相対論の考え方[連載]7
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RE:相対論の考え方[連載](1051/1239)
久保康治様、コメントありがとうございました。
>>(世界線の長さ)^2=(時間)^2−(長さ)^2
>>この式の両辺の単位は同じと言えるのでしょうか。
>
> 両辺の次元は同じです。相対論の教科書でその式を、
> s^2 = (ct)^2 - x^2 - y^2 - z^2
> (または s^2 = -(ct)^2 + x^2 + y^2 + z^2)
>というように書いているのをご覧になられたことはありませんか。右辺第1項
>は「速さ×時間」なので長さの単位になります。この書き方であれば、gyoさ
>んの感覚には抵抗はないように思いますが、いかがでしょうか。
この式は、全く抵抗なく受け入れることができます。この考えで、自動車のナ
ビゲーションシステムを考えてみます。
直交座標の原点は地球の中心です。軸の1つ目は、地球の自転軸です。2つ目
の軸は、自分がいる経線の円と赤道面の円との交線です。最後の3つ目の軸は
この両軸に垂直な軸です。この直交座標の原点は地球の中心です。しかし計算
では、原点をナビゲーションシステムがある地表にとります。この時の座標軸
の方向は、対になる座標軸同士は平行の関係になっています。ナビゲーション
が原点であり、人工衛星の座標が(x,y,z)になります。
s^2 = (ct)^2 - x^2 - y^2 - z^2
この式の - x^2 - y^2 - z^2 の部分は、この直交座標において、空間を移
動中の人工衛星からの、連続した2つの信号の発信場所AとBの間の距離の2
乗を表しています。もちろんx、y、zは、直交座標に対する移動量(長さ)
ですから、この部分はピタゴラスの定理を空間に応用したものになります。連
続した2つの信号の間には、ある時間が経過しています。ある時間が経過した
時の移動量(長さ)とは、速度のことです。このことからx、y、zを経過時
間で割ることにより、Vx、Vy、Vzという速度を算出できます。この速度
は、速度の合成により、人工衛星の速度vになおせます。
- x^2 - y^2 - z^2 = - (Vx*t)^2 - (Vy*t)^2 - (Vz*t)^2 = - (vt)^2
この式で、ピタゴラスの定理が空間に応用されていることを、ご理解頂きたい
のです。
従って s^2 = (ct)^2 - x^2 - y^2 - z^2 この式は、
s^2 = (ct)^2 - (vt)^2 になります。
これは、ピタゴラスの定理ですから、下図のように直角三角形である事が必要
です。2つの信号を、地上のナビゲーションCで受けます。信号は速度c(光
速度)で伝わります。
v v
A−−→B A−−→B
\ | | /
c\ |c c| /c
↓↓ ↓↓
C C
上図の直角三角形の斜辺の部分を信号が伝わる時間と、人工衛星がAからBへ
移動する時間の両方をt1とします。短い方の経路を信号が伝わる時間をt2とし
ます。
v*t1 v*t1 ピタゴラスの定理では、v*t1 は2乗さ
A−−→B A−−→B れるので、左図のように観測者に近づく
\ | | / 場合と、右図のように観測者から遠ざか
c*t1\ |c*t2 c*t2| /c*t1 る場合の区別が、ピタゴラスの式では区
↓↓=s =s ↓↓ 別できません
C C
このように t は t1 になります。s は c*t2 になります。
つまり s^2 = (ct)^2 - x^2 - y^2 - z^2 この式は、
s^2 = (ct)^2 - (vt)^2 になり、
(c*t2)^2 = (c*t1)^2 - (v*t1)^2 の形になります。
この式の両辺を (c*t1)^2 で割ります。
(t2/t1)^2 = 1 - (v/c)^2
t2/t1 = (1 - (v/c)^2)^(1/2)
この等式の右辺は、相対論でお見かけする式です。
相対論では、この右辺の式の割合で、運動する者の時間が、停止している者の
時間と比べ、速く進んだり、また遅く進んだりするという記述を読むことがあ
ります。この記述は、私には理解できません。t2/t1 は、上に述べたように、
AとBからの信号の伝達時間が異なるのを、比に表したものとしか、私には考
え付きません。
人工衛星が頭上にない場合は、普通の三角形になります。
v*t1
A−−→B
・、 \
c*t1・、 \c*t2
・θ\
・C
角Cの角度をθとします。余弦定理から次の式が求まります。
(v*t1)^2 = (c*t1)^2 + (c*t2)^2 - 2(c*t1)(c*t2)cosθ
この式から t2/t1 を求めるのは、私にはできそうにありません。
人工衛星が地平線の延長の位置にある場合は、直線になります。
v*t1 c*t2
A−−→B−−−−−−−→C
−−−−−−−−−−−→
c*t1
この場合は c*t2 = c*t1 - v*t1 の関係になります。
ですから、t2/t1 = (c-v)/c と、なります。
ナビゲーションは、余弦定理が、使われているのではないかと、私は考えてい
ます。
> s^2 = (ct)^2 - x^2 - y^2 - z^2
> ここで c が何かの物理定数だと考えることにすると、
cは光速度であるという前提は、絶対無視できない、と思います。
> (s/c)^2 = t^2 - (x/c)^2 - (y/c)^2 - (z/c)^2
> もし c = 1 を採用すれば、
c=3*10^8m/sec から c = 1 への変化は、どの様に解釈するのでしょうか。
なぜなら、上の式の t^2 は、(ct)^2/(c^2)で求めたものなのです。
つまり (3*10^8*t)^2/(3*10^8)^2 だから t^2 になったのです。
この事を考えると c=1 にするには等式の性質から、両辺にcをかけ
(sc/c)^2 = (ct)^2 - (xc/c)^2 - (yc/c)^2 - (zc/c)^2
~~~~~~
↑
(3*10^8*t)^2/1 となります。
つまり t^2 は (ct)^2 に戻ることになります。
結局元の式 s^2 = (ct)^2 - x^2 - y^2 - z^2 に戻ります。
この事を、お考えの上で、お教えください。
> s^2 = t^2 - x^2 - y^2 - z^2
>と簡単な形になります。
c=1を採用した場合、sはs/cであり、xはx/c、yはy/c、zはz/cであるこ
とが約束されているのですね。c=1を採用したのに、s/cでなく、以前のs
を意味している記述は間違いであるとしていいのですね。xはx/cであり、yは
y/cであり、zはz/cなのですね。
>「時間」の方向にも移動している、といったことを考えるには、むしろ取っ
>付きやすい場合もあるのではないかとも思います。
「時間」の方向にも移動している、というのは、現実にはどの様な事なので
しょうか。時間軸が観測できる状態でご説明なさるのなら、現実にはどのよう
な状態であるかも、お教えください。お願いします。
久保康治様、ありがとうございました。 gyo
あもん様、コメントありがとうございました。
>ちなみに私は、「バークレー電磁気学」という教科書で、電荷の単位が
>g^(1/2)・cm^(3/2)・sec^(-1) になっているのを見て、ギョッとしたクチで
>す。このとき、「そっか、単位なんて人間の勝手だよな」と気づいたわけ
>で、まあ、そういう人は多いと思います。最近の人は、c=1 単位系や自然
>単位系がギョッとするきっかけになるのかもしれませんね。
「バークレー電磁気学」の中で、単位系に矛盾がなければ良いと思います。
別の、c=1 とした中で、単位系に矛盾がなければ良いと思います。
もし、ここに、他の単位系を、持ってくるときは、この単位系に適合するもの
に直さなければならない必要があると思います。
>>お聞きしたいのですが、エネルギー密度と圧力は、一つの等式の中に両方と
>>も現れてくる場合があるのでしょうか。
>
>熱力学では頻繁に同居してます。例えば、理想気体について、ρ=Cp/R
>が成り立ちます。ここで、ρ はエネルギー密度、C は体積モル比熱、p は
>圧力、Rは気体定数です。これらのρとpの二つは、一つの式の中で、記号
>で区別しています。
ρ=Cp/R この式からすると、pをρへ、Cp/Rの式で換算するもので
あると言えます。そして、pとρが同じ単位であっても、p+ρやp−ρの様
に同じ次元での計算はできないと思われます。ですから、pとρは、同じ単位
であるが、別の測定器が必要になっても良いと思います。
同じ単位であり、さらに、加算や減算ができる量ならば、同じ測定器で計測で
きると思います。今回の件で、この様に考えさせていただきたいと思います。
>その国では、しばらくMKSA単位系を用いていましたが、更なる改正が行
>われました。
>「c=1 とします。つまり、sec=3.0×10^8 m と定義します。」
>
>c=1 の単位系のセンスは、速さを、光の速さとの比で表そう、ということ
>です。
>光速の 1/2 の速さは、1/2 という無次元で表すわけです。そうする
>と、時間と長さは必然的に同じ単位になるわけですが、時間 1m とは、光
>が 1m の距離を進むのにかかる時間のことです。逆に、距離 1sec とは、
>光が 1sec かかって進む距離のことです。
>
> 6 -1 15 -1
> 1m=5.06775×10 eV , 1s=1.51927×10 eV
c=1とした場合、時間1sec、時間1m、時間1eV、というのですね。
これが、種類を表す言葉がなく、1sec、1m、1eV、と表現されることはあ
りませんね。
>話は変わりますが、万有引力の法則は、MKSA単位系で、
> 2
> F=Gm1m2/r
>でしたが、「G=1 とします」と言われたら、gyo さんはどう思われます?
>このとき、例えば kg は m^3/sec^2 の次元を持ちますが、「kg はもはや基
>本単位でないから問題ない」と考えられるようになったら、しめたもので
>す。ちなみに、この考えはCGS単位系と同様なセンスです。
G=1 とした場合、他のF、m1、m2は、Gの元の値で割ったようなもの
に変えなければならなくなり、今まで以上に複雑になりそうですね。
>>私は、違うものを同じ単位に変換できることを、疑問に思っているのです。
>
>力という物理量も、質量や長さや時間とは異なった概念ですね。その単位
>を、我々は kg・m/sec^2 としています。これは運動方程式の係数が1になる
>ように、人間が仕組んだことです。
その等式の両辺に矛盾が生じなければ良いと思います。
>ある eV^(-1) の値を渡されて、それがどんな物理量か判明していないとした
>ら、単なる情報不足です。そんな問題があったら、出題者のミスということ
>です。よって、変換できないのは当然と考えて下さい。
時間は時間であり、時間が長さや速さに変化しないと言うことだと理解させて
頂きました。
>自然単位系は、実用を目的とはしていないのです。
実用が目的でないなら、何を目的としているのでしょうか。
あもん様、ありがとうございました。 gyo
まだ納得できないことがあります。
速度= 長さ÷時間
3*10^8(m/sec)=3*10^8(m)÷1(sec)
この両辺を光速度 3*10^8(m/sec) で割ります。
3*10^8(m/sec)÷3*10^8(m/sec)=3*10^8(m)÷1(sec)÷3*10^8(m/sec)
右辺の長さの方を割ると 1(無単位)= 1(sec)÷1(sec)
右辺の時間の方に掛けると 1(無単位)=3*10^8(m)÷3*10^8(m)
この様に (無単位)= (時間)÷(時間)または、
(無単位)= (長さ)÷(長さ)になります。
決して (無単位)= (長さ)÷(時間)にはなりません。
すると 1(無単位)=3*10^8(m)÷1(sec)この式は、どの様に
導かれたのでしょうか。等式の性質は使わないで導いたのでしょうが、その様
にした理由はどのようなものでしょうか。
速度= 長さ÷時間
3*10^8(m/sec)=3*10^8(m)÷1(sec)
この両辺を3*10^8(無単位)で割ると
3*10^8(m/sec)÷3*10^8(無単位)=3*10^8(m)÷1(sec)÷3*10^8(無単位)
右辺の長さの方を割ると 1(m/sec)=1(m)÷1(sec)
右辺の時間の方に掛けると 1(m/sec)=3*10^8(m)÷3*10^8(sec)
この様に、両方とも (m/sec)=(m)÷(sec)となります。
この場合も 1(無単位)=3*10^8(m)÷1(sec)にはなりません。
また速度も長さも時間も 3*10^8(m/sec) で割ると、次のようになります。
3*10^8(m/sec)÷3*10^8(m/sec)
=(3*10^8(m)÷3*10^8(m/sec))÷(1(sec)÷3*10^8(m/sec))
これで 1(無単位)=3*10^8(m)÷1(sec) になりますが、
等式の性質は成り立ちません。
どなたか 1(無単位)=3*10^8(m)÷1(sec) この式の出し方と
理由を教えていただけませんでしょうか。 gyo
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