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どうみる「あっちゃん卒業」 法政大教授と評論家に聞く

産経新聞 3月31日(土)13時1分配信

どうみる「あっちゃん卒業」 法政大教授と評論家に聞く
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AKB48からの卒業を発表した前田敦子(中央)と、駆け寄るメンバーら=25日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナ (中鉢久美子撮影)(写真:産経新聞)
 25日、AKB48からの“卒業”を突然宣言した前田敦子(20)。実際のグループ離脱の時期はまだ明らかにされていないが、ファンはもとより、多くの関係者を驚かせた。この「あっちゃん卒業」をどうみるか、稲増龍夫法政大教授(59)=メディア文化論=と、音楽評論家の富澤一誠さん(60)に聞いてみた。

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 ■稲増龍夫さん「勝負のカードを切った」

 いよいよこのカードを切ったか、と感じた。総合プロデューサーの秋元康さんは、今のシステムでAKB48を続けようと思ったら強く慰留していたはずだ。海外進出も果たし、秋元さんもそろそろカードを切らざるを得ないと判断したのではないか。

 卒業カードを切ると、コンサートは盛り上がり、CDは売れる。1970年代に活躍した「キャンディーズ」は人気絶頂時に「普通の女の子に戻りたい」と解散を宣言してからしばらく活動を続け、ファンは盛り上がった。落ち目になってからでは効果はない。つまり、このカードは切るタイミングが重要で、秋元さんがプロデュースした「おニャン子クラブ」もピーク時に解散している。

 女性アイドルは未来永劫続けていられるとは思っていない。前田さんの場合、次の選抜総選挙で1位になったら「またか」と思われかねず、2位以下だと落ち目とみなされる。今、卒業を発表すれば、次の選抜総選挙では「新しい“神セブン”(上位7人)は誰か」と話題になる。ここで仕掛けて勝負に出たのだろう。

 次の総選挙のトップがAKB48の今後のカギを握るが、ちょっとしたパワーダウンをメディアはたたき、それで解散に至るのが過去のアイドルグループの流れだった。それでもAKB48の場合は劇場での活動という退路があり、テレビ番組「夕やけニャンニャン」の終了とともに消えていった「おニャン子クラブ」とは異なっている。(談)

 ■富澤一誠さん「意外性を継続できるか」

 AKB48は秋葉原の専用劇場で細々とスタートし、前田さんのような第1期生が汗を流しながらひたむきに頑張る姿によって着実にファンを増やして、人気グループに成長した。初期メンバーだった前田さんはファンの精神的なシンボルでもあった。卒業によってAKB48は多くのファンを失うだろう。

 それでも、この卒業がAKB48にとってプラスになれるのか。それは前田さんの今後の活躍次第だろう。宝塚歌劇団のトップスターが退団後も芸能界で活躍するように、卒業生が活躍すれば、その集団の魅力も増し、期待の新人も入ってくる。前田さんの卒業はAKB48の試金石になり得る。

 ただ、他のメンバーも次々と抜けていくようになると、どうしても「モーニング娘。」を連想してしまう。メンバーの卒業や脱退は大きく報じられたが、あまりに交代しすぎて、ついていけなくなるファンもいた。今のところ、AKB48には他にも人気メンバーがいるので、戦力は落ちないと思うが、ファンらが「モーニング娘。」と重ねるようになると意外性が感じられなくなるのではないか。

 そもそもAKB48は新曲を歌うメンバーをファン投票で決める選抜総選挙などで、結果が出るまでファンをワクワクさせ、その意外性が支持されてきた。今後も「次はどういうストーリーが展開されるのだろうか」とファンを期待させられるか、意外性を継続していけるかが成否のカギとなるだろう。(談)

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最終更新:3月31日(土)13時1分

産経新聞

 

前田敦子

女優・歌手・アーティスト 前田敦子(マエダアツコ)
誕生日:1991年 07月10日
星座:かに座
出身地:千葉
血液型:A

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