社説:大飯原発再稼働 理解に苦しむ政治判断

毎日新聞 2012年04月15日 02時31分(最終更新 04月15日 02時54分)

 その際には、他社からの電力融通や自家発電による電力の購入、揚水発電などをさらに工夫して増やせないか精査が必要だ。電力が不足するといっても、問題は真夏のピーク時だ。その間の電気料金を上げたり、節電すれば料金を割り引く仕組みを作るなど、ピークをカットするための政策も早急に導入してほしい。

 政府は「原発ゼロ」をいたずらに恐れるより、あらゆる手段を動員して電力不足を回避しつつ、万が一の停電に備えることが先決だ。

 枝野幸男経産相は14日、福井県知事やおおい町長に会い再稼働への理解を求めた。しかし、「地元」の概念は変わった。原発事故の影響がこれほど広範囲に及ぶ以上、立地自治体さえ了解すればいいというわけにいかない。京都府や滋賀県からも同意を得る必要がある。事故を前提とした防災計画など、大阪府市が求めている8条件ももっともだ。

 そもそも、再稼働の手続きが、原発の「安全神話」を醸成してきた組織と体制によって進められていること自体がおかしい。置き去りにされている政府の危機管理体制の構築を含め、新たな規制庁を設立してから判断するのが道理である。

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