっていくように、
光の波が光速で広がっていきます。
このため、マイケルソン・モーレーの考えている干渉縞は、
光速で広がる円を観測できない限り、観測できません。

　　　　　　　　　　　　　　　−−−−−−−−−
光源　　｜観測点の位置　　   ｜干渉縞の広がり方｜
　　　　　　　　　　　　　　　−−−−−−−−−

０単位時間
☆　　　｜

１単位時間
０　　　｜
・０　　｜
０　　　｜

２単位時間
００　　｜
　　０　｜
・　０　｜
　　０　｜
００　　｜

３単位時間
００　　｜
　　０　｜
　　　０｜
☆　　０｜
　　　０｜
　　０　｜
００　　｜

４単位時間
００　　｜
　　０　｜
　　　０｜
１　　　０　　　　　　　　　　　　　　　　　　０
・１　　０　　　　　　　　　　　　　　　　　０００
１　　　０　　　　　　　　　　　　　　　　　　０
　　　０｜　　　　　　　　　　　　　観測面に届いた光が映り始めます。
　　０　｜
００　　｜

５単位時間
０００　｜
　　　０｜
　　　　０　　　　　　　　　　　　　　　　　０００
１１　　｜０　　　　　　　　　　　　　　　０　　　０
　　１　｜０　　　　　　　　　　　　　　０　　　　　０
・　１　｜０　　　　　　　　　　　　　　０　　　　　０
　　１　｜０　　　　　　　　　　　　　　０　　　　　０
１１　　｜０　　　　　　　　　　　　　　　０　　　０
　　　　０　　　　　　　　　　　　　　　　　０００
　　　０｜
０００　｜

６単位時間
０００　｜
　　　００　　　　　　　　　　　　　　　　０００００
　　　　｜０　　　　　　　　　　　　　　０　　　　　０
１１　　｜０　　　　　　　　　　　　　０　　　　　　　０
　　１　｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
　　　１｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
☆　　１｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
　　　１｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
　　１　｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
１１　　｜０　　　　　　　　　　　　　０　　　　　　　０
　　　　｜０　　　　　　　　　　　　　　０　　　　　０
　　　００　　　　　　　　　　　　　　　　０００００
０００　｜

７単位時間
０００　｜
　　　００　　　　　　　　　　　　　　　　０００００
　　　　｜０　　　　　　　　　　　　　００　　　　　００
１１　　｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
　　１　｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
　　　１｜　　０　　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　０
２　　　１　　０　　　　　　　　　０　　　　　１　　　　　０
・２　　１　　０　　　　　　　　　０　　　　１１１　　　　０
２　　　１　　０　　　　　　　　　０　　　　　１　　　　　０
　　　１｜　　０　　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　０
　　１　｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
１１　　｜　０　　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
　　　　｜０　　　　　　　　　　　　　００　　　　　００
　　　００　　　　　　　　　　　　　　　　０００００
０００　｜

８単位時間
００００｜
　　　　００　　　　　　　　　　　　　　　０００００
　　　　｜　０　　　　　　　　　　　　００　　　　　００
１１１　｜　　０　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
　　　１｜　　０　　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　０
　　　　１　　　０　　　　　　　　０　　　　１１１　　　　０
２２　　｜１　　０　　　　　　　０　　　　１　　　１　　　　０
　　２　｜１　　０　　　　　　　０　　　１　　　　　１　　　０
・　２　｜１　　０　　　　　　　０　　　１　　　　　１　　　０
　　２　｜１　　０　　　　　　　０　　　１　　　　　１　　　０
２２　　｜１　　０　　　　　　　０　　　　１　　　１　　　　０
　　　　１　　　０　　　　　　　　０　　　　１１１　　　　０
　　　１｜　　０　　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　０
１１１　｜　　０　　　　　　　　　　０　　　　　　　　　０
　　　　｜　０　　　　　　　　　　　　００　　　　　００
　　　　００　　　　　　　　　　　　　　　０００００
００００｜

９単位時間
００００｜
　　　　００　　　　　　　　　　　　　　０００００００
　　　　｜　０　　　　　　　　　　　００　　　　　　　００
１１　　｜　　０　　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　０
　　１１｜　　　０　　　　　　　０　　　　　　　　　　　　　０
　　　　１　　　０　　　　　　　０　　　　　１１１　　　　　０
２２　　｜１　　　０　　　　　０　　　　　１　　　１　　　　　０
　　２　｜１　　　０　　　　　０　　　　１　　　　　１　　　　０
　　　２｜　１　　０　　　　　０　　　１　　　　　　　１　　　０
☆　　２｜　１　　０　　　　　０　　　１　　　　　　　１　　　０
　　　２｜　１　　０　　　　　０　　　１　　　　　　　１　　　０
　　２　｜１　　　０　　　　　０　　　　１　　　　　１　　　　０
２２　　｜１　　　０　　　　　０　　　　　１　　　１　　　　　０
　　　　１　　　０　　　　　　　０　　　　　１１１　　　　　０
　　１１｜　　　０　　　　　　　０　　　　　　　　　　　　　０
１１　　｜　　０　　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　０
　　　　｜　０　　　　　　　　　　　００　　　　　　　００
　　　　００　　　　　　　　　　　　　　０００００００
００００｜

１０単位時間
００００｜
　　　　００　　　　　　　　　　　　　　０００００００
　　　　｜　００　　　　　　　　　　００　　　　　　　００
１１１　｜　　　０　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　０
　　　１１　　　０　　　　　　　０　　　　　１１１　　　　　０
　　　　｜１　　　０　　　　　０　　　　１１　　　１１　　　　０
２２　　｜　１　　０　　　　　０　　　１　　　　　　　１　　　０
　　２　｜　１　　　０　　　０　　　１　　　　　　　　　１　　　０
　　　２｜　　１　　０　　　０　　　１　　　　　　　　　１　　　０
３　　　２　　１　　０　　　０　　１　　　　　２　　　　　１　　０
・３　　２　　１　　０　　　０　　１　　　　２２２　　　　１　　０
３　　　２　　１　　０　　　０　　１　　　　　２　　　　　１　　０
　　　２｜　　１　　０　　　０　　　１　　　　　　　　　１　　　０
　　２　｜　１　　　０　　　０　　　１　　　　　　　　　１　　　０
２２　　｜　１　　０　　　　　０　　　１　　　　　　　１　　　０
　　　　｜１　　　０　　　　　０　　　　１１　　　１１　　　　０
　　　１１　　　０　　　　　　　０　　　　　１１１　　　　　０
１１１　｜　　　０　　　　　　　　０　　　　　　　　　　　０
　　　　｜　００　　　　　　　　　　００　　　　　　　００
　　　　００　　　　　　　　　　　　　　０００００００
００００｜                観測面に映ったこの干渉縞の円が、ほぼ光速で広がります