2010.11.25日 
                         論 文

                       荷電粒子のスピン

                     スピン角運動量

                                                Masatoshi Mihara


T.序
 磁石の磁気力(吸引及び反発)は磁力線の方向で示され、磁力線の発生機構は電子のスピン角運動量によると説明されている。
一方、荷電粒子による静電気力は電気力線の方向で示されるが、その発生機構の理論的な説明は必ずしも十分ではない。
この発生メカニズムを説明するため、スピン角運動量とは別に”球スピン角運動量”なる量を導入し、電気力の生成過程を記述する。

U.スピン角運動量(L)
 電子のスピン角運動を図1に示す。正負電荷共、スピン角運動による磁極、磁力線の方向は同じである。
このとき発生する磁力線は、途中で断絶することなく連続し環状になっているのが特徴である。


図1

V.球スピン角運動量(SP)
 荷電粒子を球体と見做し、スピン角運動量以外に、球面スピン角運動量なる次の仮説を設ける。
 
 
仮説

 (1)  荷電粒子は球面スピン角運動量(SLをもつ
 (2)  電気力線は不連続な磁力線である


 
仮説(1)から、球体をなす荷電粒子の球には無数の微小スピンが存在する(図2)。
荷電粒子の組成自体には正負の区別はなく、球面スピンの方向で正負が生じる。
球面全体の総球面スピン角運動量は零(ゼロ)である。

 
 図2

 図3で、球体の中心をO()としこれに球対称の二つのスピンによる磁力線は、球体の中心Oで対峙し不連続となる。
故に、球面スピン角運動量により発生した磁力線は、仮説(2)から電気力線である。
互いに向き合った正、負電荷のスピンは、同じ方向であり互いに引き合い、同じ電荷が向き合えば逆に反発する。



図3

W.結論
 荷電粒子は一般にスピン角運動量(L)または、球スピン角運動量(SL)を持つ。
これ等スピンにより磁力線が発生するが、球スピン角運動量の磁力線は電気力線と呼ぶ。
いずれも、力(吸引、反発)のもとは電荷のスピンによる磁気力である。                                              

                                              以上