相対論の考え方[連載]24 目次へ戻ります。 RE:相対論の考え方[連載](1208/1239) あもん様、1192番のコメントありがとうございました。 >>FSCI mes.13 #933,#958 このコメントは、ニフティマネージャーを使っている私 >>には、読み取ることができません。 >メールで送ります。 メールをありがとうございました。このメールについて、書かせていただきます。 >------ FSCI mes.13 #933, #958(あもん様)より ------ >ピグマリオン症というのは、R(=現実世界=我々の宇宙)とM(=数理世界=理 >論)が明確に区別ができていない病気(誤解)のことで、科学に通じていない人の >ほとんどはこの病気にかかっています(決して、恥ずべき病気ではありません)。 私は、様と症を区別しています。ピグマリオン様は現実世界を表しています。ピグ マリオン症は現実世界と対応させると矛盾が生じる可能性が大きい数学の世界を表 していると考えています。 空間を表すのに、3つの直交する座標軸を使った表し方があります。これが、空間 を表すのに一番便利な方法です。角度を使った表し方は、平面的なものになりま す。立体角(ステラジアン)は、空間的広がり(見える範囲)のようなものを表してい ます。私はステラジアンの使い方は分かりません。このようなものを使って、現実 世界を認識しようと、人類は知恵を積み上げてきました。これは、ピグマリオン症 から、ピグマリオン様になろうとしていることだと思います。 正負の数は、現実世界には存在しません。正負の数だけに注目し、現実との1対1 対応を考えないのは、数学でありピグマリオン症です。しかし、正負の数は運動の 方向を表すのに使います。このように、現実と1対1対応ができる使い方は、ピグ マリオン様です。私は、このように、症と様を使い分けて考えています。 交流の電流は磁石の運動によって作られる流れです。また直流の電流は、物質間の 電位差によって作られる流れです。この流れが電気的な仕事をします。電流は、質 量のあるものが一定方向に流れるから、仕事ができると考えています。電磁気学 は、現実の現象にあった説明ができる学問だと思います。ですから電磁気学はピグ マリオン様だと思います。 ただし、私は、+の電荷や−の電荷という考えについては、ピグマリオン症ではな いかという疑いを持っています。でも、このことについての現実的な説明は、私に はできません。 ニュートン力学は現実に合った説明ができるので、ピグマリオン様だと思います。 速度によって粒子の寿命が延びるのは、現実に合っているので、ピグマリオン様だ と思います。しかし、速度が速くなると時間がゆっくり進むと言う説明は、現実に 合わないのでピグマリオン症だと思います。これは、高速度のロケットからみると 地球に着陸後の時刻(A)であるが、地球から見るとロケットは着陸前の時刻(同じ A)であるという現実離れした現象が起きるはずの説明だからです。 光速不変は、光源の移動速度を考慮できないので、ピグマリオン症です。 エーテルは、光源の移動速度を考慮できるので、ピグマリオン様です。 ただし、この適応範囲は、光源の移動速度と光速度の関係に限ります。 >以下は、ピグマリオン症に対する "薬" です。少し丁寧めに読んで下さい。 >(1) 我々はM(理論)をもってR(現実世界)を理解しようとする。MとRはまっ > たく別物である。Mは我々の思考によって生じる、Rとは独立な数理的世界で > ある。 現実の現象と1対1の対応ができる理論は、現実世界を表してます。現実の現象と 1対1の対応ができない理論は、現実世界を表していません。 >(2) Rはただ1つだが、Mは多数ある。例えば、ニュートンの力学とアインシュタ > インの相対論は異なるMである。これらを順に、M1, M2 とする。 >(3) Mが自己矛盾する場合、そのMは意味をなさない。 相対論は光速度不変を前提にしています。これは光源の移動速度を考慮できない理 論です。光源の移動速度を光速度不変に組み込むと、時空の伸縮が導き出されま す。しかし、この時空の伸縮は実測不可能です。 相対論の考えは、エーテルでも説明できました。エーテルには時空の伸縮は存在し ません。でも、エーテルの存在を確かめることはできません。 このため、現在は、相対論とエーテルのどちらを信じても良いと思います。この意 味で、相対論とエーテルは同じ立場にあると思います。私はエーテルの考えの方が 気に入っています。 >(4) MとRが対応する、あるいは対応すると思われる領域を、そのMの適用範囲と > いう。Mの適用範囲は新たな観測(実験)によって、変わらないか、または狭 > まる。 >(5) 複数のMに関しては、適用範囲が広い方が優れている。例えば、M2 は M1 > より適用範囲が広いという点で、優れている。適用範囲が極端に狭いMや、内 > 容が複雑なMは魅力がない。 適応範囲が広くなれば、現実との1対1対応も多くなります。この対応についての 検証方法も増加します。ある検証方法に適応しても、他の検証方法では適応できな いか、不明である場合も出てきます。したがって適応範囲は、検証方法に適応した 範囲に狭められます。 >(6) 適用範囲がR全体であるMは、theory of everything (TOE) と呼ばれる。超 > ひも理論は、現在のところ、TOE である。(もちろん、現在の TOE が将来も > TOE である保証はない。) 私は、現実の世界の次元数は3.5だと考えています。ひも理論の次元数はこれよりも はるかに大きい数だと思いました。ひも理論が、次元数が互いに異なる、ひも理論 と現実世界、と間での変換方法を示せなければ、ただの数学だと思います。これが 示せなければ、ひも理論は現実の世界に適応しているとは思えません。 ところで、あもん様は、現実世界は、次元数がいくつだとお考えですか。 >ここで、ピグマリオン症の命名を行った、J.L.Synge の文を引用しておきます。 > そこで私は、たとえばR世界というような新語をつくってみた。R世界とは、私 > たちが生き、活動し、日常生活を営んでいる、この複雑しごくな現実の世界のこ > とである。これと対照的なM世界という新語もつくった。これはモデルとかマセ > マティカルとかの頭文字のMをとったものである。……(中略)…… > そうして物理学者は、自分の考えたM世界がR世界と同等だと思いたがるが、こ > れは全体として必ずしも悪いことではない。しかし、そのことは自覚のうえでな > いとまちがいをおかす。議論はしばしば大きく混乱することがあるから、この種 > の混乱には名前をつけることがふさわしい。私はこれにピグマリオン症という名 > 前をつけた。ピグマリオン症というのは、すばらしく超越したリアリズムで像を > 彫刻した結果、その像が生命をもつに至ったというギリシア神話の中のピグマリ > オンの名をとったものである。……(中略)…… J.L.Synge様には、ピグマリオン様と、ピグマリオン症の2つの考え方を認めて欲し と私は思います。 > このようなM世界はワーズワースのことばによると次のようになる。 > 純粋な知性から創り出される、真に、独立な世界 現実との対応を考えられない理論は、現実から離れ、孤立した理論になります。 >以上、 J.Lシンジ著・中村誠太郎訳 > 「相対性理論の考え方」講談社ブルーバックス B175 >からでした。古い本ですが、名著だと思うので、多くの人に読んで欲しいですね。 あもん様からお知らせいただいたのは、ピグマリオン症の要点だと思います。この 要点に対して、私は前述のような批判をしました。 メールについては以上です。次に1192番のコメントに戻ります。 >>ニュートン力学は、絶対時間や絶対空間を考えなくても良い理論です。光速度を >>測定する精度(絶対時間)は必要ない理論です。ユークリッド幾何の空間で考えて >>いるので、絶対空間は必要ない理論です。 >仮にそう考えたとしても、それならユークリッド幾何が現実世界(我々の宇宙)で >成り立つことを確かめないまま、ニュートン力学は理論を展開していると言えま >す。 >仮定を現実世界で確かめないまま理論を展開していることは、ニュートン力学も相 >対論も同様で、一般にそういった確認は必要ありません。 ニュートン力学は現実に対応した説明ができます。これが仮定を現実世界で確かめ ることに相当すると思います。 相対論の光速不変は、移動速度を考慮した、現実に対応できる説明がなされている のでしょうか。 わたしの考えたエーテルは、エーテルの存在を確かめることはできません。このた め、相対論とエーテルは現実の実測では確かめられないと言う意味で、似ていると 思います。 >>あもん様は、絶対空間や絶対時間とはどのようなものと、お考えでしょうか。 >[絶対時間]絶対的、真の数学的な時間は、それ自身でそのものの本性から外界の >なにものとも関係なく、均一に流れる。 >[絶対空間]絶対的な空間は、その本性として、どのような外的事物とも関係な >く、常に同じ形状を保ち、不動不変のままのものである。 絶対時間と絶対空間の考え方は、私と同じだと思います。絶対時間は、宇宙全体が 同時刻であると私は考えています。絶対空間は、宇宙全体を一つの座標系で表すこ とだと考えています。つまり時空のゆがみは存在しないと考えています。 あもん様は、現実と絶対時間、現実と絶対空間の関係をどのようにお考えですか。 >ピグマリオン症が治ればすぐわかることでしょうが、 >・gyo さんが独自の理論(アイディア)を持っていたとしても、それ自体は相対論 > の否定にはならない。 確かにその通りです。では、光速不変と、光源の速度との関係を説明してくださ い。これは、相対論が回答しなければならないものだと思います。あもん様が相対 論を認めているなら、あもん様もご回答ください。 >・同様に、相対論の存在は gyo さんの理論の否定にはならない。 相対論とエーテルの考えは、お互いに独立の関係にあるから、お互いに否定できな いと思います。 >・ある物理理論を否定するためには、理論内部の矛盾、あるいは実験や観測との不 > 一致を言わなければならない。ある理論をもって、他の理論を否定することはで > きない。 相対論の内部で検討すべきことは、すべて解決されたのでしょうか。光速不変、時 空の伸縮については、どのような検討がなされたのでしょうか。現実に直接、実測 がなされたのでしょうか。時空のゆがみの直接実測方法はどのようになされるので しょうか。 直接実測できないので、相対論もエーテルもピグマリオン症と言えます。 >・ユークリッド幾何学、非ユークリッド幾何学、ニュートン力学、相対論、量子 > 論、gyo さんの理論、これらは全て理論であって、決して現実世界ではない。 理論と現実の1対1対応が可能かが、ピグマリオン症とピグマリオン様の違いにな ると思います。 あもん様、ありがとうございました。 gyo 先頭へ戻ります。 相対論の考え方[連載]25へ続きます