第12話『ワン・ナイト・スタンド』(2002/03/26放送)
原作小説「疾るワン・ナイト・スタンド」256ページくらい〜330ページくらい
宗介達がどうにか船から脱出した時に見たのは、巨大な「手」に掴まれたマオの機体だった。圧倒的な力でマオの機体は握りつぶされ、駆けつけた自衛隊のASすら子供扱い。
<ベヘモス>とは、通常の何倍もの大きさのASだったのだ。その場から逃げる一行。もちろん<ベヘモス>は追ってくる。この事態を防げなかった自分の甘さを呪うテッサ。しかし宗介の言葉で自分の立場を思い出し、反撃の指示を出す。マデュ−カスの独断が功を奏し、10分ほどで<アーバレスト>との合流が可能となる。その間<ベヘモス>を引きつけるため、湾岸をひた走る。
どうにか弾道ミサイルが間に合い<アーバレスト>の入ったカプセルが落下してくるが<ベヘモス>の機関砲に撃たれてしまう。そこで宗介は車から飛び下り、運転をかなめに任せて自分はカプセルの元に向かう。しかし、やっと見つけたカプセルの手動開閉レバーが床側にあって開く事ができない!
その間にも逃げ回るトラック。ついに展示場内部に逃げ込むが、そこで軽トラックは動かなくなってしまった。絶体絶命のかなめ達を助けたのは、どうにか<アーバレスト>に乗り込んだ宗介だった。
8メートルVS80メートルの闘い。宗介は善戦するもまるで相手にならない。分厚い装甲に加えて未知の<ラムダ・ドライバ>に守られた<ベヘモス>を倒す手段はないかに思われた。しかし、そこでかなめを襲う「囁き声」。二ヶ月前のあの時と同じものだ。そこからヒントを見つけたかなめはそれを宗介に伝える。そして、宗介もあの時と同じくかなめを信じた時、<アーバレスト>の<ラムダ・ドライバ>が起動し、発砲!
<ラムダ・ドライバ>を破壊された<ベヘモス>は自壊。被害は大きかったものの、ようやく事件は解決した。朝焼けの中、皆をねぎらうテッサ。そして同時にかなめに「ライバル」宣言をしたのだった。
「わたしね……彼の事が、好きになったみたいです」と。


いよいよ「ワン・ナイト・スタンド」編最終回。のっけからポンポンと飛ばします。
クルツの運転でどうにか船を脱出した一行ですが、カリーニンさんを心配するテッサに「世界が終わっても、あのおっさんは死にはしませんよ!」とクルツが言ってくれます。どうもこいつらは心配させまいとして言うセリフが乱暴です。
前回ラストで掴まれたマオの機体。逃げるどころか自分がどうなったのかもさっぱり判らないまま握り潰されてしまいます。そして、駆けつけた陸上自衛隊のASもアッサリと蹴散らし<ベヘモス>は「向かう所敵なし」状態。
それを見たテッサは「わたしがあの時タクマを殺してさえいれば……」と、今までにないくらいの激しい後悔。
どんな非情な選択肢であろうとも「ミスリル」と「テッサ」の性格を考えると「したくともできない」選択。そうするのが確実とわかっていても「やってはいけない」選択。軍や警察に属している以上誰もが体験するジレンマです。
軍や警察は犯罪の「抑止力」はあっても、まだ何もしていない者「何かしそう」というだけの人には何もする事ができませんから。
原作では「作戦を立て」「指示を出し」「車に乗って逃げる」という展開なのですが、アニメでは先に車に乗って逃げ、その間に作戦を立てて指示を出しています。確かにこの方が切羽詰まった感が出ていていいですね。
逃走中<ベヘモス>の機関砲で破壊されたものが車に次々とぶつかり車体も窓ガラスもボロボロになっていきます。ヒビが入って前が見えなくなったフロントガラスを拳銃で叩き割りながら運転する宗介。助手席ではかなめが足でフロントガラスを蹴り割ってます(この時にかなめのパンツが丸見え状態だったのは、目を瞑っておきましょう)。
同時に「大佐殿。ご指示を」と言っています。別に宗介に作戦立案の頭がない訳ではありませんが、上官がいる場合はまずその指示に従うという軍人の行動理念です。同時に上官は部下の前では毅然としなければならないんですが、その辺は「テッサ」ですから(笑)。
そこでようやく自分の立場に気づいて<トゥアハー・デ・ダナン>へ連絡をとるテッサ。しかし<デ・ダナン>とは距離が離れ過ぎていて手段がない。
そこにマデュ−カスさんの「<アーバレスト>を積んだ弾道ミサイルを三分以内に射出できるようにしてあります」という言葉。たとえ良いと思った事でも、命令された事以外をやったため処罰覚悟の行動だったが、この判断が事態を救う事になる。さすがベテラン軍人。「先読み」の力は、指揮官には必要ですね。
でも、緊急事態にもかかわらず、妙にマデューカスさんの口調がゆったりで淡々としてるんですよね。緊急感まるでナシ。
周囲を見回しながら投下ポイントを探すテッサ。色々必要な条件を頭の中で検討する。結局見つけたのは「逆さピラミッド」で有名(?)な「東京ビッグサイト」。アニメでは名称は言ってませんでしたがね。
改めてそこへ向けてトラックを走らせる。しかし<ベヘモス>の普通の1歩が何十メートルもある。全速力で車を走らせていてもあっという間に追いつかれてしまう。おまけに頭部の機関砲でガンガン狙われてます。いくら前回「パトカーが追いつけなかった軽トラック(笑)」といえども相手が悪すぎます。
そこでクルツが「野郎にカマしてやる!」とライフルを構えます。宗介はクルツの指示通り同じスピードで一直線に走らせます。
じっくり狙って引き金を引く! 弾丸は見事に機関砲の砲口に飛び込んで誘爆を起こし、機関砲を半分破壊します。
ここでよく見れば判るんですが、クルツのスコープに入っていたのは<ベヘモス>右下部の機関砲の砲口。しかし実際に弾丸が飛び込んだのは右上部の機関砲の砲口。……これって俗にいう「結果オーライ」ってヤツなんでしょうか??

一方。カリーニンさんはセイナさんに助けられます。前回船の中で色々あった時に、崩れてきた鉄骨からカリーニンをかばって背中を強打。にもかかわらず、その身体で大人1人担いで岸まで泳ぎきります。
……体力を考慮すると並じゃございません。さすが鍛えられてる戦士です(おいおい)。
このシーンは、それと<ベヘモス>の詳細を語った以外は原作通りです。更にイラストと酷似のカット割りもありましたし。
ちなみにカリーニンさんのフルネーム「アンドレイ・セルゲイビッチ・カリーニン」
「アンドレイ」は名前。「カリーニン」は苗字。っていうのは判ると思いますが、「セルゲイビッチ」というのはロシア独特のもので、父親の名前から自然に派生する「父称」というものです。「〜の子供」という意味あいになるでしょうか。
ちなみに「女神の来日」で、宗介がカリーニンの事を「アンドレイ・セルゲイビッチ」と呼んでますけど、目上の人に敬意をこめて呼びかける時や、年配の人の間ではこう呼ぶ時もあります。これだけで敬意や親近感のこもった呼びかけになるそうです。閑話休題。
そこで脱出に成功していたマオが合流します。あの状態でも生きているとは、さすがにしぶとい歴戦の戦士。

宗介達は相変わらず車で青海から東京ビッグサイトへ車を走らせてます。実際には3キロほどしかないので何もないなら四、五分もあれば着いちゃいますけどね。
もう一回攻撃したくても攻撃をかわすために動き回るのでそうもいかない。
そこにASが入ったカプセルがパラシュートでゆらゆらと落下してきます。グレーですが夜空では丸見えです。少しくらいは保護色とか考えなかったんでしょうかね??
案の定カプセルが撃ち落とされます。そのままカプセルは「逆さピラミッド」の部分に落下。
それを見た宗介はかなめに車の運転を任せて自分は飛び下ります。しかし運転席は宗介。助手席にかなめ。その間にテッサという感じで座っていた(クルツはトラックの荷台)んですが、その位置を考えると、やっぱりテッサは車の運転は出来なさそうです。
下手でも運転が可能ならば、運転経験ないかなめより下手なテッサにお願いすると思うんですよね、多分。実際かなめが「見てられない」とばかりに割り込んでるし。
狭い車内でどうにか位置を入れ代わり、車を走らせるかなめ。止まったら最後のこの状況。「ったく、知らないわよ!」と吐き捨ててアクセル踏みつけて、疾走。確かにオートマならば、小学生でも運転可能なくらい簡単らしいですけどね。

その頃宗介くんはカプセルの元へ。開閉レバーが床に接しているために開かない! 手持ちの手榴弾を爆破させ、その衝撃で動かしてみようとしたけれど、それもダメ。
そんな状況でクルツが「早くしろ」と無線でせっついてます。が、開かない事を聞くと「つまり卵の殻を割れないって事か!? バカヤロー! スクランブルエッグにされたらお前のせいだ! 子々孫々まで呪ってやる!」と毒づいてます。
……まぁ、宗介なら子供は期待できるかな。自覚はないが相手候補はいる訳だし(笑)。
ビッグサイトの展示場のシャッターを突き破った軽トラック。そこでついにトラックも寿命を迎えたらしく、動かなくなってしまいます。だけどあのシャッター。確か重さがトン単位じゃなかったかな。あんなアッサリ突き破れるかは判りませんけど、そこは「演出効果」という事で。
それにシートベルトをしてなかったかなめとテッサ。ハンドルがあったかなめはともかく、捕まる所のない助手席のテッサは普通車外に投げ出されて死んでますって。ちなみにこれも「演出効果」というヤツで(おいおい)。
屋根を壊して上から覗き込む<ベヘモス>。しかし、そこに宗介の姿がない! どこにいるのか探そうとした時に<ベヘモス>が被弾。向こうを見ると……宗介の乗る<アーバレスト>が!! 「獲物を前に舌なめずり。三流のする事だな」と言って銃を構えています。ヒーローものを彷佛とさせる絶妙な登場です。
ちなみにカプセルがどうやって開いたかというと、爆破のショックでガタの来ていたカプセルが勝手に開いてしまったんですけど、その描写はなかったなぁ。
そして<ベヘモス>VS<アーバレスト>がスタート。しかし、はっきりいって勝負になりゃしません。ミクロマンと現役K−1選手が小細工なしで闘うようなもんです。その原因は「敵側の」<ラムダ・ドライバ>のため。宗介はAIに対策があるか聞きますが「要求は了承。しかし、不明」と素っ気なく返されます。
そんな時、かなめが再びあの「奇妙な感覚」に襲われます。原作ではここで「かなめ」を乗っ取ろうとする「何か」との格闘(……と表現しましょう)があるんですが、それがすっぽりなくて、単にテッサ(?)からの断片的なアドバイスがあっただけ
尺が合わないのは判りますが、結構後々重要になってくるシーンだけに、カットは惜しいなぁ(X_X)。
<ベヘモス>VS<アーバレスト>も、原作では色々と苦戦してますし、<アーバレスト>の片腕吹き飛んでます。
でも、その辺をすっぱり削っていきなりクライマックスを持ってきた感じでしょうか。
闘い始めて少ししてから、かなめから通信が入る所までをカットした感じでしょうね。それでもつじつまは合う(味気ないけどね)から問題はないんですがね。
かなめの通信内容は『冷却装置を破壊すれば倒せる』という事。原作では背中なんですが、アニメでは足の付け根になってましたね。管理人はメカの事はとんと判りませんが、そういう所に冷却装置ってあるもんなんでしょうか?
それを聞いた宗介は、一か八か捨て身の覚悟を思わせるような突進。<ベヘモス>は背中に背負っていた太刀を振り下ろす。
すんでの所でかわしてスライディングし<ベヘモス>の真下に潜り込むと、以前やったように「気合いを入れて、発砲」をします。この時<アーバレスト>が前回同様肩が可変していた事に気がついたでしょうか??
でも、今回は演出が実にアッサリとしていたので、迫力はいま一つかな。
すると<ベヘモス>の身体を光が突き抜けて動きが停止。あとはそのまま崩れていきます。どうして崩れたのかは、前回のこのコーナーに書いた通りです(やっぱり解説しなかったな)。<ベヘモス>のAIが「<ラムダ・ドライバ>機能停止。回復の余地なし。<ベヘモス>重量過多につきパージ(分離)されます」とは言ったけど。
この先は殆ど原作通りのシーンです(削った部分は少々)。
ただ、テッサがかなめに「ライバル」宣言をした訳ですが、どうも「好きになった」という理由の伝わり方が弱く感じるので、どうにも盛り上がらない。これはかなめの時(?)も同じなのですが、これは「フルメタ」でも大事な部分でしょうから、あんまり削ったりしないでほしかったですね。
けど、そのテッサの宣言を聞いたクルツが妙に小躍りして「テッサが恋した、テッサが恋した。おに〜さんはうれし〜ぞ! テッサに春が、テッサに春が。今夜は赤飯だ!」と小躍りして騒いでいるのが彼らしいかな(このあとすっ転びますけど)。
原作だとかなめにこっそり言ってますから、たぶん彼は「この時点では」知らないでしょう。察する事は容易でしょうが。
ただ……このあとのエピローグ部分をまるまるカットしちゃったのはなぁ。謎の人物2人の会話はともかく、そのあとの学校のシーンは見てみたかったな。

さて。全4話構成の「疾るワン・ナイト・スタンド」。はしょりまくるのは覚悟していたし、それを今さらどうのこうの言ったって始まりませんけど……やっぱりファンとしては言いたくなります。
今回第12話は原作が全体的にアクション描写主体のシーンなので、特に気になるものではないんですが、細かい所はやっぱり削ったり変更しているという「しょーがない」有様。お遊びや味つけを極力削ったものですから、やっぱり原作ファン以外は小首かしげそうな展開&シーンも多かったし。
結構いいんだけど、あと一味足りないという評価になりそうだなぁ。
それから冒頭で書いた「8メートルVS80メートル」。具体的な<ベヘモス>の全長は知りません。ゴロ優先のコピーですが、本編中でお台場の観覧車の中心あたりに<ベヘモス>の頭が来ていたので、計算するとだいたいそんなもんでしょう。観覧車の直径は100メートル。『地上115メートルからの大パノラマ』という触れ込みなので、計算するとおおよそ60から70メートルになります。おお、ニアピン!!
でも、この「フルメタ」世界ではビッグサイトは壊れちゃってるんですよね。という事は、この年のコミックマーケットはどこでやったんだろう?? 幕張メッセに行ったのかな??

ちなみに「ワン・ナイト・スタンド」とは「一夜限りの興業(one-night stand)」という意味があります。ま「一夜限りの情事」という意味もありますが(苦笑)。
これだけの話がたった一夜の出来事。しかも今回第12話は、実は15分ほどの間の出来事という事になってます(原作では謎の人物の会話中に『巡洋艦二隻分の金が、わずか15分でパアだ』と言ってましたから)。
という事は、実際の放送はCMなどを除けば20分ほどですから、ほとんどアニメの時間と現実時間の流れ方に差がないという事に……??


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第13話『猫と仔猫のR&R(ロックンロール)』(2002/04/02放送)
原作小説「自慢にならない三冠王? 『猫と仔猫のR&R(ロックンロール)』」より
いつも通り、くたくたになるほどの執務を終えて部屋に戻ったテレサ・テスタロッサ。部屋では友人のメリッサ・マオがビール片手にリラックスしていた。
疲れのせいもあったのかその事を注意したのがきっかけで口論となり、ついにはASでの勝負に発展してしまう。
歴戦のプロであるマオに対し、操縦の知識を頭でしか知らないテッサ。実力差は歴然。テッサは宗介にAS操縦のコーチを依頼する。
だが、人並みはずれた運動音痴のテッサがいきなりできる訳もなく、ASに乗る段階から早くもつまづいてしまい、ようやく乗れたにしても大暴走してしまう有様。でもテッサは宗介と共にいられる事を楽しんでもいた。
迎えた勝負の当日。軽くひねってやるつもりで挑んだマオだったが、テッサの予想以上の上達ぶりと、審判を勤める宗介達のひいきに困惑気味。テッサも自分の考えた作戦通りにマオを「罠」に誘い込む様動いているが、想像以上のハードさに諦めかける。が、宗介の励ましもあり気を取り直す。
隠れたと思いきや、どうにかテッサ機を発見したマオは止めを刺そうとするが、その時にテッサのしかけたストロボ・ライトで彼女の視界が閉ざされる。その隙をついたテッサ機の一斉照射(ペイント弾)を全身に浴びてしまった。
ぐちぐち言ったものの、自分の負けを認め、仲直りをしたマオとテッサ。その笑顔はとても素晴らしいものだった。


テッサファンの方々、お待たせしました! ……と言わんばかりのテッサのエピソードでございます。
まず、テッサの普段の仕事ぶり。原作では色々と細かく描写されてますが、さすがにその辺は削ります。別に切ってもどうって事ないし。
その忙しさに空しさ覚え、愛飲(?)の「おしるこドリンク」を買って自室に帰宅。ネクタイ緩めて「ようやく帰ってきたなー」という雰囲気でホッとしたと思いきや、部屋の中ではマオがくつろいでます。タンクトップにショートパンツ(……かな。服の名称ってよく知らないんですよ)姿で。
プライベートでも仲のいい相手。原作だと合鍵を渡している程の仲だそうですが、その辺は何も触れてませんでしたけどね。
「どうりでタバコくさいと思ったら」「換気扇は回してるよ」とぞんざいなやりとりからもそれが感じられます。
しかし、テーブルの上に乗った数々の空き缶・おつまみ・そして灰皿に入ったタバコの吸い殻。特にタバコは尋常な量ではありません。吸い過ぎに注意しましょうというコピーを張りつけたくなる程です。
その様子を見たテッサは「掃除しに来た人がこれを見て、安っぽいお水みたいに思われるのはイヤ」と言ってしまいます。それにカチンときたマオも「酒飲んでヤニ吸ってれば、女はみんなアバズレってわけ?」とやり返します。
そこから女同士の戦いが始まる訳です。この会話、原作だと「安っぽい娼婦みたいに」「女はみんな淫売(ビッチ)ってわけ?」なんですが、安っぽい娼婦はともかく、ビッチはマズイです。ええ絶対。完璧な差別用語ですから。
最近では「サウスパーク」というアニメの影響か、この手の差別用語やF言葉が結構メディアに平気で出てきてますので要注意。
更に言うなら、この口ゲンカ中にマオ姐さんがしていた仕種。曲げた右腕の肘関節の所を左手でぽんと叩くというのも、とってもお下品な仕種ですのでよい子のみんなは真似しちゃダメですよ。
それからは売り言葉に買い言葉。まさしくその言葉が似合う文句の応酬。ほとんど原作通りなんですが、それに動きが加わっているから何かおかしい。「いつもこそこそと海の底に隠れて、ふんぞり返って命令しているだけのくせに〜」と言いながらタコのようにくねくね動くマオ姐さんは見モノです(笑)。
「まともにASに乗れもしないやつに何が判るってのよ!」「いーえ、乗れますぅ。でも乗らないだ・け・で・す!」……完全にノリは子供のケンカです。
しかし、ここでマオ姐さんの逆襲が。そう。負けたら裸で基地一周という提案!
この時マオ姐さんがバッとタンクトップの前をはだけてるんですが……乳の下半分見えてます(//o//;)。おまけにパンツ頭にかぶってるし(誰のだよアレ)。

で、決闘の詳細を記したテッサからのメールを宗介とクルツが読んでるんですが、二人の表情が凍りつきます。もちろん「負けたら裸で基地一周」の部分です。たぶんクルツは頭の中で妄想してる事でしょう。宗介は顔がこわばってますが。
そのメールが全部英文ってのは芸が細かい。アメリカ人同士ですから当然ですね。もちろん下に日本語で字幕出てますけど。
それで二人にあーだこーだ言っている時に、すっとマオの後ろに現れるテッサ。その時のマオの驚き具合が結構可愛かったりします。
その時にテッサは宗介に「話があります。着いてきて下さい!」と言ってミーティング・ルーム(?)を出て行ってしまいます。名前を呼ばれて条件反射的に立ってしまった宗介もそのあとに続きます。
話というのは、宗介にAS操縦のコーチ依頼なのですが、この下りはさすがにカット。原作ではこの話し中の宗介の想像が結構苦笑モノですが。
対決を前に「マオを殺せ」だの「二度と立てないようにしてやれ」だの言われると思ってしまいます。さすがに本当に殺す訳にもいかないので、事故を演じて殺したと見せかけて逃がすべきだろうか……と頭の中で悶々とシミュレーションしてます。特に「マオによく似た体格の死体を密かに入手して……」綿密に計画を立てている様が怖いです。
余談になりますが、この直後に一瞬だけ映った予定表。「Afternoon off」は判るとしても、そこに書いたヌードのテッサのイラストは誰が書いたんでしょ?? 脇に書かれた「Be Ready !(……だったな、確か。意味的には「準備はできてる」って感じです)」という走り書きも含めて。

一方宗介は「急に仕事が入ったので、約束が果たせない」という事を電話でかなめに話します。最初は笑顔で応じていたものの、「仕事じゃしょーがないわよね。はははの……はっ(怒)。電話をブツンと切ってますから、最後の方はマジで怒ってました。こんな風に怒ってるクセに「あいつの事なんかど〜でもいいわよ」と言っているんですから、世の中ややこしい。
それはともかく「一体俺が何をした?」と言いたそうな硬直具合を見せる宗介の後ろで、Tシャツにスパッツ姿(……かな。重ねて言いますけど服の名称ってよく知らないんですよ)のテッサは準備運動の真っ最中。
そこからはなぜか昔のスポ根モノのように「お願いします、コーチ!」と妙に力んで答えます。宗介は少々唖然とした様子で「コーチという呼び方は、どうも……」とやんわりと断ってます。結局「サガラさん」で落ち着きますが。
そして、訓練スタート。まずは機体に乗り込まないとなりません。縄梯子を一歩一歩登るテッサちゃん。それを「大丈夫だろうか?」とハラハラしながら見守る相良軍曹(登っている時、画面がテッサのヒップのアップとか多かったのは、何か意図的なものを感じます)。
案の定、足を踏み外して地上へ真っ逆さま。宗介はオロオロとしながら受け止めようとしますが、結局テッサは宗介を尻に敷いて……いやいや。宗介は下敷きになってしまいます。
ぴったりと抱き合うように砂浜に倒れ込んだ二人(宗介の片腕はしっかり彼女の腰に伸びてましたけど)。「大佐殿、お怪我は?」「大丈夫です、これくらい。ごめんなさい。それに……何か得した気分ですし」とテッサはすっと視線を逸らします。
ですが、宗介の視界には見えそうで見えないテッサの胸元が(テッサ、多分自覚ナシ)。「いかん。これは……非常によくない」と脂汗流してます。コアなファンの方々の怒りの声が聞こえてきそうです。
しかも宗介は、なかなか離れないテッサから逃れるべくずるずると砂浜を這って移動するんですが(いわゆる仰向けの匍匐前進です)、テッサは彼にピッタリとくっついて、尺取り虫のように一緒に移動してます。ここ、笑うトコです。そのまま二人は画面の外へ。宗介の「あ」っていう短い声が聞こえましたが……そこで何があったかは……二人だけのヒ・ミ・ツ(おいおい)。
とりあえず、今度はASをうつ伏せに寝かせてから搭乗させます。今度はさすがに成功。電源を入れて各種設定を済ませ、自動で立ち上がらせてから「歩く」動作を行った際。
基本的にASというのは操縦者の動作を「増幅して」動かす機体です。にもかかわらず普通に足を出したもんだから……サッカーでボールを蹴ろうとして派手に空振りしたような格好になり、足を高々と上げたまま後ろにすってんころりん。更に衝撃で咳き込んだ際に首と背筋の動きが増幅され、あたりをごろごろ転がり回る。止まりたくたって止まれない。
最後は「犬神家の一族」のアレのように海に真っ逆さまに落っこちて下半身が出ている有様。そしてずぶずぶと沈んでいきます。本当に世界有数の高性能機とは思えない醜態です。乗る人が変わればここまで変わるのですね。

一方マオは基地内の酒場でビールをあおっています。ベロンベロンとまではいきませんが、かなり上機嫌な具合には酔ってます。
そこにクルツがやってきて「テッサちゃん、本気で練習してるみたいだぜ」と。この酒場でのマオのホンネが垣間見えるやり取りは原作通りです。ここだけ見ると周囲が見えてるし、気配りできてるし、クルツって結構いいヤツなんですが、その前後の行動で株を下げてますよねぇ、絶対。

次の日(?)。歩行訓練のあと、宗介と作戦会議。というか、自分の立てた作戦について色々意見を乞うのです。しかしテッサは「サガラさんも『勝てる訳ない』と思っているんでしょう?」とからかうように問います。事実そうかもしれないが、いくら何でも上官の前でそういう事が言えない宗介は言葉を濁しますが、テッサも自分の事はよく判っています。
昔の人は言いました。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と。
テッサは自分の立てた作戦草案を宗介に語って聞かせます。その内容はその時点では語られてませんでしたが、AS戦闘に長けた宗介が「いいやり方です」と太鼓判を押すくらいですから、頭の方はいいのです。作戦部大佐の肩書きは伊達でも飾りでもありません
そのためか「メリッサをびっくりさせてやるの。それさえできれば……裸で基地を一周くらい、どうって事ないです」と笑顔で言い切ってくれます。それからそこ、想像しないように(笑)。

さて、決闘当日。約束の刻限を過ぎても現れないテッサにいらつくマオ。側にいたクルツが「姐さん。宮本武蔵って読んだ事ある?」と聞きます。確かに場所が砂浜だったらそのシチュエーションが似合いそうですけどね。ちなみにマオは戦艦の名前と思ったらしいですが。
しかし遅れてやってきたテッサはマオと同じM9ではなく、それより一世代前のM6で勝負に出ます。高性能機より扱いやすい機体を選ぶ。テッサではハイ・スペックのM9は扱い切れませんから。
そこで始まる決闘。実はこれ、原作をほとんど忠実に再現しているんですよね。結構加えたり削ったりした箇所が多いかな〜と思ってみたらそうでもなし。
これには偉そうに「制作スタッフも判ってきたじゃないの」とほくそ笑んでしまいました。
マオの持っている銃が専用ライフルからおもちゃのようなペイント弾専用銃に変わっていたくらいでしょうか。
惜しむらくは決闘のラスト。テッサ機が隠れた所マオ機の視界をゼロにする為にストロボ・ライトを使ったのが判りにくかったところですね。なぜマオ機のバランスが崩れてしまったのかという事がちょっと判りにくいのが不満と言えば不満ですね。
で、そこに至近距離からペイント弾全弾撃って、決着! 勝負はテッサの勝ち。

負けは負けだが、マオはそれでもブツブツぐちぐちと文句を言います。宗介の「油断大敵。いい教訓だ」の言葉にペタンとあぐらかいて座り込んでしまいます。
でも彼女は負けたグチよりも「何でこんなバカな事しちゃったんだろ」と言いたそうです。
そこにテッサのM6が遅れてやってきます。それからあとはテッサがマオの胸に飛び込んで仲直り。雨降って地固まる、です。
だがそのあとのクルツ(いや、テッサファンのか?)の一言。「それで、裸で基地を一周って件は?」
もちろん二人の答えは決まってます。冷めた目をしてクルツを見て「最低」とぼそっと言ったあと、二人揃ってクルツを蹴飛ばしてます

一方、そんな様子をでばがめ見ている二人が。カリーニンさんとマデューカスさんです。
原作ですとマデューカスに命じられたクルツがこっそりとマオ機のメインカメラに細工をして、リアルタイムで映像が流れるようにしていたんです。
その解説がない上に何の会話のやり取りもなく、マデューカスさんの「君の部下達に感謝せんとな」といきなりこれでは、何が何やら判りませんがな。唐突に現れて唐突に去ってます。

でも全体的に見れば、まぁ及第の出来だと思います。
特に決闘シーンが原作通りにしてたのが原作ファンにも嬉しい配慮ですし、なぜか原作中はもちろんエンサイクロペディアなどの本でも一回もビジュアルが出た事のないM6が見られたのも朗報です。
訓練シーンのASについての解説などがないと判らないのが困りモノですが、それは致し方ない事でしょう。よく考えれば、アニメでASの仕組みについては一切触れてませんでしたから、辛いと言えば辛いですね。
さて、みなさん。今回のタイトル「R&R」。「Rock and Roll(Rock 'n' Roll)」を「R&R」と読ませている訳ですが、原作小説の解説を見ると「R&R」には軍事用語で「休養と回復」という意味があるそうです。
それで調べました。調べた辞書によりますと「Rest and Recreation(保養休暇)」「Rest and Recupertion(慰労休暇)」という2つの略がありました。この場合はどっちなんでございましょう。

さて。次週からはいよいよアニメオリジナルストーリー! アニメスタッフの真価が問われる時がやってきました。
……どうなる事やら。


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第14話『習志野は燃えているか?』(2002/04/09放送)
アニメ版オリジナル・エピソード
陸上自衛隊の習志野駐屯地祭にやってきた宗介・風間・かなめ・恭子・瑞樹の5人。グチグチ不平不満を言いまくるかなめをよそに、それなりに楽しむ他のメンバー。
宗介はその祭りで風間の父・風間信太郎事務官に会う。その会話中、息子が父に対して不快そうな顔をしているのに気づく。
一方かなめは練馬駐屯地の自衛隊員にナンパされていた。彼は、祭りのメインのAS競技会に参加する為に来ていたのだ。
やがて始まる競技会。ASそのものは格上の筈なのに、てんで相手にならない習志野チーム。実力差もある上に練馬チームの反則すれすれのプレイを見て、宗介が屋台で売り子をしていたASを奪って割って入る。
その腕前を見込んで、宗介に隊の指揮を執るよう頼む父。だが、前線で戦わずに見てるだけの父の姿を見て息子の方が憤慨してしまう。
しかし宗介の説得もあり、2人でコンビを組んで最終競技の騎馬戦に参加する事となった。
かなめの方は先程の隊員の頼みを受け入れ、練馬側の人員として騎馬戦に参戦していた。
最初は下手で不馴れなせいでぎこちなかったものの、次第に息もあってくる風間親子。そして相手のASの弱みをついた攻撃が決まり、習志野チームは勝利を飾る事ができた。
帰りの電車の中で、今まで情けないイメージしかなかった父を見直した息子の姿があった。


とうとう始まりました。アニメオリジナル・ストーリー。今回のキーワード(?)は「機動戦士ガンダム」シリーズです。
舞台中は夏休みのようですね。これからやる長編3巻にあたる「イントゥ・ザ・ブルー」が夏休み終わりの話ですからしょうがないでしょう。
本当なら九十九里へ海水浴の筈が、なぜか習志野へ。確かに同じ千葉県ではありますが。何でこうなると憤慨するかなめに、恭子と瑞樹が「そんなに嫌なら来なければよかったのに」「そうそう。風間の誘いに相良くんが乗った時に抗議すればよかったのよ」「高校生にもなってさ〜あ、わがままで団体行動乱しちゃいかんよ、うん」と鋭いツッコミ。演出効果でかなめの頭にたらいが落ちてます。
ちなみに瑞樹は完全に男目当てのようです。「超美形のBS乗りの人がナンパしてきてさ〜あ」と夢見てます。
ちなみに彼女。原作小説の話ではターゲット(笑)を決めたら手段は問わないタイプなんですが、アニメではおとなしめです、これでも。
宗介と風間くんは色々屋台を見ています。宗介は屋台のおじさんから練馬大根の大根おろしをもらって食べてます。……大根おろしそのまま食べて辛くないのかな??
そこに風間くんのお父さんがやってきます。駐屯地での役割は事務官。前線に立つ役職ではありません。宗介は反射的に「相良軍曹であります! ……いえ、はじめまして」と敬礼してしまうのが悲しいかな(笑)。このあとで「軍人のように礼儀正しい子だ」という感想をもたれますが、彼は軍人です。
「友達を連れてきたのは初めてでね」という父に「余計な事言わないでよ」と言ってます。確かに身内にこういう態度を取られると照れくさいものですが、彼が不機嫌そうなのは他に理由がありそうです。
一方かなめ達は別な場所で屋台の料理を食べてました。器用にそれらを運んできた自衛隊の96式ASに感心している所に、練馬側の隊長・赤城龍之介がやってきます(自称練馬レッド・ドラゴン)。金髪(多分染めてる)オールバックにサングラス。見た感じはクワトロ・バジーナさんを意識しているんでしょうが……カッコいいというより可笑しいです。
かなめの方は冷ややかに「練馬ダイコン?」と言ってますが、それでも赤城は、完全なナンパのノリでかなめを「ASしないか?」と誘います。が反応したのは瑞樹の方。しかし赤城は瑞樹は眼中にないようです。かなめの方は怒って去ってしまいますし、瑞樹の方はかなめに仕返ししようとするし。ややこしい事になりそうです。

そして始まる恒例のASの競技会。ノリは運動会ですね。しかし、習志野チームの弱さは半端ではない
「綱引き」「リレー」「卓球」とゲームは続くんですが、いい所がまるでありません。開始前に小学生にすらバカにされてましたから。宗介も「というより、習志野が弱過ぎるのではないか?」と言ってるくらいですし。
しかし、人型兵器がこういうスポーツしている姿というのは、昔の名作OVA「トップをねらえ」の冒頭を思い浮かべてしまいます(笑)。あっちはスポーツじゃありませんでしたが。
綱やバトンはともかく、ASサイズの卓球台とラケットとピンポン球は、やっぱり特注だったんでしょうね。
それは置いといて、リレーの時も卓球の時も、実力があるのに反則プレーを勝利をおさめる練馬側に怒る風間くん。しかし、怒っていたのは彼だけではなかったのです。
卓球のゲーム中。練馬側が力一杯地面を揺らして相手のミスを誘います。習志野側が「終わった……何もかも」と諦めた時、彼らのレーダーに謎のAS反応が。しかも通常の3倍で動く機体。エプロンをつけてトレイを持った、屋台の所にいたあのASがトレイを使って見事なスマッシュを決める!!
赤城の「表へ出たまえ」の声に出てきたのは、96式のハリボテ(段ボール製)を身につけた謎の人物。しかし、かなめはその人物に向かってハリセンを投げつけ、見事撃墜。8メートルの高さから直で落下です。よく生きてるなぁ、というツッコミをしておきましょう
「ソースケ! 何やってんのよ」と詰め寄ってます。宗介は「なぜ正体がバレたのだ」と驚いてますが正体バレバレです。確かにその前に外部スピーカーで怒鳴ってますからすぐ判りますし、ASをこれだけ見事に操縦できる人なんてそうそういないでしょうから。
でも、この96式ASは2人乗り。1人でも動かせない事はないのですが、2人乗りである以上1人では機能制限くらいはある筈です。宗介は1人でどうやってあそこまで見事な操縦をしたのでしょうね??
そこに瑞樹がジュースを差し出します。どうやら彼女は正体が宗介という事に気づいてないようです。「こんなお子サマより、あたしとGSしません?」と猫なで声出して抱きついてます。抱きつくといっても相手の顔を自分の胸に押しつけるような感じです。ハリボテ内の宗介がビックリしてあたふたしているのが判ったかなめはむっとした顔で瑞樹を引き剥がしてます。素直じゃないなぁ、とツッコミを入れておくのはお約束ですね。
ちなみにこの時のGSというのは「グループ・サウンズ」の事。1960年代に流行った音楽グループです。今時の高校生が知っているとは思えんのだが……。実際恭子は「うわー。そのネタわかんないよ」と言ってますし。閑話休題。

風間父は宗介の操縦を見て事情を説明し「中隊の指揮を執ってくれ」土下座してまで頼みます。ハリボテを着たままの宗介にです。
しかし、その父の姿に息子の方が怒ってしまいます。やはり自分の父親には多少なりとも憧れというものがあります。たとえ下手でも(隊員さん曰く「センスの欠片もない」そうです)自分が操縦して先陣切って戦ってほしかったのでしょう。その不満をぶちまけますが、宗介にはたかれます。
宗介は「戦場における後方支援は、極めて重要だ。それがなければ、前線の兵は実力を発揮する事ができない。それを仕切るのは、事務官の重要な任務だ」と彼を諭します。さすが現役の傭兵です。実体験からくる言葉です。
ですが、風間父は事務官であって司令官じゃないと思うんですけどねぇ。それとも事務官ってそういう事もやるんでしょうか? よく知りませんけど。
そのあとの「練馬ダイコンをオロシにしてやりましょうか」は、彼なりのギャグでしょうかね。

さて。宗介への当てつけなのか何なのか、赤城の申し出を受けて練馬側についたかなめ。彼は「体育の授業と同じように動けばいい。あとは僕がフォローするよ」と言ってますが、何かってーとかなめに触ろうとしてきます。その度にかなめも「触らないでくれる?」と冷ややかに言い返しますが。
そして始まった最終競技の騎馬戦。「憎っくき男をブン殴る気でパンチをくり出せ」と言われたかなめは不敵な顔で機体を操作します。思い浮かべたのは間違いなく宗介でしょう。
くり返しますが、この96式ASは2人乗り。座席は縦に並んでます。2人乗りとはいえ、素人のかなめがいきなり動かせるのか疑問ですが、どっちがどういう風に操作しているのか、かなり気になります。
一方、風間親子の方はといいますと、宗介がどこからか持ってきた操縦OSの力もあってどうにか生き残ってます。
開始前は「親子の仲が良くはないから大丈夫か?」と心配されるんですが、宗介は「チームワークは戦闘中に固まるものです」と言ってます。確かにそういうものかもしれません。
けど、いくら「お祭り」とはいえ、民間人を簡単に兵器に乗せちゃっていいのか??
ここで練馬側は奥の手を出してきます。縦3列に並んだまま相手に突進する赤い三連星の「レッド・ストリーム・アタック」です。最後方のASが、前のASを踏み台にしてジャンプ。そのまま宗介の乗る機体に襲いかかってきます。「ASを踏み台に!?」と驚いた宗介ですが、どうにかかわします。
「毎年あれでいつもやられるんだ」と言ってますが、あれは3対1でないと効果ないんですよね、実際。大勢でかかればいいのに。
バタバタとやられて行く習志野チーム。風間親子に「退避して下さい」と告げる仲間達。だが、事務官といえども仲間を置いて自分だけ逃げる事はできない。その真剣に戦う父の姿を見た風間くん。
そして「俺は……不器用だ。プラモもろくに直せやしない。だが、このまま引き下がる訳にはいかない。俺と一緒に、戦ってくれるか」という父の言葉に、息子の方も父を見直してやる気を出します。

それから習志野チームの反撃が始まり、いやが応にも士気が上がります。そして、最終決戦とばかりに、練馬側はもう一度「レッド・ストリーム・アタック(かなめ曰く「ダイコン・ジャンプ」)」を宗介の機体にかけます。だが、今度はフォローが間に合いそうにない!
その時、風間父は96式ASの弱点を思い出します。それは右の関節がもろい事。そこを突いて練馬側の隊長機の右腕の関節を攻撃し、見事に腕を吹き飛ばしますが……コレって絶対「弱点」じゃなくて「欠陥」だと思います。はい。
その隙に宗介機が相手隊長機の風船を破壊して、ゲームセット。
まがりなりにも自衛隊員。歯車がガッチリ噛み合えば強いです。宗介は彼らの健闘をたたえます。
一方かなめの方は負けたショックはそれほどないものの、赤城にシート越しにベッタリと寄られてます。そのあと彼は「認めたくないものだな。若さゆえの過ちというものは」と呟き、かなめの肘を喰らってますが。

帰りの電車の中、瑞樹は96式のハリボテの頭を持ち、風間くんは父親に直してもらった(ようである)96式のプラモを持ち「勝てたのは相良くんやみんなのおかげだね」と言いますが、宗介は「勝ったのは我々ではない。習志野空挺師団と事務官殿だ」と答えます。そしてかなめ1人が「あたしの……あたしの夏の思い出はどこぉ〜〜?」とガックリきてぼやいてます(恭子は寝てるようです)。

今回は宗介&かなめは脇役で、風間親子の交流がメインでしたね。情けないと思っていた父のかっこいい姿を見て見直して、親子の関係が良くなるというお話。
余談ですが、習志野駐屯地が空挺部隊ってトコはホントです。でも空挺部隊ってもの凄いエリートらしいです。そのエリートすら驚く腕前の宗介も、ホントは凄いんですけどねぇ。普段かなめにどつかれまくってますが。
けど、かなめの声が何か安定してない気がするなぁ。シーンによって別人の声になっていると言うか……。
でも、原作の小説(短編)でも、話のたびに結構性格とかノリが違うから、あんまり疑問に思われないのかもしれないけど。
それにしても、今まではミリタリー路線バリバリのASですが、この話で一気にパトレイバーっぽくなった気がします。それいいのか悪いのかはこの際無視。
今回の話。「ガンダム」ネタを折り込んでいるんですが、かなり滑りまくってますねぇ。「ガンダム」「Zガンダム」「ZZガンダム」を現役で見ていた世代は多分30以上でしょうからね。今の10代じゃわかんないでしょう(スーパーロボット大戦プレイヤー以外は)。
それに管理人は最初の「ガンダム」しか見てないので、おそらく見逃しているネタも多いでしょう。
こういうパロディは判らん人にとってはタダのお寒いギャグにしかなりません。新しめのネタでやるべきでしたね。
しかし、今回他のサイトさんでは、絶対こういう意見が出るんだろうな。
絵がムチャクチャ荒れてるぞ、と。

追記:これを放送の翌日にアップしてからよそのサイトさんの感想を見ていたら、こんな事が書いてありました。
知識のみで知っていたが運動音痴のテッサがASをそれなりに動かせるようになるまで3日かかってたのに、AS操縦そのものを知らないかなめや、やっぱり知識くらいしかない風間くんがろくろく訓練も受けないでいきなりプロの方々と互角以上に動かしてたってのは納得できん。いかに2人乗りの機体で相手のフォローがあったとしても。いや。2人乗りの機体ならば、なおの事相手との呼吸が合わないと「立派には」動かないでしょう。そう思いません??
……こっちも少し触れてるが確かにそうだな。気づかんかった(滝汗)。
それから「今日の話は、無かった事にならんか?」という方も(-o-;)。


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