5日に釜山市海雲台区の住民自治センターを訪れた日本人たち(右側)がボランティアメンバーらからマンツーマンで韓国語を学んでいる。 |
「アンニョンハセヨ」。紺色のスーツを着た50代と30代の日本人の父子が民願旅券課ソ・ソンヨン氏につたない韓国語であいさつして近づいた。彼らはややぎこちない英語と韓国語を混ぜ、「ここで韓国語を無料で教えてくれるか」と尋ねた。ソ氏が「なぜ韓国語を学びたいのか」と問うと、50代の日本人は「日本が(地震のために)不安で、子どもや孫と安全な釜山に住みたい。その前に言葉を習いたい」と答えた。彼らは区庁の支援で水曜日に開かれている「外国人韓国語教室」を見学すると、「近くまた来て授業を聞きたい」と話して帰って行った。
昨年3月に東日本大震災が発生した後、不安感を覚えた日本人が釜山海雲台区に集まっている。転入届が増え不動産購入も増加した。日本と地理的に近く気候も似ている上に安全だという認識が高いためだ。
海雲台区によると、日本人の転入届は2009~2010年の5人から昨年は39人と大きく膨らんだ。今年も3月現在で24人が海雲台にやってきた。区庁の日本語通訳キム・ヨンス氏は、「今年初めから日本人の移住問い合わせが急激に増加している」と話した。
日本人の釜山地域の不動産取得も増え、昨年だけで19件増加した。テヨン公認仲介事務所のコ・ジェイル所長は、「今年に入って日本人が月2~3回程度3~4人ずつ組んでアパートを見にくる。投資目的よりも地震への不安のために不動産購入を考慮するケースが多い」と話した。
先月中旬には海雲台区佑洞(ウドン)に日本人海外移住を支援するロングステイ財団の韓国サロン(支援センター)までできた。日本政府の認可を受けたこの財団は海外移住を希望する日本人に各国のサロンで取りまとめた不動産などの移住情報を知らせる役割をしている。
このように日本人が集まるのは地震への不安が最大の理由だが、安い物価と多様な文化・休養施設も一役買っている。4年前に海雲台に来たサカイマユミさんは、「生活・文化施設がよく整っており便利だ」と紹介した。2週間ごとに取材のため釜山に来る旅行雑誌記者のモモイノリコさんは、「1億円(13億7000万ウォン)では東京で24坪のマンションしか買えないが、海雲台では50坪台を手に入れることができる」と話した。
海雲台区庁も日本人誘致を積極的に進めている。今年初めに外国人案内窓口に日本語通訳1人を新しく配置したほか、日本人に韓国語を教える韓国語教室も開いている。日本語が可能な病院や医院の確保も推進している。
区庁はまた、海雲台区佑洞マリンシティと左洞(チャドン)に日本人相談専門不動産仲介所3カ所を確保した。住商複合アパートとマンションが密集しており日本人の不動産購入の問い合わせが多い地域だ。海雲台区のペ・ドククァン区長は、「地震への不安感で日本人の海雲台移住が本格化するとみられ、多様な支援策を用意している」と話した。
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