採用試験漏えい:淡海学園の園長を懲戒免職処分−−県 /滋賀
毎日新聞 2012年03月10日 地方版
自立支援員採用試験の受験生に面接問題を漏らしたとして、県は9日、県立児童自立支援施設「淡海学園」(甲賀市)の土橋輝彦園長(54)を懲戒免職処分にした。土橋園長は面接員の1人で「何とか園で働いてもらいたかった」と漏えいを認めたという。
県人事課の発表によると、同園は自立支援員の欠員のため、2月に採用試験(定員1)を実施。支援員は数が少なく確保が難しいため、土橋元園長が事前に県外の養成学校に依頼し、紹介された20代男性と独自に接触して採用を希望。この男性に受験者一覧(2人)を見せたり、携帯電話のメールなどで面接試験の質問と回答例を漏らしたりした。
面接試験前にもう1人の受験生の関係者からの連絡で、人事課が受験者名の漏えいを把握。土橋元園長への聴取で面接問題の漏えいも発覚し、教養試験や論文を含む試験自体を無効とした。携帯電話の履歴を削除し、男性にも削除を求めるなど証拠の隠滅も図っていたという。
土橋元園長は83年に自立支援員として同園に採用され、10年4月から園長を務めていた。県の聴取に「現場経験があり、合格してほしかった。悔悟の念でいっぱい」と話し、金品の授受はなかったという。【姜弘修】