国産材・真壁の家づくり
大量生産の大壁工法住宅
最近造られている在来木造住宅の大半は、柱や梁は見えない「大壁工法」の家。この〝構造体が見えない家〟はいまや日本の住宅の主流といっても過言ではありません。
在来木造住宅といいながら構造体にホワイトウッドの集成材を使っていては、家の基本である気候風土に適応しているとはいえません。この国の大半は高温多湿で、しかもシロアリの繁殖に適した風土。
高温多湿の日本の風土に適さず、しかもシロアリの餌になりやすく、耐久性に問題のある木材を石膏ボードとビニールクロスで包んでしまう。これでは、「短命住宅」を大量生産しているのと同じではないでしょうか。
「そんなこと言っても、予算があるのだから仕方ない」
「集成材は無垢材の一・五倍強いエンジニアリング・ウッドと説明する」
「白木で見た目が綺麗だから顧客も喜んでくれる」
「本物を使えば材料も職人の手間も高くなるし、工期も長くなる」
「家の決定権は主婦になっている。クロスは柄も豊富で見た目がいいし、いろいろなパターンを選べるから」
「女性は材木なんかよりも、夢のあるキッチンや設備に一番関心を抱いている」
「綺麗なクロス見本やカタログを見ながら選ぶことができるから、イメージが違うというクレームがないから」
「完成すれば材木はどうせ見えなくなるし、二十年も三十年も先のことを考えて造っていられない」
そういいたい気持ちも分かります。
今まで賃貸住宅やマンションで生活していた方にとって、本物の木は家の中にはありませんでした。
本物の木に触れる事のなかった人が家を造る場合、「家を造るのなら一戸建ての木造住宅がいい」と言っても、本物の木材かどうかあまり気にはされていないようです。
また、三十年近く前の木造住宅に住んでいた人にとって薄汚れた柱や梁の見える家ではなく、明るく綺麗な家に住みたいという反動があるのだと思います。
悲しい事に、本物の木材でなければ嫌だ、というこだわりを持っている方はほとんどいなくなりました。本物を見る機会が無かったのですから、それも致し方ないかも知れません。
だからこそ今、私たち造り手側がお客さまに本物の木材の良さを知ってもらう必要があるのです。
今のまま、こんな家造りを続けていけば、短命住宅の量産だけでなく、大切な山林の荒廃を止めることができなくなってしまいます。
同じ「大壁工法」の家を造るのであれば、シロアリに強く、耐久性もある国産の乾燥材を使う。そして、仕上げを健康に良い自然素材を使う。価格は高くはなっても、ハウスメーカーやローコスト住宅と差別化し、こだわりの工務店ならではの家づくりができるのではないでしょうか。
在来木造住宅といいながら構造体にホワイトウッドの集成材を使っていては、家の基本である気候風土に適応しているとはいえません。この国の大半は高温多湿で、しかもシロアリの繁殖に適した風土。
高温多湿の日本の風土に適さず、しかもシロアリの餌になりやすく、耐久性に問題のある木材を石膏ボードとビニールクロスで包んでしまう。これでは、「短命住宅」を大量生産しているのと同じではないでしょうか。
「そんなこと言っても、予算があるのだから仕方ない」
「集成材は無垢材の一・五倍強いエンジニアリング・ウッドと説明する」
「白木で見た目が綺麗だから顧客も喜んでくれる」
「本物を使えば材料も職人の手間も高くなるし、工期も長くなる」
「家の決定権は主婦になっている。クロスは柄も豊富で見た目がいいし、いろいろなパターンを選べるから」
「女性は材木なんかよりも、夢のあるキッチンや設備に一番関心を抱いている」
「綺麗なクロス見本やカタログを見ながら選ぶことができるから、イメージが違うというクレームがないから」
「完成すれば材木はどうせ見えなくなるし、二十年も三十年も先のことを考えて造っていられない」
そういいたい気持ちも分かります。
今まで賃貸住宅やマンションで生活していた方にとって、本物の木は家の中にはありませんでした。
本物の木に触れる事のなかった人が家を造る場合、「家を造るのなら一戸建ての木造住宅がいい」と言っても、本物の木材かどうかあまり気にはされていないようです。
また、三十年近く前の木造住宅に住んでいた人にとって薄汚れた柱や梁の見える家ではなく、明るく綺麗な家に住みたいという反動があるのだと思います。
だからこそ今、私たち造り手側がお客さまに本物の木材の良さを知ってもらう必要があるのです。
今のまま、こんな家造りを続けていけば、短命住宅の量産だけでなく、大切な山林の荒廃を止めることができなくなってしまいます。
同じ「大壁工法」の家を造るのであれば、シロアリに強く、耐久性もある国産の乾燥材を使う。そして、仕上げを健康に良い自然素材を使う。価格は高くはなっても、ハウスメーカーやローコスト住宅と差別化し、こだわりの工務店ならではの家づくりができるのではないでしょうか。
太い梁と柱の真壁工法の家
あなたが造る家を一度見直してみてください。
必ずしも伝統工法の家造りを薦めているわけではありません。効率が悪く、ビジネスとして成立させることはできないからです。そもそも昔と違って、基礎も違えば構造材も違う。時間がゆったりと流れていた時代ならいざ知らず、現代の家造りに向いているとは思えません。
ビジネスとして成立させながら、長寿命の家を造る最低条件とは、「日本の気候風土で育った材木を使って建てること」。
「別に国産材でなくても寿命の永い家は造れる」と言われる方もいるでしょう。
「木材の見える家は好みではない」と思う方もおられます。
「いい家」とは何なのかは、人によってさまざまな基準があり、木材が露出しすぎる家は好みではない人も多いです。
しかし、柱と梁の見せ方やいくらでも工夫することができるはずですし、「太い梁と柱」だけは家の中に現れる「真壁工法」の家が、寿命の長い資産価値のある家造りにつながるのは確かではないでしょうか。
家を支える構造材が本物であれば隠す必要などまったくありません。
太い柱と梁を見せる家造りをすれば、内装にも本物の無垢の木を使い、塗り壁も自然素材になります。
なぜなら、この家にビニールクロスは不釣合いの素材だからです。
また、木には温もりがあります。これは新建材や工業製品では感じられない生きた木材の特徴です。
新建材は造られたときが一番美しく、時間の経過とともに色あせて行きます。
しかし木材はその時間の変化がより深い味わいとなっていきます。
本物志向の今、このようなことを理解している人たちから国産材の家が求められているのです。
- 構造は木造ですか?
- その木材は、集成材ですか?無垢材ですか?
- 無垢材であれば、国産材ですか?外国産材ですか?
- 国産材なら土台と柱と梁にはどんな材種を使っていますか?
- その産地は主にどこですか?
- 主要構造部に使う柱や梁の太さはどうですか?
- 大切な梁は強度の証明がされていますか?
- 木材の乾燥はどのようにしていますか?自然乾燥それとも人工乾燥?
- 乾燥率は平均何パーセントですか?
- 構造材が内部に露出する「真壁の家」ですか?それとも隠れてしまう「大壁の家」ですか?
ビジネスとして成立させながら、長寿命の家を造る最低条件とは、「日本の気候風土で育った材木を使って建てること」。
「別に国産材でなくても寿命の永い家は造れる」と言われる方もいるでしょう。
「木材の見える家は好みではない」と思う方もおられます。
「いい家」とは何なのかは、人によってさまざまな基準があり、木材が露出しすぎる家は好みではない人も多いです。
しかし、柱と梁の見せ方やいくらでも工夫することができるはずですし、「太い梁と柱」だけは家の中に現れる「真壁工法」の家が、寿命の長い資産価値のある家造りにつながるのは確かではないでしょうか。
家を支える構造材が本物であれば隠す必要などまったくありません。
太い柱と梁を見せる家造りをすれば、内装にも本物の無垢の木を使い、塗り壁も自然素材になります。
なぜなら、この家にビニールクロスは不釣合いの素材だからです。
また、木には温もりがあります。これは新建材や工業製品では感じられない生きた木材の特徴です。
新建材は造られたときが一番美しく、時間の経過とともに色あせて行きます。
しかし木材はその時間の変化がより深い味わいとなっていきます。
本物志向の今、このようなことを理解している人たちから国産材の家が求められているのです。
「国産材を使わない理由」
国産材を使わない方がおっしゃる理由に「価格が高いから・・・」があります。
しかしこれは国産材を使わない理由にはなりません。
例えば、杉材の原木価格は四十年前とほぼ同じだといわれています。
この間に私たちの所得は何倍になっていると思いますか?ほぼ二十倍です。
問題になっている山林の荒廃の原因は、このあまりにも安すぎる原木価格にあります。この価格では森林の手入れどころか伐採すると赤字になってしまうのです。
また本物の木材には夏の冷房、冬の暖房によって起こる床材の隙間や構造材の収縮や膨張という問題があります。
内部に使われる木材はもちろん、隠れてしまう構造材も影響されます。
その影響が、内外の壁仕上げのひび割れになって現れてくる。これがイヤで国産材で造ることを躊躇してしまう、というのが、本音だと思います。
お客さまに国産材の問題点を話すと、多く方はそれならば集成材のほうが・・・と集成材を選択してしまいます。
無垢材の一・五倍の強度を持つと工務店や建築会社に言われ、「エンジニアリング・ウッド」などとかっこいい名前で言われたらむしろそちらを積極的に選択するでしょう。
しかし、高温多湿な風土とシロアリがいるこの国に適しているかと疑問を投げかけられたのなら、あなたの説明も顧客の選択も違ってくるのではないでしょうか。
今造られている「大壁工法」――木材を見せない造りの家の多くは、内装仕上げ材も新建材のビニールクロスや張り合わせた床材を使い建てられています。木造住宅とは言いながら、本物の木に日常触れることもない家を、在来木造などと呼んでいいのでしょうか?
しかしこれは国産材を使わない理由にはなりません。
この間に私たちの所得は何倍になっていると思いますか?ほぼ二十倍です。
問題になっている山林の荒廃の原因は、このあまりにも安すぎる原木価格にあります。この価格では森林の手入れどころか伐採すると赤字になってしまうのです。
また本物の木材には夏の冷房、冬の暖房によって起こる床材の隙間や構造材の収縮や膨張という問題があります。
内部に使われる木材はもちろん、隠れてしまう構造材も影響されます。
その影響が、内外の壁仕上げのひび割れになって現れてくる。これがイヤで国産材で造ることを躊躇してしまう、というのが、本音だと思います。
お客さまに国産材の問題点を話すと、多く方はそれならば集成材のほうが・・・と集成材を選択してしまいます。
無垢材の一・五倍の強度を持つと工務店や建築会社に言われ、「エンジニアリング・ウッド」などとかっこいい名前で言われたらむしろそちらを積極的に選択するでしょう。
しかし、高温多湿な風土とシロアリがいるこの国に適しているかと疑問を投げかけられたのなら、あなたの説明も顧客の選択も違ってくるのではないでしょうか。
今造られている「大壁工法」――木材を見せない造りの家の多くは、内装仕上げ材も新建材のビニールクロスや張り合わせた床材を使い建てられています。木造住宅とは言いながら、本物の木に日常触れることもない家を、在来木造などと呼んでいいのでしょうか?
「中目材」の活用法
その山で働く人たちの年齢も木材と同じように高齢化して、山林従事者の若返りが必要になっています。若い人が山で働くことがほとんどないため、ますます産地の荒廃が進むのです。
日本の山林にある針葉樹は、ほとんど柱と梁の構造材に製材されていきます。ところが、杉やヒノキのように主に柱として使用するとなると、年を経て大きくなってしまった大樹は、柱材に加工するとしたら採算性が合わなくなります。
その理由もあって、林産地では、ヒノキは伐採されても、杉は伐採されないまま放置されています。そして必要な間伐もできず山林が荒れているのです。このような大樹は、今問題となっている地球温暖化問題のCO2の蓄積は、今後多くは望めません。新しく植樹をして、山林を循環させてはじめて、温暖化防止に貢献できるのです。
特に今後、ますます材積の増大が見込まれるのは杉の「中目材」です。この新たな活用方法を考えることが、日本の林業の命運を担うことになります。
中目材とは・・・
この区分は地域によって微妙に違いがあり、一定ではないですが、杉は主に柱材として利用されることが多く、梁に使用されることはまれ。日本の建築用製材品の出荷量の四割以上が柱などに使われ、このためにほとんどの製材産地では、柱材に偏った生産がされています。
このため、柱材に適した寸法よりも大きい「中目材」や柱材に適さない小径材の利用が十分図られていません。
中目材は丸太全体に占める材積割合が約六割と大きく、その利用が全国的に課題となっています。
不況業種とも言われる建築業界で、最も疲弊しているといってもよいのが、川上側にあたる「日本の山林」と「製材業界」です。伐採されないまま放置された森林、毎年五百社も倒産廃業している製材業者、この姿を見る限り国産材の復権など期待することはできません。
乾燥材について
日本各地には建築に優れた木材があり、常識的に世界中から木を輸入しなければならない理由はありません。
しかし、国産材の信頼がないために現状はますます外材を使った家造りに進んでいます。
国産材を使った家造りのためには、なによりも国産木材の信頼を構築することが大切で、住宅に使用する木材は、ますます品質、性能が確かなものへとシフトしている中で、乾燥材への需要が高まっていますが、国産材の人工乾燥材の割合は、現在二割程度と低い水準です。
昔は、住宅建築の工期が長く、その間に木材の乾燥が進むことや、未乾燥材でも材の性質を熟知した建築技能者が多く熟練した技術で施工していたことから、製材工場が未乾燥材を出荷しても問題は少なかったのです。
「葉枯らし乾燥」「製材後に自然乾燥」させ出荷、材木屋で売れるまで乾燥させ、工務店の木材在庫として下小屋で刻まれるまで乾燥させる。しかも、建築現場では、上棟後に屋根葺き(主に瓦)後、三ヶ月も時間をかけて乾燥させた上で、金物の締め直しや、柱の直角を直していました。
しかし一般的には、人工乾燥機による乾燥が主流。それでも二割しかありません。
今では、施工期間も短く、しかも施工後、冷暖房設備によって住宅の中が昔に比べて過度に乾燥するため、完成後の寸法の変化、割れなどが、ますます発生しやすくなっています。このような情況を木材産地は当然知っています。
ですが、人工乾燥には膨大な設備投資が必要なため、わかっていてもできないのです。
しかし、信頼される乾燥材の出荷をしない限り、どんなに森林を守るとか、国産の無垢材が良いといっても、建築業者も国産材の使用を控えてしまい、需要が伸びることはありません。
誰だってクレームを少しでも減らしたいし、「割れ」「ねじれ」「反り」など、未乾燥材によって引き起こされる現象を、「無垢材だから仕方がない」とあなたが割り切れたとしても、現実にはクレームになります。
内部の床や壁に使う仕上げ材なら、一部を交換することもできますが、柱や梁となるとそうはいきません。
構造材を隠してしまう「大壁工法」ならば、外壁の表面の割れや内部仕上げ材のひび割れとして現れる程度で、大きなクレームになりにくく、これは造る側にとっての魅力です。
それに比べ柱や梁を内部に現す「真壁工法」は、柱や梁そのものが大きく割れ、ヒビが発生します。多少の割れやヒビなら気にもなりませんが、大きな割れが発生すればクレームになる可能性があります。
建築会社の立場としては、これらのクレームからは解放されたい。だから無難な集成材を使ってしまうのです。
「国産材が高い」、だから使えないのではなく、使いたくないから使わないだけなのです。
これでは、国や県、大学の先生がどんなに努力しても、使う側が避けている限り、国産材が普及することはないでしょう。
この認識ギャップを解消するには、無垢材の持つ欠点――割れる・反るなどを解消する木材乾燥は絶対的な条件なのです。
併せて、表示寸法の安定確保・品質・性能を明示し、在庫と流通を安定させる仕組みが必要になってきます。
しかし、国産材の信頼がないために現状はますます外材を使った家造りに進んでいます。
国産材を使った家造りのためには、なによりも国産木材の信頼を構築することが大切で、住宅に使用する木材は、ますます品質、性能が確かなものへとシフトしている中で、乾燥材への需要が高まっていますが、国産材の人工乾燥材の割合は、現在二割程度と低い水準です。
「葉枯らし乾燥」「製材後に自然乾燥」させ出荷、材木屋で売れるまで乾燥させ、工務店の木材在庫として下小屋で刻まれるまで乾燥させる。しかも、建築現場では、上棟後に屋根葺き(主に瓦)後、三ヶ月も時間をかけて乾燥させた上で、金物の締め直しや、柱の直角を直していました。
しかし一般的には、人工乾燥機による乾燥が主流。それでも二割しかありません。
ですが、人工乾燥には膨大な設備投資が必要なため、わかっていてもできないのです。
しかし、信頼される乾燥材の出荷をしない限り、どんなに森林を守るとか、国産の無垢材が良いといっても、建築業者も国産材の使用を控えてしまい、需要が伸びることはありません。
誰だってクレームを少しでも減らしたいし、「割れ」「ねじれ」「反り」など、未乾燥材によって引き起こされる現象を、「無垢材だから仕方がない」とあなたが割り切れたとしても、現実にはクレームになります。
内部の床や壁に使う仕上げ材なら、一部を交換することもできますが、柱や梁となるとそうはいきません。
構造材を隠してしまう「大壁工法」ならば、外壁の表面の割れや内部仕上げ材のひび割れとして現れる程度で、大きなクレームになりにくく、これは造る側にとっての魅力です。
それに比べ柱や梁を内部に現す「真壁工法」は、柱や梁そのものが大きく割れ、ヒビが発生します。多少の割れやヒビなら気にもなりませんが、大きな割れが発生すればクレームになる可能性があります。
建築会社の立場としては、これらのクレームからは解放されたい。だから無難な集成材を使ってしまうのです。
「国産材が高い」、だから使えないのではなく、使いたくないから使わないだけなのです。
これでは、国や県、大学の先生がどんなに努力しても、使う側が避けている限り、国産材が普及することはないでしょう。
この認識ギャップを解消するには、無垢材の持つ欠点――割れる・反るなどを解消する木材乾燥は絶対的な条件なのです。
併せて、表示寸法の安定確保・品質・性能を明示し、在庫と流通を安定させる仕組みが必要になってきます。