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【社会】

マナカとトイカ相互利用 21日スタート 

2012年4月14日 15時00分

マナカ(左上)とトイカ(右上)。下の2枚は相互利用開始を記念するそれぞれの特別版で、21日発売

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 名古屋鉄道と名古屋市営地下鉄など7交通機関のICカード乗車券manaca(マナカ)とJR東海のTOICA(トイカ)の相互利用が21日、始まる。いずれか1枚のカードで東海地方の主な鉄道やバスを自由に乗り降りできるサービス。利用者の生活スタイル次第で、どちらか1枚を選べる。

 「2つのカードの基本サービスには大きな差がなくなる」と名古屋市交通局。マナカでもJR東海の在来線の自動改札機を通過でき、トイカでも名鉄や地下鉄に乗れる。カードの残高が少なくなれば、JR駅でマナカ、地下鉄駅でトイカに金を補てんすることも可能だ。

 ただ「マナカにはマイレージポイントがある」と売り込むのは、名鉄事業推進部の森下喬さん(30)。名鉄系と名古屋市の交通機関の利用金額と利用回数に応じ、運賃の2〜30%が翌月以降に還元される割引制度だ。相互利用が始まっても、この特典はトイカには一切適用されない。森下さんは「乗れば乗るほどお得なのがマナカ」と強調する。

 一方、トイカには独自の割引制度もない。JR東海は「ICカード乗車券はお客さまにキャッシュレスで便利に鉄道に乗っていただくサービス。同じ区間に何度も繰り返し乗っていただくから割引がある回数券とは趣旨が異なる」としている。

 トイカの強みは、JR東日本のSuica(スイカ)やJR西日本のICOCA(イコカ)、JR九州のSUGOCA(スゴカ)と既に相互利用が軌道に乗っていること。来年春からマナカも含めた全国10種類のICカード乗車券の相互利用が始まるが、それまでマナカでは東海地方以外のJRや私鉄に乗り降りできない。

 JR東海エクスプレス推進部の中野久司さん(36)は「旅行や出張で東京や大阪、九州に行く人はトイカの方が便利」と説明する。

 トイカやマナカも、それぞれの加盟店で現金無しで買い物ができる。トイカはJR東日本などと連携。JR東海管内の加盟店はセブン−イレブンやローソンなど6300軒だが、首都圏で圧倒的に普及しているスイカの加盟店を含めれば全国14万5千軒で電子マネーとして使える。

 かたやマナカには「たまルン」というポイント制度がある。インターネットで事前に入会手続きをすれば、名鉄百貨店、サークルKサンクスとファミリーマートの一部など愛知、岐阜両県の加盟店3千軒で、200円ごとに1円分が次の買い物や交通機関の支払いにあてられる。

 このサービスが楽しめるのは、名鉄系の駅やバスセンターで買ったマナカだけ。名古屋市営地下鉄と市バス、あおなみ線、ゆとりーとラインで購入したマナカは適用されない。

 便利さを享受できない人たちもいる。名古屋市交通局の料金割引制度が適用される障害者だ。もともと名古屋市側の割引用マナカが名鉄の駅の自動改札機で使えない不便があり、今回の相互利用開始でも改善されなかった。地下鉄や市バスと名鉄、JRを乗り継ぐためには、2枚のカードを持ち歩かなければならない状態が続く。

 名古屋市交通局は「名鉄と市の障害者割引が異なり、自動改札機でその違いを読み取るのが技術的に難しい」と釈明。同市昭和区の障害者施設「AJU自立の家」の山田昭義専務理事(69)は「手が不自由な人もいる。ハンディのある人にさらにハンディを課すのはおかしい」と改善を求めている。

(中日新聞)

 

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