相対論の考え方[連載]2
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RE:相対論の考え方[連載](1012/1239)

皆様へ。私は、相対論の考え方[連載]をたいへん楽しく読ませていただいております。
おかげさまで、私には相対論の考え方が理解できないわけがわかりました。ありがとう
ございました。

>  さて、時間の単位は、通常、秒(sec)です。一方、距離の単位は、通常、メートル
>(m)です。時空を考える上では、時間と距離の単位を一致させたいので、ここでは、
>光の速さ c=3.0×10^8 m/sec を 1 とする単位系を用いることにしましょ
>う。つまり、
>    c=1  ∴ 3.0×10^8 m/sec=1  ∴ sec=3.0×10^8 m.     (1)
>要するに、この単位系においては、1秒を(約)3億メートルに換算しなさい、という
>ことです。こうすると、時間も長さも同じ単位で表されるようになり、一方、速さは単
>位を持たないことになります。

   3.0×10^8 m/sec
c=−−−−−−−−=1(無単位)・・・(A)
   3.0×10^8 m/sec

このような関係があります。ですから、物理の単位の次元から
   3.0×10^8 m/sec=1(無単位)
という等式は成り立ちません。
なぜなら、この等式は、上の(A)のところに書いた分母を無視しているから
です。したがって

>    c=1  ∴ 3.0×10^8 m/sec=1  ∴ sec=3.0×10^8 m.     (1)

も、成り立ちません。この等式が成り立たないのは、3.5次元時空の世界に限っているも
のです。3.5次元時空のうちの3次元は縦横高さの直角座標の次元です。これは空間座標
とも言われ、前後、左右、上下方向へ自由に移動できるので3次元です。残りの0.5次元
は時間座標です。これは、過去から未来方向へのみ移動できるのです。現在から、過去
や未来へと、時間を自由に移動できるなら、時間は0.5次元でなく、完全な1次元になり
ます。しかし、時間を自由に移動できないので、時間は0.5次元です。空間の3次元と時
間の0.5次元を加えて3.5次元です。この3.5次元時空の世界では
 3.0×10^8 m/sec=1(無単位)  という等式は成り立ちません。

次に4次元空間について書きます。
縦軸、横軸、高さ軸の3軸はそれぞれお互いに直角です。これらの3軸すべてに対して直
角な第4軸を探し出すことは私にはできません。私は、この第4軸が探し出せたなら、3次
元空間の次の4次元空間を理解できます。しかし私は、これら縦横高さの3軸すべてに対
して直角な第4軸を探し出すことはできません。ですから、私はいまだに4次元空間を理
解できません。また、当然ですが、5平方の世界も、私には理解できないのです。能力の
ある方は、3.5次元の世界だけでなく、4次元、はては5次元以上の世界を理解なさって
いられるのですね。うらやましい限りです。私は3.5次元の世界でウロウロしているので
す。

相対論の4次元時空では、時間=長さとして扱っています。このような関係を前提とす
ると、4次元時空の相対論は3.5次元時空に変換できないものになります。3.5次元時空で
は、時間sec、長さmを使い、速さm/sec=長さm/時間secの関係があります。
3.5次元時空→相対論の4次元時空への単位変換が成り立つようにするには、
 速さm/sec→速さ/速さ=速さ無単位 としたので
   長さm→長さ/速さ=長さsec
  時間sec→時間/速さ=時間m
このように、ともに速さで割ったものに変換しなければなりません。この変換後も長さ
secと時間mは、お互いに入れ替えた異なる単位を維持しています。この変換方法にきち
んと従えば、相対論の4次元時空は現実の3.5次元時空に逆変換できます。
ところが相対論の4次元時空では長さsec=時間mとしてしまい、異なる単位を同じもの
として扱っています。このため相対論の考え方の中では単位の混乱が起きています。

> 時間と距離の単位が同じになったところで、2次元時空の問題に戻りましょ
>う。図3で、線分OPの長さはどうなるでしょうか?
>  t
>  :
>t Q      P(t,x)
>  :     :
>  :    :
>  :   :     [図3]
>  :  :
>  : :
>  ::
>  0・・・・・・+・・x
>  ピタゴラスの定理から、
>    OP^2 =t^2 +x^2   ∴ OP=(t^2 +x^2 )^(1/2)      (2)
>    (1/2 乗は平方根のことです)
>  と答えれば "まあまあ" です。

ピタゴラスの定理は、直角三角形に対してのみ当てはまる定理です。この原則が2次元
の時空図に当てはまる条件として、x軸(長さm)とt軸(時間sec)が、直交する事が
証明されなければなりません。ところで、時間軸が現れるのは、図3のような人間が考
え出したグラフに現れるのみです。現実の3.5次元時空の世界には、時間軸はどこにも存
在しません。したがってx軸(長さm)とt軸(時間sec)が直交することは3.5次元時空
では確かめられません。また
>OP^2 =t^2 +x^2
の式は
 OP^2 =時間^2 +長さ^2
となっています。時間=長さという3.5次元に逆変換できなくした間違いを犯した上に、
OP=時間、と、OP=長さ、とすることができる理由の説明がなされていません。こ
の説明がなされない状態で
OP^2 =時間^2 +長さ^2 という関係は物理単位の次元から絶対認められません。

>しかし相対論では、時空においてはこの式は成り立たない、と考えます。代わりに、
>    OP^2 =t^2 −x^2      (3)
>が成り立つと考えます。このように長さ(計量構造)が定義された空間は、特に数学に
>おいて、「ミンコフスキー空間」と呼ばれます。対して、(2)が成り立つ空間は、「ユ
>ークリッド空間」と呼ばれます。単なる符号の違いですが、慣れるまではかなり注意が
>必要です。結果、OPの長さは、
>    OP=(t^2 −x^2 )^(1/2)       (4)
>  となります。

(3)の関係が成り立つなら、ピタゴラスの定理により斜辺はt軸(時間sec)にならなけ
らばなりません。したがってt軸とOPが入れ替わらなければなりません。
  t                     :        t
  :                     :       :
t Q      P(t,x)         P(t,x) Q t
  :     :               :     :
  :    :                :    :
  :   :     [図3] →  :   :
  :  :            軸交換:  :
  : :                   : :
  ::                    ::
  0・・・・・・+・・x           0・・・・・・+・・x

>  長さOPの物理的意味はなんでしょうか?
>相対論では、長さOPは、世界線OPにおいて経過する時間、と仮定されます。
                         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
x軸は太郎君がいた場所を示しています。t軸はその場所にいた時間を表しています。
3.5次元時空ではOPの長さを測定できません。またOPの線を引くこともできません。
グラフ上でOPの線を引くことはできます。しかしグラフ上のOPの長さには、現実的
には何の意味もありません。OPが直線であるなら、OPの傾き=長さ÷時間=速さと
いう現実的な意味を持ちます。しかしOPの長さは現実的な意味を持ちません。相対論
では、[長さOPは、世界線OPにおいて経過する時間]と仮定されても、これを現実世
界の何に変換すると言うのでしょうか。現実世界の何物にも変換できないものを、仮定
するということは、相対論は現実世界とは切り離された論であると言うことになります。

>経過時間を τ=OP とおけば、(4)は、τ=(t^2 −x^2 )^(1/2)   ですが、世
>界線OPが速さ v の運動を表しているとするなら、x=vt なので、
>    τ=(t^2 −v^2 t^2 )^(1/2)    ∴ τ=((1−v^2)^(1/2))×t     (5)
>となります。これは「運動する時計が遅れること」を意味します。(図4)                                  

現実世界の何物にも変換できないOPの長さを、今度はτに変えて、運動している太郎
君の時間と仮定しています。しかし、この仮定も、現実世界とは切り離されていること
に変わりはありません。

>  t
>  :
>t Q・・・・・・P(x,t)
>  :     :
>  :    :
>  :   :τ(<t)
>  :  :
>  : :            [図4]
>  ::
>  0・・・・・・x・・
>※ 速さが光速度未満ならば、0≦v<1 なので、
>     0<(1−v^2 )^(1・2)  ≦1 であることに注意して下さい。

vは光速度より小さいと言っているのなら、vではなくv/cを使って表さな
ければなりません。つまり
0<((c/c)^2−(v/c)^2 )^(1/2) ≦c/c
これで、この式の単位は無単位であり、また次数もそろいます。
このことから

>    τ=(t^2 −v^2 t^2 )^(1/2)    ∴ τ=((1−v^2 )^(1/2))×t     (5)
>となります。これは「運動する時計が遅れること」を意味します。

これは、現実に合わせて説明できます。 (5)の式は
τ=((c/c)^2 −(v/c)^2 )^(1/2) t と書き直せます。この関係を、縦軸、横軸、グラ
フに書かれた線をすべて長さに統一したグラフに表せます。

  τ    t 状況を下記のように変えて説明できます。
  :       :   0x=vt 速度vでPからQへ移動している太郎君の移動距離
τP(x,t)・・Q    0Q=ct 観測者から速度vで移動した後の太郎君への光の伝達距離
  :     :     0P=cτ 速度vで移動する前の太郎君から観測者への光の伝達距離
  :    :      時間は、τ(移動前)<t(移動後)、という関係があります。
  :   :       つまり長さ=速さ×時間という関係から、3つの単位はすべて
  :  :        長さに統一されました。これら3つの長さにピタゴラスの定理
  : :     を当てはめてみます。
  ::          0P^2 =0Q^2 −0x^2  この式は
  0・・・・・・x・・  (cτ)^2 =(ct)^2 −(vt)^2  となります。そして
       τ=((c/c)^2 −(v/c)^2 )^(1/2) t と書き直せます。

0x,0Q,0pは、ともに、長さ=速さ×時間という式から導き出された長さです。このため
 τ= の式を現実に合わせて解釈できます。
   τ
   :          0に観測者がいます。太郎君はPからQまで速度vで移動します。
   P(x,t)・・Q   Pから観測者0までの距離0Pはcτです。
   :     :    太郎君の移動距離PQはvtです。
   :    :     移動後のQから観測者までの距離0Qはctです。
 cτ:   :ct    この場合cτ<ctは、長さの長短関係を表しています。
   :  :       また、このことからτ<tであることは明らかです。
   : :        これは0からPまで光が届くのにかかる時間τは、0からQまで光が届くの
   ::         にかかる時間tより短いことを示しています。
   0・・・・・・x・・ 光と電気はともに光速度cで伝わるという性質を持っています。このため、
      vt      速度vで運動する電気時計はこの式と同じ影響を受け、遅れるのです。
       
この式は、直角三角形で近似的に求められています。正確には三角法で表さなければな
りません。
  τ                t
  :    ct×cos a       ,,・・   ∠PQ0=aとします。
τP(x,t)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・,,・・Q    0P=cτ
  :                  a ,,・・             0Q=ct
  :                 ,,・・                 0x=0Q×cos a=ct×cos a
  :cτ          ,,・・ct                   この3つの長さでピタゴラスの
  :         ,,・・             定理を作ります。
  :     ,,・・        (cτ)^2 =(ct)^2−(ct×cos a)^2 =(ct)^2 ×(sin a)^2
  : ,,・・ a    τ=t×sin a (これが正しい式です)
  0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・x・・

>今は2次元時空で考えましたが、4次元時空なら、 (3)は、
>    OP^2 =t^2 −x^2 −y^2 −z^2      (6)
>と拡張されます。ここで、t は事象Pの時間座標、x,y,z は空間座標です。
>(6)が、4次元ミンコフスキー空間の計量構造となります。
>(4次元ユークリッド空間なら,マイナスのところが全てプラスになります。)

x,y,zをそれぞれ時間で割り、空間を移動する人の速度成分であると考えます。この速度
vと光源0、移動後の場所Q、直角の場所Pの位置を決め、角度aを求めます。こうすれば
三角関数の式が空間にも当てはまります。

>時空は、実はミンコフスキー空間で、時空における長さはその世界線上の時間を意味す
>る、というのが、相対論における基本的な仮定なのです。もっと言うと、相対論では、
>時間を、時空における長さと定義するわけです。

相対論の時空における長さは、現実の3.5次元時空の何に当てはまるかを、説明できてい
ません。ですから、時空における長さを時間とするという定義は、現実世界にとって何
の意味もありません。

>   t
>   |        [図5]  【問3】ロケットが地球を出発し、1光年先の星まで行って
>4年+           戻ってきた。図5はその時空図です。ロケットが地球に戻
>   |*           ってきたとき、地球における経過時間は4年ですが、ロケ
>   | *          ットの経過時間はどうなっているでしょう?
>   |  *          ただし、加減速は図が示すように瞬時に行われたものとし
>   |   *  ←ロケット   ます。
>2年+    *   の世界線
>   |   *         ※ 1光年は光が1年かかって進む距離のことです。
>   |  *          つまり、1光年=光の速さ×1年
>   | *           c=1 の単位系においては、1光年=1年 ということ
>   |*           になります。
>   +----+------ x
>   O    1光年

1光年は距離を表します。1年は時間を表します。この2つを同じ単位の時間とすること
はできません。1光年=光速度×1年=距離 です。この式の意味をよくお考えください。

τ=(1−0.5^2 )^(1/2) ×4=0.866×4=3.46年=ロケットにおける経過時間
ロケットでは3.46年しか経過していません。しかしロケットが地球に戻ってくるのは4
年後です。これは宇宙船の時計が遅れることです。時間がゆっくり進むことではないの
です。
ロケットの時間がゆっくり進むなら、3.46年後にロケットは地球に到着しますが、地球
ではまだ到着していないのです。そして4年後には、ロケットに乗っていた人は地球到
着後4−3.46=0.54年経過しているのに、地球では今ロケットが着いたことになるので
す。このような説明から目を背けさせる方法が、ロケット搭乗員は3.46年だけ年取るが、
地球では4年も年をとるという説明です。この事が、なにを意味しているかお分かりに
なりますか?

ロケットの時計が遅れる場合
地球の時計  |−−−−−→4年  4年後にロケットは地球に到着します。
ロケットの時計|−−−−−→3.46年 しかしロケットの時計は遅れて3.46年の時刻
絶対時間の時計|−−−−−→4年  を示しています。

ロケットの時間が遅れる場合
地球の時間  |−−−−−→4年  地球側では4年後にロケットが到着します。
ロケットの時間|−−−−→3.46年  ロケット側では3.46年後に地球に着陸します。
絶対時間   |−−−−−→4年  時間が遅れる場合は、到着の時間差が生じます。

これで私は、相対性理論の考え方が理解できない理由がわかりました。3.5次元以上の世
界が見つけ出せないから、相対性理論の考え方が理解できないのです。私も早く第4軸を
探し出そうと思うのですが、手がかりが全くつかめないのです。位相幾何学とか言う学
問だと思いましたが、この学問では角度は変えてしまうし、直線は曲げてしまいますか
ら、第4軸を探す手がかりにはなりません。
相対論の考え方では、異なる単位(時間と長さ)さえも、お互いに変換できるとは、驚き
ました。現実世界に存在しないものが、相対論の考え方の世界では説明無しに仮定され
ていることにも驚いています。このように相対論は現実世界を超越しているから、自由
な解釈が可能になっているともいえます。私も早く超越した世界を理解したいと思って
います。でも私には、物理単位と空間の次元が壁となって立ちはだかり、相対論の世界
には入れそうにありません。

私は、あもん様の「相対論の考え方」を、とても楽しませていただきました。
ところで、皆様は、私のこの話をお楽しみいただけましたか。     gyo
先頭へ戻ります。
相対論の考え方[連載]3へ続きます