相対論の考え方[連載]3
目次へ戻ります。
RE:相対論の考え方[連載](1022/1239)
Yasushi様、コメントありがとうございました。
>>物理の単位の次元から
>> 3.0×10^8 m/sec=1(無単位) という等式は成り立ちません。
>単位の次元というのが相対的なものであることは,電磁気学を少し学べば
>イヤになるほど判るはずです.
単位が相対的である事を、速さm/sec=長さm÷時間secを基にして、相対的単
位を(1)から(7)まで7種類ほど下に書きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
|速さ |長さ |時間
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(1)|通常の単位 |m/sec |m |sec
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(2)| 〃 ÷m |m/(sec×m)=1/sec|m/m=無単位|sec/m
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(3)| 〃 ÷sec |m/(sec^2) |m/sec |sec/sec=無単位
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(4)| 〃 ÷(m/sec)|無単位 |sec |(sec^2)/m
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(5)| 〃 ×m |(m^2)/sec |m^2 |m×sec
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(6)| 〃 ×sec |m |m×sec |sec^2
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(7)| 〃 ×(m/sec)|(m/sec)^2 |(m^2)/sec |m
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
速さ、長さ、時間の単位について、通常(1)の相対単位が使われます。(1)の相
対単位と(2)の相対的単位を混合して、速さは(1)のm/sec、長さは(2)の無単
位、時間は(2)のsec/mという単位を使う人はいません。
また、この場合、速さ(1)m/sec=長さ(2)無単位÷時間(2)sec/m
このように 速さ=長さ÷時間 の式に当てはめ、等式の左辺と右辺の単位の
次元が合っているからといって、長さや時間の単位が正しいと主張する人はい
ません。
速さ=長さ÷時間
の関係を維持するには上の表の横並びの相対単位を使います。
(1)と(4)の速さの相対単位を使って
速さ(1)m/sec=速さ(4)無単位とすると主張するのは
cgs静電単位系真空の誘電率(無次元)=cgs電磁単位系真空の誘電率(s^2/cm^2)
と主張するのと同じです。それとも、電磁気学における単位系の問題について
は、この等式が成り立つと主張なさるのでしょうか。もし成り立つとしたら電
磁気学の単位系は混乱状態ですね。
物理では等式の左辺と右辺の単位が一致することが大切です。この制限を相対
論では、m/sec=無単位のように無視しているのですね。
>3.5次元というのが理解できないので,もう少しフォーマルな定義をお願いし
>ます.お書きの内容からよくわからないのですが,R^3 と R^+ の直積だか
>ら,3.5次元という程度の意味でしょうか?
3.5次元は空間の3次元と時間の0.5次元をたしただけです。空間の縦(前後方
向とします)の前後どちらへも移動でき、移動速度を変えられ、また止まるこ
ともできるので、自由度を1として考えています。この空間は、さらに横1と
高さ1の自由度が加わり、合わせて3の自由度となります。これに対し、時間
は未来に進むだけで、過去に進んだり、時間が進む速さを変えたり、ある時間
に止まることもできません。このように時間についての自由度は現実世界では
制限されています。時間についての自由度が制限されていることを表す手段と
して、時間は1次元でなく、0.5次元とさせていただきました。
相対論では、長さm=時間sec、と仮定しています。これは時間を長さに変える
ことができることを意味しています。ですから
(世界線の長さ)^2=(時間)^2−(長さ)^2 この式は時間を→長さに変えて
(世界線の長さ)^2=(時間→長さ)^2−(長さ)^2 ((時間→長さ)は長さです)
このようにすべて長さに変えることができます。ですからこの式はピタゴラス
の定理そのものです。等式の変形を使い
(時間→長さ)^2=(世界線の長さ)^2+(長さ)^2 この式になります。
この3辺で直角三角形ができます。
/|
/ |
/ |
(時間→長さ)/ |(世界線の長さ)
/ |
/___|←直角
(長さ)
このように、(世界線の長さ)と(長さ)は直行しているから、ピタゴラスの定理
が成り立つはずです。これは長さ1次元と時間1次元を合わせた2次元でのこ
とになります。
>相対論では,x軸(長さ)とt軸(時間→長さ)が直交するとは仮定しません.
たしかに言われるとおりです。しかしx軸(長さ)と(世界線の長さ)は直交しな
ければなりません。さもなければピタゴラスの定理は成り立ちません。このた
め相対論は、この問題を解決できていないことになります。
次に、(縦の長さ)と(横の長さ)と(時間→長さ)の3次元では、
(時間→長さ)^2=(世界線の長さ)^2+(縦の長さ)^2+(横の長さ)^2
となります。これはピタゴラスの定理を3次元空間に応用したものとなりま
す。(世界線の長さ)と(縦の長さ)と(横の長さ)が互いに直交しているから、ピ
タゴラスの定理を3次元空間に応用できます。
(縦の長さ)と(横の長さ)と(高さの長さ)と(時間→長さ)の4次元では、
(時間→長さ)^2
=(世界線の長さ)^2+(縦の長さ)^2+(横の長さ)^2+(高さの長さ)^2
この場合は、(世界線の長さ)と(縦の長さ)と(横の長さ)と(高さの長さ)が、互
いに直交しなければなりません。これら4つはすべて長さで、互いに直交して
いますから4次元空間になります。このような4次元空間は私には考えられな
いのです。
>>縦軸、横軸、高さ軸の3軸はそれぞれお互いに直角です。これらの3軸すべて
>>に対して直角な第4軸を探し出すことは私にはできません。
>
>えっと,じゃあ,C^2は理解できませんか?
C^2の単位はm^2/sec^2でしょうか。これと4次元空間とはどのような関係があ
るのですか。相対論では時間→長さに変えられるので
m^2/sec^2=(長さ)^2/(時間→長さ)^2=無単位=0次元
ということぐらいしかわかりません。
>現実の時空でx軸とt軸の関係は判りませんから,とりあえず,「計量」が
>t^2-x^2 で与えられるような構造になっていると仮定してみよう,というの
>が相対論の仮定です.単位系の話が気持ち悪いのでしたら,計量が
>(ct)^2-x^2 で与えられるという仮定で議論を進めても何ら問題ありません.
t^2-x^2は、現実では(時間)^2と(長さ)^2のように単位が異なるので、この式
は成立しません。
t^2-x^2は、相対論では、(時間→長さ)^2と(長さ)^2となり同じ単位なので、
この式は成立します。
(ct)^2-x^2は、現実でも、相対論でも、(長さ)^2と(長さ)^2となり同じ単位な
ので、この式は成立します。
このように現実と相対論で、単位の成立や不成立が異なったり一致したりする
のは、相対論が、相対的単位を混同していることが原因としか思えません。
相対的単位の混同は、物理では絶対にしてはいけないことです。ですから相対
的単位の混同をしている相対論は、物理から逸脱しています。
>といっても時空の構造を直接調べるのは大変ですから,実際には,この仮定
>から導き出される結論の中で実験的に検証可能なものを,実験して確認する
>ことになります.そして,そのための実験は,現在にいたるまで何万ではき
>かないほど多数回繰り返され,いまや,カーナビですら,この仮定の直接的
>な帰結を利用して動作しているのが実情です.
カーナビは
OP^2 =時間^2 +長さ^2 を利用していると言われるのでしょうか。でも
この式は物理単位の次元から絶対認められません。
しかし、前回述べたように
τ=(((c/c)^2 −(v/c)^2 )^(1/2))×t
のように現実の単位と一致している場合は、物理単位の次元として認められま
す。これについての説明を下に再掲させていただきます。
0x,0Q,0pの3つの長さは、長さ=速さ×時間という式から導き出された長さで
す。このため、上の τ= の式を現実に合わせて解釈できます。
τ
: 0に光源があります。この光源からQまで光速度cで時間t後に光
P(x,t)・Q が届きます。
: : 速度vでQを出発した人が、t時間後にPに着きました。
: : 光源0からの光速度cの光が、Pにτ時間後に届きました。
cτ: :ct この場合cτ<ctは、長さの長短関係を表しています。
: : また、このことからτ<tであることは明らかです。
: : これは0からPまで光が届くのにかかる時間τは、0からQまで光
:: が届くのにかかる時間tより短いことを示しています。
0・・・・・・x・・ 光と電気はともに光速度cで伝わるという性質を持っています
vt このため、速度vで運動する電気時計はこの式と同じ影響を受
け、遅れるのです。
このように、現実に合う解釈ができるものが相対論に含まれている事を、カー
ナビが示しているのではないですか。
>とはいえ,理論を理解し考察するにあたって,こういったことは不要ですね
>
>時空の構造がロバチェフスキー的であったらどうなるだろう,などと考える
>のと同じことです.(これまた脱線ですが,かつてガウスがこの空間のガウ
>ス曲率を測定しようとしたのは有名な逸話です.)
物理は、現実に合うように理論を進めるべきだと思います。現実に合致しなけ
れば、だだ単なる理論であり、物理ではないと思います。
>>現実世界の何物にも変換できないものを、仮定するということは、相対論
>>は現実世界とは切り離された論であると言うことになります。
>
>「現実世界」とやらはいったん忘れましょう.もちろん,「3.5次元時空」
>とやらも.ここでは,相対論という理論的な世界では,何が仮定され,そこ
>からどのような帰結が得られるかというだけが問題であり,それが「現実
>世界」と対応するか否かは,まったく別の問題です.
相対論の仮定の中で、前述のτ=で説明した直角三角形のように、現実に一致
する解釈ができる場合に現実世界に対応できると思います。否の場合は現実に
一致する解釈ができないからだと思います。物理に関しては、現実に合わない
理論は否定されるべきだと私は思っています。
>直角三角形にせよ三角法にせよ,x軸とt軸が直交する時空の構造,あるいは
>ユークリッド的な計量構造を前提としています.相対論では,x軸とt軸は
>直交しないと仮定されており,その計量構造はローレンツ的であると仮定さ
>れていますから,いわゆる三角法はそのまま適用されず,幾何学的には双曲
>線三角法が適用されることになります.
ローレンツ的計量構造が、前述のτ=例のように別の見方から、ユークリッド
的計量構造に変換できる場合のみ、現実に合致しているように思えるのです。
双曲三角法も三角法に変換できる場合のみ現実に合致していると思えるので
す。変換できない場合は現実世界では確かめることができないと思います。
平面上に直線を任意の方向に数本描きます。この平面を曲げると、直線のまま
であるのは少なくなります。しかし双曲三角法はすべてを直線として扱ってい
るようにも思えます。これは、直線の定義を変えてしまうことです。この点を
最後まではっきり意識しているかいないかが、現実に留まるかそうでないかに
かかわってくると思います。相対論は定義を意識していないため、現実と遊離
しているとしか思えません。
>「現実世界にとって何の意味もありません」でもいいから,相対論の理論世
>界の中で,何がどうなっているかは理解しましょう.
相対論で使われる速度、時間、速さの相対的単位は(1)〜(7)のどれをお使いな
のでしょうか。もし(1)〜(7)を混同してお使いなら、混同しても良い理由をお
教えください。
もしかして、この相対単位も仮定なのでしょうか。だとしたら相対論はすべて
仮定の理論ですか。仮定だから現実に合う場合と、全く確かめられない場合が
併存しているのですか。
>でないと,あもんさんの好きなピグマリオン症だか,ピグマリオン賞だかを
>授与したくなっちゃいます.
ピグマリオンさんはキプロスの王様であり彫刻家でした。ピグマリオンさんは
アフロディテさんに恋したが受け入れてもらえませんでした。そこでピグマリ
オンさんは象牙(大理石かも)からアフロディテさんとそっくりなガラティア
さんを彫り上げました。ピグマリオンさんがガラティアさんに恋心を抱いてい
るのを知ったアフロディテさんは、ガラティアさんに命を吹き込みました。そ
してピグマリオンさんとガラティアさんはパファスさんとメタルメさんという
2人の子どもをもうけました。きっとこのギリシア神話のことを指していられ
るのでしょう。
>惜しいですね.微分幾何学とか(微分)多様体(代数多様体とか代数幾何は,
>とりあえずこの目的にはやめたほうがいいです)といった辺りをお勉強され
>るとよろしいでしょう.ちなみに,この分野をお勉強されれば,一般相対論
>の数学的な部分は,微分幾何学のごく一部を特殊化した練習問題みたいなも
>のだというのが判るでしょう.(接続が2つ,かならず双対なペアとして出て
>くるような変態的な計量構造が「自然」で「現実世界」と対応するような珍
>妙な幾何学よりは,ずっとやさしいですし.あ,いちおう情報幾何学を念頭
>において書きました。情報幾何学自体は珍妙でも変態的でもないので誤解な
>きよう.)
微分幾何学、(微分)多様体、情報幾何学などは、現実世界との対応を考えてい
ない学問のように受け取って良いようですね。接続が2つ、かならず双対なペ
アとして出てくるような計量構造は、現実世界では説明できないようですね。
電磁気学に質量の考えが取り入れられないことが、現実世界と対応しない数学
を物理学に取り入れる原因になったと私は思います。質量を取り入れて電磁気
学などを再構築しなければならないと私は考えています。
>>私には、物理単位と空間の次元が壁となって立ちはだかり、相対論の世界に
>>は入れそうにありません。
>でしたら,まずは数学を勉強されるとよいでしょう.自分の脳力以外の,お
>そらくあらゆることから自由な世界ですから.
相対論は、現実の世界の相対単位からも、解き放された世界なのですね。仮定
の世界ですから、あらゆる事から自由になれるのは当然と思えます。でも現実
と一致することは、まれでしょう。また現実との完全な一致は不可能ですね。
さらに、数学で物理を考えるのは、あまりにも自由度が高すぎて、私には理解
できかねるように思えます。きっと、相対論は物理ではなく、数学なのでしょ
う。
私は、こんなことを考えるよりも、ピグマリオンさんと同じ事をすればいいと
今、気づきました。相対論(アフロディテさん)に代わる、自分が納得できる理
論(ガラティアさん)を作ればいいのです。前回と今回で、だいぶ、自分が納得
できる理論の形が見えてきました。微分幾何学や微分多様体の4次元が、現実
世界に変換不可能であることを証明できれば、相対論との決別の可能性が広が
ります。ということで、私はピグマリオン症を患ってしまったようです。
そういえば(世界線の長さ)や(時間→長さ)も、現実には存在しない(長さ)で
す。相対論は現実には存在しないものを仮定しています。証明は仮定→結論→
証明→結論の順に行います。相対論では、最初の仮定が、現実には存在しない
ものになっています。これなら結論が現実と一致したり、一致しなくなるのも
当然と言えます。
相対論が現実に合った説明ができない原因はここにあると思われます。これは
相対論の弱点です。相対論は100年の長い間、この弱点を補強しませんでし
た。ですから、相対論が物理について発言した場合、現実に合った説明がなさ
れなければ、この発言は物理ではないと、私は勝手に思うことにします。
このように、完全にピグマリオン症を患ってしまったことを確認した私です。
でも、現実には存在しないことを仮定して理論を進めている人たちも、私と同
じように、本物(現実)に変わるものを愛するピグマリオン症だと思います。
>同じ芸を何度も繰り返されると最初は楽しめた芸もだんだん飽きてつまらな
>くなってしまいますので,その辺りをご理解いただければ,なおよろしいか
>と存じます.
すると前回も今回も楽しんでもらえなかったかもしれませんね。でも私はこの
芸を大切にしたいと思っています。
Yasushi様、様々なご教示ありがとうございました。 gyo
先頭へ戻ります。
相対論の考え方[連載]4へ続きます