成長した企業は、もう銀行などの金融機関からお金を借りることは少なくなってきました。金融機関からお金を借りるよりも、企業内銀行を作り、社員のお金を預かり、企業自体の経営や、社員寮の経営などに当てています。このため、金融機関は、お金を貸すことができる成長した有料企業の数が少なくなっています。
そこで、金融機関は、小口の住宅ローンや、学資ローンに活路を見出しています。中には、高利貸し関係の闇金融につながる貸し出しも、表面的には分からないように貸し出しているようです。また、大型コンピュータを使い世界的に移動する投機マネーの会社に投資している金融機関もあるようです。
投機マネーの暗躍は、非常な危険性があります。投資マネーは、儲けられるときだけ投資し、儲からないとすぐに投機資金を引き上げてしまいます。引き上げられた国では、景気が急激に冷え込み、信用も失い、経済危機に陥ります。このような性質を持つ投機マネーに金融機関が資金を出し、利益を上げることは、投機された後、資金を引き上げられた国を経済不安に陥れ、経済の敗者にしてしまう危険を含んでいます。このような投機に金融機関は投資すべきではないと思います。
金融機関にお金を預ける人は、利息を目当てに預ける人が数年前は大勢いました。しかし経済が成長しきってくると、金融機関は支払う利息を得るのに、非常な苦労をしています。株を持っている金融機関は株価が上昇傾向にあったので利益を簡単に得られました。しかし、株の上昇傾向の神話は崩れ去りました。株は値下がりもします。株を資産とみなすことは、株の変動で資産が増減するという危険性を含んでいます。株の売買でなく、配当金の利益を計上するのが金融機関本来の姿だと思います。設立当初の企業への金融機関の投資は、企業株の買い入れということになります。配当金は、企業を成長させてくれた金融機関に対するお礼の意味があります。しかし、企業はいつまでも配当金を支払う義務はありません。企業の経営が軌道に乗れば、株はその企業が回収して、配当金を支払わなくてよい状態になる権利を国は認めてあげるべきです。これは、企業が資本家から独立し、企業経営に専心でき、さらに、競争力の増加にもなります。
このように、企業は金融機関から独立していきます。このため金融機関は成長し安定した企業から見放されていきます。この状態は、金融機関に新しい投資先を開発する必要性をもたらします。この新たな投資先に対して金融機関は、密接な関係と親切な指導をしていかなければならないことになります。これを怠ると、この新たな投資先が倒産し、投資資金を回収できなくなります。新たな投資先に対して金融機関はこのような危険が伴います。
本来お金というものは、生活上必要なものでした。昔の物々交換の時代よりもはるかに手軽に、お金で買い物という物々交換ができるようになりました。この本来のお金の姿に戻す努力がこれから生きていく人たちに求められるのではないでしょうか。お金そのものを儲ける道具にすることは、様々な害を招いてきたことを、人間は経験してきました。国際的な為替相場は意図的に特定国の経済を攻撃しました。後進国の森林を、先進国の資本が買い取っていく自然破壊をしてきました。（自然破壊しないためには、荒地や砂漠を植林し森林に成長させた後にこの材木を買い取るべきだと思います。）この害を防ぐために、投機は自粛し、お互いを思いやり、地球を思いやる投資を奨励すべきだと思います。
金融機関にお金を預けている人は、これからは預け賃を金融機関に支払うような心構えが必要だと思います。自分のお金を自分で安全に管理できないから金融機関に預けていると考えれば、金融機関は預け賃を徴収してもかまわないと思うのです。このようにすれば、金融機関は預金者のお金を危険を含む新たな投資先の世話をすることに専念でき、この努力を、金融機関の当事に与えることができます。これは金融機関にとってやりがいになります。また、投資の失敗に対する責任をとらせることにもなります。金融機関の投資の努力を預金者に横取りさせる今の制度は、金融機関に投資の意欲を低下させます。金融機関を援助するこのような制度を国が検討・発案すれば、新生企業も金融機関も活力が沸くと思うのです。
預金者の中には、金融機関に預け賃を支払うのがいやで、自宅でお金を管理する人が出てくるかもしれません。金融機関に預けたお金を、払い戻して、投資に回す人も出るかもしれません。おろしてきたお金を浪費する人がいるかもしれません。各自の判断で行われるこれらは、経済を活性化させるかもしれません。
お金が本来の姿に戻れば、地球資源を枯渇させるような動きをするビッグマネーが、暗躍することも少なくなるかもしれません。
今回も、だいぶ話があちこちに飛んでいます。あなたは、この話にもついてこれましたか。
もしこの文が100円か1000円か10000円くらい楽しめたと感じた方は
こちら
をクリックしてお支払いいただけたら、gyoはとても幸せを感じることができます。ご協力お願いします。