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国際
中パ二正面作戦に黄信号 時代遅れの印軍 大戦当時の軍備も
2012.4.14 22:22
【ニューデリー=岩田智雄】インド軍の装備が必要とされている内容にはほど遠く、陸軍の防空設備にいたっては97%が時代遅れのものになっているとのビジェイ・クマール・シン陸軍参謀総長からマンモハン・シン首相に宛てた手紙の内容が暴露され、波紋を広げている。中国とパキスタンへの二正面作戦を可能にすることが軍の既定路線となっているだけに、防衛力への不安が高まっている。
地元メディアなどによると、海軍の潜水艦は30隻の必要数に対し9隻しか稼働していない。また、130万人の陸軍歩兵は第2次大戦当時の装備で、地上の防空設備は事実上ないに等しいほか、夜間射撃が可能なT90戦車については、インドでは十分な砲弾の生産態勢を整えていないという。
インド軍の備えは7割が対パキスタン、3割が対中国とされる。パキスタンは通常戦力でインドより劣るものの、中国は着々と軍備を増強している。インド軍は最近、原子力潜水艦を就航させ、中国の全域を射程内に収める長距離弾道ミサイルアグニ5(射程約5000キロ)の発射実験を「今月18~22日にも行う可能性がある」(インド軍筋)が、シン参謀総長は書簡で「国防のすべてのレベルにおいて切迫感を欠いている」と指摘した。
インドのシンクタンク、防衛研究所のウダイ・バスカル元所長は、「シン総参謀長の指摘は正しい。陸軍の弱点を非常に憂慮している」と話している。
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