"(3)電磁気学"で述べたようにコイルに磁石を近づけても磁石にコイルを近づけてもコイルに同じ電圧発生が現れる現象が マクスウェルの電磁論ではそれぞれ別々の理由で説明されるが、その本質はコイルと磁石の互いの相対速度にあるのではないか。
"(1)光と波動"で述べたように マイケルソン・モーレーの実験が示すように絶対空間に対する地球の運動によって生じるべき光の速度の差は見いだせない。
これらはいずれも宇宙空間の絶対的な基準は見いだせない事を意味する。
つまり、宇宙に絶対空間(エーテル)というものはないのだ。そして
"(2)ニュートン力学"の法則と同様、電磁気の法則や光学の法則など全ての物理法則は慣性系に対して常に同じ形で成立する。 と考えました。
これがアインシュタインの特殊相対性原理です。
そして更に光については真空中の光の速さは光源の運動とは関係なく一定という光速不変の原理と呼ぶ仮説を設けたのです。
ニュートン力学では2つの慣性系xyとx'y'の間にはガリレイ変換と呼ばれる
ガリレイ変換は線形変換であり、求める新たな変換も速さに依存する未知の係数kを用いて
で表されるものとする。 これは相対性原理より系が入れ替わった逆の立場てもx=k(x'+Vt)と同様に表わされる。 そしてどちらの系でも光速はcであるとする光速不変の原理より x=ct、x'=ct'を用いることによって、これらの式から
となる。最終的に新しい変換式
これは既にローレンツによって見い出されていた電磁理論の変換式そのもので、これはローレンツ変換呼ばれます。
ローレンツ変換は空間座標と時間変数とが混じった変換です。そこで 空間座標と時間座標を一緒にした時空という座標が考え出されました。 通常時間には変数tが、空間には変数x、y、zがそれぞれ用いられますが、 これらをx0、x1、x2、x3のように添え字を付けた形式で統一し、 そしてさらにこの添え字形式は一括してxμのように表わします。
さて、ニュートン力学では物体に作用する力Fと、その力によって影響を受ける物体の運動の変化は