gyoのSF界、コリオリの力
目次へ戻ります。
コリオリの力は、回転している地表を気団などの物質が直進するときに働く
力です。
コリオリの力の説明は、回転円盤の上に、まっすぐに球を投入することで説
明されています。
円盤は反時計方向に回転しています。

  141312     121110     1098   円盤は反時計方向へ
 15 ← 11   13 ← 9   11 ← 7  回転しています。
16     10 14     8 12     6 この円盤上へ球を左
1A→  ↑9 15 →B ↑7 13↓  →C5 から右方向へ投げ入
2     8 16     6 14     4 れます。球はA→B
 3 → 7   1 → 5   15 → 3  →Cへ直線移動しま
  456     234     1612   す。

円盤上に乗っている観測者から見るとABCの経路は次のようになります。

  141312   観測者は円盤に乗っているので円盤と同じ反時計方向へ回
 15   11  転しています。このため観測者には円盤は静止しているよ
16     10 うに感じられます。
1A→B  9 この観測者が直線的に投げ入れられた球を見ると、球は進
2  ↓  8 行方向に向かって右方向へ曲がっていくように見えます。
 3 C 7
  456

このように、直線進行した物が、円盤上の観測者には、球が進行するにした
がって右方向へ曲がりながら進むことになります。

地球では、回転周期は1日になります。これは円盤の回転周期に相当します。

地球の北半球で地表を直線移動する気体は、すべて右方向へ曲がることにな
ります。

地球の北極を見下ろした位置で地球を見ると、地球は反時計方向に回転して
います。これを同方向に回転している円盤と見ることができます。

低気圧はその中心へと空気を吸い込む力があります。この力が吸い込まれる
空気に直線運動させる力になります。ところが、北半球ではコリオリの力が
働き、直線運動を進行方向に向かって右方向へ曲げる働きが生じます。
      ↓
 →    /
  \ ←
   ↓低↑
    → \
  /    ←
  ↑
北半球の低気圧は、空気を吸い込むときに、コリオリの力を受けて、反時計
方向に回転します。

高気圧は、その中心から空気を吐き出す力があります。この力は吐き出され
る空気に直線運動する力を与えます。ここでもコリオリの力が働き、空気の
直線運動を進行方向に対して右方向へ曲げる働きが生じます。
     →
↑   /
 \ ↑
  ←高→
   ↓ \
  /   ↓
 ←
北半球の高気圧は、空気を吐き出すときに、コリオリの力を受けて、時計方
向に回転します。

これらの低気圧と高気圧は地表付近での空気の回転方向を示しています。

低気圧は吸い込んだ空気を上空へ放出します。この空気の流れは、上空で拡
散される力を受けます。この力だけなら空気は直線的に拡散されます。しか
しこの直線的拡散もコリオリの力を受けます。このため上空で拡散される空
気は時計方向に回転することになります。

←←     →→低気圧の上空で放出される空気は時計方向に回転します。
  \   /
   |↑|
  /   \
→→  低  ←←地表の低気圧は反時計回転で空気を吸収します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高気圧は上空の空気を吸い込んで、地表に吹き出します。上空で空気を吸い
込む時は、空気はコリオリの力を受け反時計方向に回転しながら吸い込まれ
ます。

→→     ←←高気圧に上空から吸い込まれる空気は反時計回転をしま
  \   /  す。
   |↓|
  /   \
←←  高  →→高気圧は地表で空気を時計方向に回転させながら放出し
〜〜〜〜〜〜〜〜〜ます。

南半球では、低気圧が時計方向に回転しているのも同様な理由からです。

低気圧や高気圧は、気団と気団が異なる速度ですれ違うときに、乱流が生じ
時計回りの渦が高気圧になり、反時計回りの渦が低気圧になると私は考えま
す。高気圧は、上空の反時計回りの渦により集まり、これが下降気流となり
気圧を高めていると考えています。低気圧は上空の時計回りの渦が地表から
空気を吸い上げるため気圧が低下すると考えています。

気団と気団が異なる速度ですれ違うとき、この境界面ではお互いに混じりあ
います。この時に、高湿度の気団が低温の気団と混じり合うと雨が降ります。

(コリオリの力は、フーコーの振り子と同じ作用力です。)

高気圧も低気圧も、ともに、空気の移動エネルギーを気圧差によって与えま
す。この移動エネルギーとコリオリの力によって時計方向や反時計方向の回
転力を得ます。

しかし気象衛星の雲の動きを見ていると、雲を移動させる力がどのように生
じているのか説明できません。気圧差が雲を移動させるとは考えられません。

雲は前線上を移動していきます。しかし雲の進行方向に低気圧は存在しない
ので、雲が低気圧に引き寄せられているはずがありません。雲の後方にも高
気圧は存在せず、雲が高気圧に押されていることもありません。

しかし気団は風となって地表を移動しています。低気圧に引き寄せられるこ
ともなく、高気圧に押し出されることもなく、気団は移動しています。

気団を移動させる力は、低気圧や高気圧以外の力を考えなければなりません。

雲を移動させる力は、太陽の熱エネルギーや、人間が発生させる熱エネルギ
ーだと考えたほうがよいと思います。

熱エネルギーは空気に伝わります。この空気の温度は上昇します。

 ○○○ 熱せられた空気は体積が膨張するため比重が軽くなり上昇します。
 ↑↑↑
 ○○○
〜〜〜〜〜太陽光による砂漠の高温化や人間が発生する熱源

地表から上昇した高温気団は、地表の地球自転速度と同じ速度を持って上昇
します。地表は地球の自転により6千km×2π/24時間という速度を持
っています。これは円周分の長さ(半径×2×π)を1日(24時間)かけ
て地球は自転するからです。この速度は赤道上における速度です。
この速度は、高緯度になるに従い、地球の自転軸からの距離が短くなるので、
遅くなることは御理解いただけると思います。

この高温気団が地表から1km上昇すると、1km×2π/24時間という
速度で、地表に対して遅れます。2km上昇すると、2km×2π/24時
間という速度で、地表に対して遅れます。なぜなら上昇した高温気団は、地
球表面の自転速度と同じ速度を持っているからです。
(高温気団の上昇高度は、温度上昇や上昇中の熱伝導などを観測し、実測し
 て求めなければならないと思います。これは不可能かもしれません。)

           6000km×2π/24時間
           ↑
×←―6000km―→|←2km→○
地球の中心      地球の表面 上昇した高温気団

                 6002km×2π/24時間
                 ↑   この速さならば、地表から
×←――――――6002km――→○   2km上昇しても、地表と同
                     じ位置にいることができる。

しかし、上昇した高温気団は、地表の自転速度と同じ
6000km×2π/24時間 を持っていますが、これを
6002km×2π/24時間 に加速させることはできません。
このため上昇した高温気団は、地表に対して
 6002km×2π/24時間−6000km×2π/24時間
=2km×2π/24時間 の速度だけ遅れることになります。

自転速度に対する遅れは、上昇した高温気団が地表に対して東から西方向へ
2km×2π/24時間 の速度で移動することになります。

これは赤道上における速度です。赤道以外では、上昇した高温気団の地表に
対する速度(速度差)は、緯度によって決まります。


北極      /|
____ 2km/ |2km×sin a
 |  \ /  |
 |   \―――
 |  / \ 2km×cos a
6000km/   |
 |/a度  |
 ・−−−−−|赤道
地球の中心 地表

地表は、地球の自転軸に対して回転しています。2km上昇した高温気団は、
自転軸に垂直な面に対して 2km×cos a×2π/1周 ほど遅れることに
なります。
つまり北緯a度で2km上昇した高温気団は 2km×2π×cos a/24時間
の速度で、地表に対して東から西へ移動します。この式は sin a 方向の
影響を無視しています。でも地球の半径に対して上昇距離は小さいので、
無視してよいと考えています。

さらに 2km×2π×cos a/24時間 の速度は、上昇した高温気団を
赤道方向へ移動させる力を生み出します。

北極      /|
____ 2km/ |2km×sin a
 |  \ /  |
 |―――\―――
 |6000km \ 2km×cos a
 |×cos a  |
 |/a度  |
 ・−−−−−|赤道
   6000km
地球の中心  地表

上昇した高温気団の質量をmとします。北緯a度の地表から自転軸に垂直
な方向へ2km×cos a の位置に上昇した質量mの高温気団の速度は
2km×2π×cos a/24時間であり、また、自転軸からの距離は約
6000km×cos aです。

このため、上昇した高温気団は
   (2km×2π×cos a/24時間)^2
F=m×―――――――――――――――――――
    6000km×cos a
の力を受けます。

北極      F×cos a
____   /
 |  \ /
 |―――\――――→F
 |  / \\
 | /   |\
 |/a度  | F×sin a
 ・−−−−−|赤道
   6000km
地球の中心  地表

質量mに対して重力は地球の中心から働きます。したがってFの分力
F×cos aは、地球の引力により相殺されます。
もう1つの分力F×sin aは、質量mの高温気団を赤道方向へ移動させる力
になります。

質量mの高温気団が速度2km×2π×cos a/24時間で、東から西へ移動
します。
これにF×sin aの力が北極から赤道方向に向かって働きます。
これら2つは移動速度や力を持っています。高温気団はこれら2つの合成方
向へ高温気団を移動させます。このため高温気団は赤道上に集められ、東か
ら西方向へと移動することになります。

この様に考えると、気団を移動させる原因が明らかになります。
低気圧に引かれたり、高気圧に押されたりしなくても、上の2つの作用によ
り、気団は移動させられていると考えることができます。

このようにして、赤道上を東から西へと気団は流れます。この流れが海洋上
を流れるときは、流れを妨げるものがないため、赤道上を東から西へ流れま
す。しかし、列島や大陸がこの流れを妨げます。そしてこの流れは、北や南
へと分流していきます。これらの分流は、やがてエネルギー損失の少ない閉
回路を形作ります。

この閉回路は時計回りとなります。このため閉回路内は高気圧になります。
理由はコリオリの力を考えれば理解できます。

また閉回路が、高緯度の気流の流れを西から東へ流すことになります。

森林は太陽光線を吸収し樹体を作ります。このため太陽光線を受けた森林は
高温にはなりにくいのです。

しかし砂漠は太陽光線をほとんど熱に変えてしまいます。この熱が空気の温
度を上昇させ、また、気団を動かす力にもなります。

もちろん、人間が発生させる熱も、同様な働きをします。

これらが地球を温暖化させます。そして気団の動きの速度を加速します。

気団の加速は、地球の極地へも強風や温風を送り込みます。

そして激しい風や雨が土壌を侵食し、海へ流しだします。流しだされた土壌
は、海底に沈みます。海底に沈んだ土壌は海面を上昇させます。
容器の中に土を入れ、表面に凹凸をつけます。そして水を入れます。水面よ
り下の土には水をしっかり浸透させます。水面より上の部分は大陸と考えて
ください。水面部分は海です。この後、大陸部分の土を海の部分に沈めます。
すると海に沈めた土の量にしたがって、海面が上昇します。
海面上昇は、極地や高地の氷が融けて海に流れ込むために起きます。また、
土壌が海に沈み込むことでも起きます。

地球の温暖化を防ぐには、砂漠の緑化が大切だと分かっています。でも私に
は砂漠の緑化を実行できません。
日本の技術で、井戸掘りや、海水の淡水化、かんがい施設、育種技術、農薬、
肥料、農業技術、これらを計画的に組み合わせたら、砂漠を緑化できると思
います。でも、これを計画する能力も私にはありません。

お楽しみいただけましたか。
異常気象へ続きます。
先頭へ戻ります。