北朝鮮の国営ラジオが、ニュースで金正恩(キム・ジョンウン)氏の肩書を間違えた。同氏のポストがころころ変わるなかでの単純ミスとみられるが、完璧な放送を求められる北朝鮮では珍しい。
ラヂオプレス(RP)によると、朝鮮中央放送と平壌放送は13日夕、故金日成(キム・イルソン)主席と故金正日(キム・ジョンイル)総書記の銅像の除幕式を実況。式に出た正恩氏を「国防委員会第1委員長」というべきなのに、誤って「国防委員長」と紹介した。国防委員長は昨年末に死去した金総書記の肩書。両放送は夜のニュースで正しく伝えたが、ミスには言及しなかった。
朝鮮中央放送では1995年、前年に死去した金主席と金総書記を混同して「金正日同志が逝去してから」と伝えた女性アナウンサーがその後、登場しなくなった。平壌放送も翌年、「金正日同志の逝去した日」と放送してしまった。この時はミスを取りあげた韓国メディアに対し、「愚か極まりないでっちあげ」と認めなかった。(ソウル=広島敦史)