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夜の渋谷とギャル男
俺達は渋谷に着いた。
とりあえず米倉さんに電話する。
「今、渋谷着いたんすけどドコ行けばいいんですか?」
「おぉ、早いな。とりあえず誰か迎えに行かせるわ」
そんなやり取りのあと俺達は西武の前で待つことになった。

しばらくすると、キョロキョロと辺りを見渡す顔グロのギャル男が現れた。
多分俺の事を探してるんだと思ったけど、確信がないのでそのまま様子見ることにした。
万一間違えた時に揉めるのも面倒だし、こっちは女連れだし…、って思ったときに気が付いた。
そーいえば、瞳ちゃん連れていく事を伝えるのを忘れてた。
ギャル男はそれで話しかけて来ないんだと思いこっちから声かけた。
「あの~、もしかして米倉さんの知り合いですか?」
「え?あ、君たちがそーなの?」
外見とは裏腹に気さくな口調だった。
「すいません、連れがいるって伝えなかったんで…」
俺がそう言うと、瞳ちゃんもペコリと頭を下げた。
「あ、こっちこそ気づかずにごめんね~。ははっ、可愛い彼女じゃん」
俺が否定する間もなく、
「じゃ、ついてきてね~」
と言いながらギャル男はスタスタと歩いていく。
慌ててバイクを押しながら後を追った。

途中、瞳ちゃんが
「ねぇねぇ、彼女だって。どうする?」
と小悪魔のような笑みで聞いてきたので
「あ、ゴメンね。何か言いそびれた」
って謝った。
「どうする?このまま付き合っちゃう?私は別にいいよ、忍くんチワワみたいで可愛いし」
完全に悪のりしてる目でこっちを見てくる。
「ん~…、ないな」
…ちくしょう、メッチャすね蹴られたぞ。
そんなやり取りをしながらついていく最中も、ギャル男はすれ違う女の子に知り合いがいるようで挨拶しながら歩いていた。
そんな様子を見ていた瞳ちゃんが「あっ!」と何かを思い出したような声をあげ、
「あの人、有名なサークルの代表だ。この間、イベント誘われて行ったときステージで挨拶してたもん」
と教えてくれた。
俺は
「ふーん、そうなんだ…」
独り言のように呟き、前に米倉さんに言われたサークル入りの話を思い出しちょっと落ち込んだ。

タワーレコードの脇を抜け、少し坂を上り、細い小道に入ったところでハーレーがいっぱいおいてあるバイク屋に着いた。
「二階にみんないるから、バイクその辺に突っ込んで上がってきなね」
と言ってギャル男は一人でさっさと行ってしまう。
俺は置いてある高級そうなバイクを傷付けないように慎重に置いてから、二階に上がった。
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